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第04章 大団円
05話 ロロ有名犬となる
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寺本の愛犬ロロは今日も元気。さながら。寺本と共に。散歩会のリーダー的存在だ。ロロは今日も人のため仲間のために汗を流した。いや、犬は汗はかかないからなんというべきか。とにかくロロは世の中のために働きたいのだ。犬が人間の良き友となって久しいが、その中にあってロロは筋金入りの忠犬だった。おやつをもらう時のロロを見ればその性質が分かるというものだ。サムやユキが長いマテを待てずおやつをフライングしてしまうのに対しロロはいつまでも待ち続けた。
ロロにとって散歩はパトロールに等しい 首輪には警察署からもらった缶バッヂがついている。それはロロの誇りだった。
秋のある晴れた日、ちょっとした事件が起こったのだ。その日、ロロはいつものように散歩会の面々の先頭を歩いていた。そして何かに気づいたのだろう。ロロは走って先を目指した。寺本が後を追った。ロロは階段を下り、砂浜の方へと下りて行った。すると波打ち際には人が倒れているではないか。ロロが吠える。まだ若い人でウェットスーツを着ている。きっとサーフィンをしていてアクシデントに見舞われ流されたのだろう。息はしている。寺本はスマホですぐに119番通報した。結果、その人は助かった。警察は寺本とロロに感謝状を送った。そのニュースは全国紙の地本欄の片隅に乗った。ロロはすっかり人気者になった。散歩をしていると声をかけられる。
「あらロロちゃんね。わたしの家のキャンディのお婿さんになってくれないかしら」
「ロロ君、新聞見たよ。勇敢だね。いっしょに写真撮ってもいいかな」
などは引く手もあまた。寺本は鼻高々だった。
ロロはペット情報誌の仕事もこなし、一段と、有名犬になった。ロロは外国のメディアからも取材された。寺本がつくったロロのSNSのアカウントのフォロワー数は軽く十万人を超した。百万に達する勢いだ。外国からのフォロワーもいる。寺本はカメラを買ってもらい、毎日ロロの写真を撮って発信した。中でも「ロロの日記」というコラムが人気を博した。散歩会でのささやかな日誌である。寺本とロロがあたかも話をしているかのような内容が受けた。ロロは世界一有名なマルチーズのSNS犬になった。
さとしが言った。
「ロロの人気すごいな。いちツイートするだけで、いいねの山が築けるなんて」
「ちなみにユキのアカウントを作って写真をツイートしてみたんだけど、一桁さ。SNS楽しいだろ寺本」
「まあね」
「何かアピールできるものができたら増えるんだろうけど、何もないからな」
とさとしは言った。
「これからだよ。まだ1歳にもなってないんだから」
寺本は言った。
つづく
ロロにとって散歩はパトロールに等しい 首輪には警察署からもらった缶バッヂがついている。それはロロの誇りだった。
秋のある晴れた日、ちょっとした事件が起こったのだ。その日、ロロはいつものように散歩会の面々の先頭を歩いていた。そして何かに気づいたのだろう。ロロは走って先を目指した。寺本が後を追った。ロロは階段を下り、砂浜の方へと下りて行った。すると波打ち際には人が倒れているではないか。ロロが吠える。まだ若い人でウェットスーツを着ている。きっとサーフィンをしていてアクシデントに見舞われ流されたのだろう。息はしている。寺本はスマホですぐに119番通報した。結果、その人は助かった。警察は寺本とロロに感謝状を送った。そのニュースは全国紙の地本欄の片隅に乗った。ロロはすっかり人気者になった。散歩をしていると声をかけられる。
「あらロロちゃんね。わたしの家のキャンディのお婿さんになってくれないかしら」
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などは引く手もあまた。寺本は鼻高々だった。
ロロはペット情報誌の仕事もこなし、一段と、有名犬になった。ロロは外国のメディアからも取材された。寺本がつくったロロのSNSのアカウントのフォロワー数は軽く十万人を超した。百万に達する勢いだ。外国からのフォロワーもいる。寺本はカメラを買ってもらい、毎日ロロの写真を撮って発信した。中でも「ロロの日記」というコラムが人気を博した。散歩会でのささやかな日誌である。寺本とロロがあたかも話をしているかのような内容が受けた。ロロは世界一有名なマルチーズのSNS犬になった。
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寺本は言った。
つづく
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