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ギルドの章

-守る覚悟と傷つける覚悟-

「あぁ…やっと会えたよ…アッハハハッ…ハハッ‼︎ほんとっ最高で最悪な気分だよ…」

黒騎士と彼から発せられる二つの殺気が私の体を鋭い刃で何度も何度も刺されるかのような痛い殺気…私も桜もその場を立っているのでもやっとのような

「あれれ俺たちを知ってるんだね…でも残念だ俺は君を知らないんだよねぇでもまぁ恨まれてるってのはわかるよでもねぇ…」

黒騎士がなにかを持ち桜達に向けた私はその物をしっかりと見えてないはずなのにすぐに武器だとわかった…どこかで見た形だと思ったからだと思う

「避けてっ‼︎」

私は無意識のうちに叫んでいたその一言で喉が痛くなるほどに…

《バンッ》

大きな音が鳴り響く周りを見渡すと桜と彼はギリギリで避けれたようだ…黒騎士は私の方を向いてこう言った

「あれ可笑しいなぁ…〈魔法銃〉の攻撃を気づかれるなんてなんでかなまるで魔法銃を見たことあるようだね…ここら辺じゃ珍しいのになんでだいお嬢さん」

そう言うと黒騎士は私の方に銃口を向ける…私は目を見張った彼奴が持っている魔法銃を私は知っている…あの銃は…あの形は…

「その銃を何故お前が持っている！その銃は私の…お父さんの銃だっ‼︎」




-6年前-
「お父さんの銃カッコイイねぇリルアも使いたい！」

「リルア…この銃はな使い方次第で人を簡単に傷つけてしまうだからなお前がこいつを使う時が来るならばそれは誰かを心から守る覚悟と守るために傷つける覚悟を持てた時だ」

「リルアよくわかんないっ！」

幼き私の頬は膨れ上がり大きな父を見上げて苛立ちを口にする

「今は分からなくていいんだでもこれからきっとわかる時が来る…お前は強い子だからな大丈夫だその時が来れば2つの覚悟を持てるだろうな」

そう言うとお父さんは大きな手を私の頭にポンと載せ髪をワシャワシャと撫でる…大きくてゴツゴツとしていて温かいお父さんの手が私は大好きだった…
その数年後父は魔物に襲われ亡くなったその時持っていたはずのお父さんの銃は何処を探してもなくお母さんはきっと魔物が持っていたのだと言ったのを覚えている……




-現代-
「お父さん？あぁ…あの魔物狩りをしてたおっさんか」

「なんで…その銃を持ってるのかって聞いてるの… 答えろ！黒騎士！」

「怖いねぇ…いいよ教えてあげる…あの時おっさんが俺好みの銃持ってたからこの俺様がその銃をくれ頼んでやったのに彼奴断ったんだぜ？この俺様の頼みを断った報いを受けさせてやるために殺してやったよ！そしたらさぁえっとなんだっけリ…リル…そうそうリルアだ『リルア愛してる』ってずっと言い続けてるんだ死ぬ瞬間までずっと言い続けてたなぁ今でも思い出しただけで笑いが込み上げてくるよ…アハハッ！アハハハハハ！」

お父さんの本当の死を知って私は心の奥底から怒りや憎しみといった無数の感情が湧き出てきた心が燃えるように熱い…頬を伝う涙さえもが熱く感じる…

「私は…お前を絶対許さない…お前はここで殺してやる！」

「あぁ…俺そう言う表情が大好きなんだ…ゾクゾクするよ……もっともっと見せてよ」

私は黒騎士に向かって走り出すウルフ達に噛まれた足がが痛いはずなのに今の私にはその痛みが感じられなかった…今の私には目の前の黒騎士を殺すと言う言葉だけが頭の中をめぐる
鞄の中に入っているダガーナイフを出し突進した私の攻撃を黒騎士はいとも簡単に跳ね除けた

「うあっ……」

地面に体が打ち付けられ痛みが走る先ほどまで痛くなかった足にも痛みが戻ってきた…痛い…痛い…痛いよ…

「もう終わりかい？ねぇもっともっと俺にあの顔を見せてよ…さぁっ」

そう言うと黒騎士は私の腕を踏みつける

「あがッ…ッ‼︎…あぁぁぁッ」

腕が壊れてしまうような痛みが私を襲う中桜の声が聞こえてきた

「リルアッ！辞めてリルアを離して‼︎」

「リード君」

その名前を発せられた時には桜はもう一人の騎士に捕まっていた

「ナイスナイス♪あっいい事思いついちゃった！リード君そのままその子を捕まえててよ見ててねリルアちゃん」

そう言うと黒騎士は私の腕から足をどかし桜に銃を向ける

【助けないと…桜を守らないと…】

『お前ならきっと大丈夫だだから武器を持つんだ…リルア愛している』

お父さんの声が聞こえたそして大きな手で背中を押されたような気がする…ありがとうお父さん私は桜を守りたいだから私は守るために武器を持って戦うよ…だからお願い力を貸してお父さん…お母さん…

《バンッ》

鳴り響く銃声
飛び散る血
周りの驚く顔

「なんで…なんで君が魔法銃を持ってるんだリルアちゃん…」