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参の怪【絶望に至る病】
エピローグ「初恋は塵と消え行く」
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もう電話から十五分以上は経っている。大分待たせたようだ。
「空気読んでくれ」
「俺様は十分読んだぞ! 空気読んでてやったからお供え寄越せ」
そう言いながらお土産用に用意していたクッキーが鞄からひょいと持って行かれる。
アートさんはそのまま袋を破ると犬耳のように跳ねた紫の髪をふよふよと反応させながら一気に食べてしまった。
「これの甘い匂いがしなかったらもっと前に終わらせてたんだ。少しは感謝しろよ」
嬉しそうにお菓子を食べ進みながら今も泣き止まない二人を見守っている。
お菓子がある間は見逃してくれるのか。地獄の番犬なんていうから戦闘して止めないといけないかと思っていたが、案外有情だったようだ。
「アートさん、彼女に殺された生徒はどうなったんだ?」
「犠牲者のことか? そりゃいじめのことを含めても地獄行きとまではなんねーよ。冥界で順番待ちしてそのまま転生コースだ。順番待ちしている間に生前の記憶もなくなるだろうよ」
「そうか…… なら、青水さんは…… どうなる?」
俺がそう言うと、アートさんは 「あー」 だとか 「うー」 と言い淀みつつ言葉を選んで答えてくれた。
「元々地獄行きだったところに脱獄したあげく怨霊になって寿命の残っていた人間を殺してる。つまりだ、あー…… どう足掻いても暫く転生はできねーな。人間とは投獄される年数の桁が違う」
「……」
「……」
そうか、そうだよな。
〝 ありがとう 〟を伝える為だけに脱獄して、人を殺してしまったあげく何千年も何万年も地獄で苦しめられることになるのか。
…… いや、待てよ? なんで彼女は憎しみに囚われてしまったんだ? 元々強い想いを抱いて、〝 感謝を伝える 〟ことを目的に逃げ出してきたのになぜ彼女はその真逆のことをしたんだ?
目的がすり替えられた? それとも〝 なんらかの原因で忘れさせられていた 〟 ?
なんだ? なにが原因だ? 嫌な予感がする。
「あ、ああ…… やめてっ! やめて!」
青水さんの叫び声で思考を中断し、そちらへ目を向ける。
するといつの間にか彼女の使っていた包丁が浮かび上がり、彼女に狙いをつけて飛び回っているではないか。
「香織!」
「至、危ない、危ないって!」
押野君が彼女を押し倒したことで包丁は青水さんの首から下げた袋だけを切り裂き、そのまま力を失って再び地面に落下した。
次いで落下した袋の中からカチャンとガラスの割れる音が響き、残っていた香水が溢れ出した。
「い、いやぁ! 香水が! 香水が! これがないとわたしっ、わたし!」
香水は気化したように溢れた先から消えていく。
それによって、香水の効果で幾分か消えた臭いは、パニックを起こしたように髪を振り乱す青水さんによってかき消された。
ぶわり、と彼女から凄まじい腐臭が漂いはじめ、傍にいた押野君は咳をしながら青水さんに突き飛ばされてしまう。
「こないでぇ! 見ないでよぉ!」
「ッチ、あいつの仕業かよ。ホントにタチ悪ぃな」
アートさんはそう言って彼女に歩み寄ると、そのまま腕を掴んでどこかへと連れて行こうとする。
「ま、待ってくれ! 香織を連れて行かないでくれ! やっと、やっと会えたのに。やっと言えるって…… クソッ」
既に彼女はアートさんに担ぎ上げられ、離れた場所に連れて行かれている。泣きじゃくるその声で居場所は分かるが、彼女を救うことはできない。
けれど、押野君は諦めきれないのか震える足でそのまま走り出す。どんどん距離が開いていき、止める間もなかった。
「どーする? お兄さん」
静観していた紅子さんが俺を見上げた。
「追うぞ」
「りょーかい」
腐臭と泣き声のせいで、居場所はすぐに分かった。
「人外の物に手を出した末路なんて大抵はこんなモンだぜ…… どうして追ってきた」
追わないわけにはいかないだろ! …… なんて叫ぶことはできなかった。
そこには、身を震わせながらボロボロと崩れ果てていく身体をかき集める青水さんがいた。
「な、なんだよ、これ!?」
「あの香水の原理はな、普通に臭いを消すだけじゃねぇ。臭いが出ねぇように〝 腐らないように時間を止める 〟効果があるんだよ。この一週間。こいつはそれを使い続けた。一週間もありゃぁ人間の身体が腐るのに十分だ」
つまり、今まで抑えていた腐蝕が香水が切れた今、一気に彼女を蝕んでいるというのか?
