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収監令嬢・蛇足の舞台裏 ~神々の事情~
男神の回顧録15・男神の切望【第13幕中】
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『これは儂の推測も含みますが』
アッシュが一呼吸つけるように『んむ』と喉を鳴らす。
『マデラに待ってろと言われ、ただ迎えを待つぐらいなら期日をきちんと決めたい、と考えたようです』
「迎え?」
『恐らく約定の証に魔界に来い、と言われたと捉えたのではないですかな』
「マデラ、そんなことを言ったのですか?」
『いや、それは言ってない。告げたのはさっきの言葉通りで……魔王にお伺いを立てねばならん、と付け加えたはずだ』
マデラが慌てたようにわたしとアッシュの顔を代わる代わる見比べる。
しかし約定が破られたと言われれば、嫌でも千年前の出来事を思い起こすだろう。
余計なことをしてくれた……。これではマユの本当の望みかどうかはわからないではないか。
ギュッと肘掛けに乗せられていた拳を握ると、マデラがギョッとしたように私の方を見た。
『いや、魔王……あの……』
『お待ちください、魔王。聖女は確かに迎えに来るならこの日で、という意図だったようですが、伝言には続きがございます』
「続き?」
『はい』
アッシュは一つ頷くと、その続きの伝言を諳んじた。
〝一つ、聖女は一人だけにしてほしい。
マリアンセイユ・フォンティーヌが魔王の下に行くから、ミーア・レグナンドが人間界に留まることを認めてほしい。
二つ、マリアンセイユ・フォンティーヌは次期大公ディオンの正妃として魔王の下に向かいたい。
そのため、結婚の発表を終えるまでは登場を待ってほしい。
三つ、事前に顔を合わせていたとなると大事になるため、私達とは初対面ということにしてほしい。
そのため、私達の前に現れたときの言葉を、そっくりそのまますべての大衆に伝えてほしい。〟
『……以上でございます』
「……」
――マユが魔界に来る。魔王に会うために。
思わず顔が崩れそうになり、慌てて左手で隠す。しかしそれでも隠しきれる気がせず、顔を背け、俯いてじっくりと考え込むフリをした。
いや、フリではなくきちんと考えなくては。
マユはどういうつもりでこの伝言を寄越した? 自分が犠牲になるつもりなのか? ミーア……親友の早坂美玖にディオンを譲り、自分は魔界に行く、と。
確かに、魔王は怖い存在ではないとそれとなく伝えたのはわたしだ。聖女シュルヴィアフェスとの真実も。
でも、だからと言ってそんなすぐに覚悟が決まるものだろうか?
やっぱり、マユの考えることはよくわからない。
そしてどうしてこう、決断が早いのだろう……。せっかちなのだろうか。それとも直観力に優れていると褒めればいいのだろうか。
思えばディオンとの結婚についてもそうだった。もう少し落ち着いて考えれば、他にやりようがあったのではないだろうか。
まぁわたしも、人のことは言えないが。
『なぜ、その聖なる者の選定とやらの場なのだ?』
『マリアンセイユによれば、この日はリンドブロムの歴史に残る重要な日だと』
『ほう』
『聖なる者の選定を見届けるために大公家は勿論、すべての貴族、そして多くの民衆がリンドブロム大公宮の闘技場に集まるそうじゃ。もし魔王が目覚めたこと、そして王獣の言葉を多くの人間に聞かせたいのであればこれ以上の機会はない、という話だったのう』
『なるほどな』
マデラの問いにアッシュが答える。そしてその言葉に、マデラがまんざらでもないように頷いている。
確かに、この晴れやかな舞台にどうぞお越しください、と言われれば悪い気はしないだろう。
そうか、それでこの『三つの願い』が意味を持つのか。なるほど……。
マデラが二人を『聖女』と呼び、しかも魔王へお伺いを、と配慮する姿勢を見せたことから、マユは自分の価値に気づいた。
そしてそれを、最大限に利用しようとしている。
単なる『聖なる者』から、真の『聖女』へ。そう、すべての人間に周知させる。
魔王の使者が認めた『聖女』の言うことに、誰が逆らえるものか。リンドブロム大公国は、聖女の血筋を重んじる、聖女を神のように崇拝する国だ。
