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朝から不運だ
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『朝から不運だ』
高橋美弥はボヤく。
昨日の放課後、軽音部の部室に筆記具を忘れてしまった。
帰宅途中に気が付いたがその時には急なゲリラ豪雨が降り出したのだ。
お陰でいつもより早く起きて職員室で鍵を借りないといけない。
『部室棟って遠いのよね』
部室棟の部室に入るには正門から入って左側の教場棟で職員室に立ち寄り、部室の鍵を借りる必要がある。
その後で渡り廊下を通って正門正面の第一体育館と剣道場の横を通過して一番奥に第二体育館、通称『部室棟』まで行く必要がある。
増築された部室棟は他の棟と比べて築浅な分綺麗で最新の設備が投入されている。
特に耐震、防火には注力しており、免震構造に加えて全室スプリンクラー配備だ。
『あれ?』
高橋が軽音部の部室の鍵を開けようとしたところ北側通用口から野球部のグラウンドを真っ直ぐに部室棟まで伸びる一組の足跡が見えた。
北側通用口は普段は使われていない。
3年生の高橋の記憶でも野球部に新型のバッティングマシーンが納入された時くらいしか開いている所を見たことがない。
『気になるなあ』
部室棟の外廊下は腰壁が設けられているためグラウンド側の様子が見えない。
上から覗き込むか、靴を履き替え腰壁のスリット部分からグラウンドに出るしかない。
高橋は当然に手軽な前者を選択した。
『一番端は歴史部か』
軽音部の北側の隣は空室で又隣が歴史部だ。
高橋は腰壁から下を覗き込む、
『脚だ』
学校指定のローファーが見えた。
恐る恐る視線を手前へ移動させる。
ずぶ濡れのグレーのスラックス、紺のジャケット、身長180センチと言った所か。
『制服だ』
さらに視線を手前に寄せると男子生徒の後頭部……。
挫創が見えた。
『死んでる?110番?取り敢えず職員室に』
高橋は悲鳴をあげる間もなく職員室に走った。
高橋美弥はボヤく。
昨日の放課後、軽音部の部室に筆記具を忘れてしまった。
帰宅途中に気が付いたがその時には急なゲリラ豪雨が降り出したのだ。
お陰でいつもより早く起きて職員室で鍵を借りないといけない。
『部室棟って遠いのよね』
部室棟の部室に入るには正門から入って左側の教場棟で職員室に立ち寄り、部室の鍵を借りる必要がある。
その後で渡り廊下を通って正門正面の第一体育館と剣道場の横を通過して一番奥に第二体育館、通称『部室棟』まで行く必要がある。
増築された部室棟は他の棟と比べて築浅な分綺麗で最新の設備が投入されている。
特に耐震、防火には注力しており、免震構造に加えて全室スプリンクラー配備だ。
『あれ?』
高橋が軽音部の部室の鍵を開けようとしたところ北側通用口から野球部のグラウンドを真っ直ぐに部室棟まで伸びる一組の足跡が見えた。
北側通用口は普段は使われていない。
3年生の高橋の記憶でも野球部に新型のバッティングマシーンが納入された時くらいしか開いている所を見たことがない。
『気になるなあ』
部室棟の外廊下は腰壁が設けられているためグラウンド側の様子が見えない。
上から覗き込むか、靴を履き替え腰壁のスリット部分からグラウンドに出るしかない。
高橋は当然に手軽な前者を選択した。
『一番端は歴史部か』
軽音部の北側の隣は空室で又隣が歴史部だ。
高橋は腰壁から下を覗き込む、
『脚だ』
学校指定のローファーが見えた。
恐る恐る視線を手前へ移動させる。
ずぶ濡れのグレーのスラックス、紺のジャケット、身長180センチと言った所か。
『制服だ』
さらに視線を手前に寄せると男子生徒の後頭部……。
挫創が見えた。
『死んでる?110番?取り敢えず職員室に』
高橋は悲鳴をあげる間もなく職員室に走った。
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