それでもやはり、マユが自らを犠牲にして、という印象は拭えないが……真意はともかく、これが今のマユの望みであることは間違いない。
ならばわたしは最大限、力になろう。
「わかりました。マデラ、ではそのように」
『えっ!? いいのですか、魔王!?』
わたしの言葉に、マデラが急に慌てふためく。
「何か問題がありますか?」
『聖女は二人いるのですぞ。本来ならば、二人とも魔王と謁見すべきでは?』
その後の処遇は考えるにしても……と、マデラがやや不満そうに言葉尻を濁す。
「聖女を二人とも魔界に招集するとなると、人間側も黙ってはいないでしょう」
『黙らせればいいのでは?』
「約定が破られたのは事実ですが、すべての人間が地上を荒らし魔物を駆逐している訳ではない、と考えています。つまり多くの人間は〝聖女を差し出さねばならぬほどのことはしていない〟と認識しているはず」
『……』
「それが過ちであることは確かですが、すぐに正そうとは考えていません。今はじっくりと世界を眺めた上でどうするか決めたい、と思っています。ですので現時点では事を荒立てる気はありません。そんな中、片方の聖女が自ら魔界に来るというのであれば、喜んで迎えようという考えです」
『二人を見ずに、ですか? 選ぶのではなく、ただ受け入れる、と?』
それは、わたしの好みがマユではなくミーアかもしれないぞ、と言いたいのだろうか。あり得ないのだが。
というより、本来聖女は魔王の伴侶ではないのだが……これはだいぶん、初代魔王に毒されているな。
まぁ、わたしもそれを利用しようとしていたのだから、文句は言えないが。
「そうですね。ですが、二人がどれほどの資質を備えているかという懸念は残ります。……ですので、力試しをすることにしましょうか」
『力試し?』
「ええ。場所は闘技場ということですし、ちょうどいいでしょう」
野外探索で見た魔精力から考えれば、二人の実力が抜きんでているのは確か。
しかし如何せん、これは普通の人間には伝わり辛い。マユが自分とミーアの特別性を印象付けたいと考えているのならば、それを後押しするのがいいだろう。
手っ取り早いのは、二人の魔法を見せつけることだ。
「アッシュ、ではそのように言伝をお願いします」
『かしこまりました』
マデラが口を挟む前にアッシュに命じる。アッシュは頷くとすぐに謁見の間の池から姿を消した。
恐らく聖獣を通じて、魔王の言葉はマユに伝えられるだろう。
〝三つの願いは叶えよう。ただし、聖女の力を試させてもらう〟と。
『魔王……聖女に攻撃をしかける、と?』
消えるアッシュを見送ったマデラが、やや訝し気にわたしを見る。
確かに、盲目的に聖女を溺愛する初代魔王を見ていた彼にとっては、異常なことに感じるだろう。
だからこそ、わたしは初代魔王とは違う、というところを見せなくては。
「ええ。あちらの要求を呑むのですから、これぐらいはやっていただかないと」
わざと悪者っぽく……というのもおかしいが、冷酷無比の魔王らしく、冷たく微笑む。
「とは言っても、あまり危険な魔物では場を壊してしまいますから、ソイルスライムぐらいでいいのでは?」
『ふうむ。確かに知能を持たない、最下級の魔物ですが』
「一匹では迫力に欠けますので、何体か……そうですね、亜種なら面白いことになりそうですね。あっという間に増えますし」
『ほ、本気ですか?』
「ええ。……楽しみですね」
そう言って両手を組み微笑むわたしに、マデラが
『まぁ……』
と呟いている。しかし懸念は拭えないようで、ふむぅ、と鼻息を漏らした。
――マユ。
あなたが立てた作戦は、見事だと思います。
ですがこのままでは、あなた自身が報われない。
真の魔導士になると言って辺境の地パルシアンで――そして学院に入ってもずっと続けられていた努力は、誰にも知られることなく埋もれてしまう。
せめて、それだけは。
マリアンセイユ・フォンティーヌは『正妃』である前に、素晴らしい魔導士で。
そして彼女によってこの世界は救われたのだと、リンドブロムの歴史に深く刻みつけたいと考えています。
これで、少しはあなたの役に立てるでしょうか?
この世界であなたが望む生き方をしてほしい、というわたしの願いは、少しは叶えられるでしょうか?
アッシュが一呼吸つけるように『んむ』と喉を鳴らす。
『マデラに待ってろと言われ、ただ迎えを待つぐらいなら期日をきちんと決めたい、と考えたようです』
「迎え?」
『恐らく約定の証に魔界に来い、と言われたと捉えたのではないですかな』
「マデラ、そんなことを言ったのですか?」
『いや、それは言ってない。告げたのはさっきの言葉通りで……魔王にお伺いを立てねばならん、と付け加えたはずだ』
マデラが慌てたようにわたしとアッシュの顔を代わる代わる見比べる。
しかし約定が破られたと言われれば、嫌でも千年前の出来事を思い起こすだろう。
余計なことをしてくれた……。これではマユの本当の望みかどうかはわからないではないか。
ギュッと肘掛けに乗せられていた拳を握ると、マデラがギョッとしたように私の方を見た。
『いや、魔王……あの……』
『お待ちください、魔王。聖女は確かに迎えに来るならこの日で、という意図だったようですが、伝言には続きがございます』
「続き?」
『はい』
アッシュは一つ頷くと、その続きの伝言を諳んじた。
〝一つ、聖女は一人だけにしてほしい。
マリアンセイユ・フォンティーヌが魔王の下に行くから、ミーア・レグナンドが人間界に留まることを認めてほしい。
二つ、マリアンセイユ・フォンティーヌは次期大公ディオンの正妃として魔王の下に向かいたい。
そのため、結婚の発表を終えるまでは登場を待ってほしい。
三つ、事前に顔を合わせていたとなると大事になるため、私達とは初対面ということにしてほしい。
そのため、私達の前に現れたときの言葉を、そっくりそのまますべての大衆に伝えてほしい。〟
『……以上でございます』
「……」
――マユが魔界に来る。魔王に会うために。
思わず顔が崩れそうになり、慌てて左手で隠す。しかしそれでも隠しきれる気がせず、顔を背け、俯いてじっくりと考え込むフリをした。
いや、フリではなくきちんと考えなくては。
マユはどういうつもりでこの伝言を寄越した? 自分が犠牲になるつもりなのか? ミーア……親友の早坂美玖にディオンを譲り、自分は魔界に行く、と。
確かに、魔王は怖い存在ではないとそれとなく伝えたのはわたしだ。聖女シュルヴィアフェスとの真実も。
でも、だからと言ってそんなすぐに覚悟が決まるものだろうか?
やっぱり、マユの考えることはよくわからない。
そしてどうしてこう、決断が早いのだろう……。せっかちなのだろうか。それとも直観力に優れていると褒めればいいのだろうか。
思えばディオンとの結婚についてもそうだった。もう少し落ち着いて考えれば、他にやりようがあったのではないだろうか。
まぁわたしも、人のことは言えないが。
『なぜ、その聖なる者の選定とやらの場なのだ?』
『マリアンセイユによれば、この日はリンドブロムの歴史に残る重要な日だと』
『ほう』
『聖なる者の選定を見届けるために大公家は勿論、すべての貴族、そして多くの民衆がリンドブロム大公宮の闘技場に集まるそうじゃ。もし魔王が目覚めたこと、そして王獣の言葉を多くの人間に聞かせたいのであればこれ以上の機会はない、という話だったのう』
『なるほどな』
マデラの問いにアッシュが答える。そしてその言葉に、マデラがまんざらでもないように頷いている。
確かに、この晴れやかな舞台にどうぞお越しください、と言われれば悪い気はしないだろう。
そうか、それでこの『三つの願い』が意味を持つのか。なるほど……。
マデラが二人を『聖女』と呼び、しかも魔王へお伺いを、と配慮する姿勢を見せたことから、マユは自分の価値に気づいた。
そしてそれを、最大限に利用しようとしている。
単なる『聖なる者』から、真の『聖女』へ。そう、すべての人間に周知させる。
魔王の使者が認めた『聖女』の言うことに、誰が逆らえるものか。リンドブロム大公国は、聖女の血筋を重んじる、聖女を神のように崇拝する国だ。
それでもやはり、マユが自らを犠牲にして、という印象は拭えないが……真意はともかく、これが今のマユの望みであることは間違いない。
ならばわたしは最大限、力になろう。
「わかりました。マデラ、ではそのように」
『えっ!? いいのですか、魔王!?』
わたしの言葉に、マデラが急に慌てふためく。
「何か問題がありますか?」
『聖女は二人いるのですぞ。本来ならば、二人とも魔王と謁見すべきでは?』
その後の処遇は考えるにしても……と、マデラがやや不満そうに言葉尻を濁す。
「聖女を二人とも魔界に招集するとなると、人間側も黙ってはいないでしょう」
『黙らせればいいのでは?』
「約定が破られたのは事実ですが、すべての人間が地上を荒らし魔物を駆逐している訳ではない、と考えています。つまり多くの人間は〝聖女を差し出さねばならぬほどのことはしていない〟と認識しているはず」
『……』
「それが過ちであることは確かですが、すぐに正そうとは考えていません。今はじっくりと世界を眺めた上でどうするか決めたい、と思っています。ですので現時点では事を荒立てる気はありません。そんな中、片方の聖女が自ら魔界に来るというのであれば、喜んで迎えようという考えです」
『二人を見ずに、ですか? 選ぶのではなく、ただ受け入れる、と?』
それは、わたしの好みがマユではなくミーアかもしれないぞ、と言いたいのだろうか。あり得ないのだが。
というより、本来聖女は魔王の伴侶ではないのだが……これはだいぶん、初代魔王に毒されているな。
まぁ、わたしもそれを利用しようとしていたのだから、文句は言えないが。
「そうですね。ですが、二人がどれほどの資質を備えているかという懸念は残ります。……ですので、力試しをすることにしましょうか」
『力試し?』
「ええ。場所は闘技場ということですし、ちょうどいいでしょう」
野外探索で見た魔精力から考えれば、二人の実力が抜きんでているのは確か。
しかし如何せん、これは普通の人間には伝わり辛い。マユが自分とミーアの特別性を印象付けたいと考えているのならば、それを後押しするのがいいだろう。
手っ取り早いのは、二人の魔法を見せつけることだ。
「アッシュ、ではそのように言伝をお願いします」
『かしこまりました』
マデラが口を挟む前にアッシュに命じる。アッシュは頷くとすぐに謁見の間の池から姿を消した。
恐らく聖獣を通じて、魔王の言葉はマユに伝えられるだろう。
〝三つの願いは叶えよう。ただし、聖女の力を試させてもらう〟と。
『魔王……聖女に攻撃をしかける、と?』
消えるアッシュを見送ったマデラが、やや訝し気にわたしを見る。
確かに、盲目的に聖女を溺愛する初代魔王を見ていた彼にとっては、異常なことに感じるだろう。
だからこそ、わたしは初代魔王とは違う、というところを見せなくては。
「ええ。あちらの要求を呑むのですから、これぐらいはやっていただかないと」
わざと悪者っぽく……というのもおかしいが、冷酷無比の魔王らしく、冷たく微笑む。
「とは言っても、あまり危険な魔物では場を壊してしまいますから、ソイルスライムぐらいでいいのでは?」
『ふうむ。確かに知能を持たない、最下級の魔物ですが』
「一匹では迫力に欠けますので、何体か……そうですね、亜種なら面白いことになりそうですね。あっという間に増えますし」
『ほ、本気ですか?』
「ええ。……楽しみですね」
そう言って両手を組み微笑むわたしに、マデラが
『まぁ……』
と呟いている。しかし懸念は拭えないようで、ふむぅ、と鼻息を漏らした。
――マユ。
あなたが立てた作戦は、見事だと思います。
ですがこのままでは、あなた自身が報われない。
真の魔導士になると言って辺境の地パルシアンで――そして学院に入ってもずっと続けられていた努力は、誰にも知られることなく埋もれてしまう。
せめて、それだけは。
マリアンセイユ・フォンティーヌは『正妃』である前に、素晴らしい魔導士で。
そして彼女によってこの世界は救われたのだと、リンドブロムの歴史に深く刻みつけたいと考えています。
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