「ああ、ああ…… いやぁ……」
「香織! 香織!」
そんな彼女をそっと彼が抱きしめるたび、彼女の身体はボロボロと崩れ塵のように散って行ってしまう。それをいくら集めても元の形になることはない。
それが分かっているのに、二人は泣きながら塵を集める。俺は、なにもできずにその光景を見ているしかできなかった。
「今度こそ、今度こそ助けてやるから…… 行かないでくれ!」
「いた…… る…… たす………… け————」
彼がその場に倒れこみ、塵が舞う。もうそこには塵しか残っていなかった。
彼女は最後まで、瞳に絶望を映したままだった。俺達は、俺達は彼女の心だけでも救いたかった。なのに、なのになんでこうなってしまうんだ。
「なあ、紅子さん…… どうしたら、助けられたんだろうな……」
「…… 青水さんは、押野がいただけまだマシだと、そうは思わないかな?」
そういうものなのか? 俺には分からないよ。
「あああああああああ!!」
叫んで、そして次に顔をあげたとき、彼は〝 壊れて 〟しまっていた。
「な、なあお前達誰だ? オレ、オレ、幼馴染待たせてるんだよ」
「…… その幼馴染とはどういう関係だ?」
「二年ぶりに再会するんだ。ちょっと照れ臭いけど、こんな不良になったオレでもあいつは分かってくれるのかな」
アートさんはいくつか彼に質問をすると、目を伏せて首を振った。
彼は忘れてしまったのか、この二年間の記憶を。絶望に至ったその結末に、忘却を選んでしまった。
「あーあ、こういうもんは覗かないのが定番なんだがな…… でもこうなっちまったのは仕方ねーし、これは精神病院案件だ。知り合いに連絡して始末は俺様がつけておく。お前らは帰りな」
しっし、と追い出されて帰途に就く。
遅れてやってきた紅子さんは制服のリボンを外していた。その手が塵に汚れていることで俺はなんとなく察し、彼のところへ置いてきたのだろうと結論付ける。小瓶は割れてしまったから塵を入れるものがなにもなかったのだろう。
「お兄さん、お兄さんは悪い奴だ」
「…… ああ、そうだな」
あの香水を最初に売りつけたのはきっと俺の主人ニャルラトホテプだろう。けれど、俺自身も彼女に香水を渡しているのだ。それだけで、共犯だ。
恨まれても仕方ない。それだけの、結末だった。
「でも憎むべきはお兄さんじゃない」
「ん?」
「いつか、飼い主に噛みつけるときがくればいいね?」
「…… そうだな」
彼女と別れてもう一度考える。
なぜ、彼女の目的が変わってしまったのか。でもいくら考えても結論はでなくて…… そのうち家についてしまった。
「くふふふ、溢れた塵を捕まえ損ねたみたいな顔をしてどうしたのかな? ねえ、れーいちくん」
その瞬間、抑えていたものが一気に溢れ出た。
「おやおや泣いてるの? くふふふふ…… かわいそうに。彼女をあんなゴミにしてしまったのは君なのに?」
「クソッ、クソッ、クソォォォォォォ!」
首輪が絞められ、手首に魔法らしきものが当たり刀を取り落とす。
完全に頭に血が上った俺を、奴は一歩も動くことなく封じてみせている。
実力差は明白だった。
「ああああああ!」
筋肉が萎んでいくような激痛で立っていられず、俺は無様に床へと転がりまわる。
「料理してくれないと困るからあとでそれは治してあげるけど、暫くはまた二人っきりで遊ぼうか」
薄れゆく意識の中で見たものは、恐ろしいほどの笑みを浮かべながら 「れーいちくんが悪いんだから」 と、俺の精神を徹底的に踏み躙っていく奴の姿だった。
「タルトを盗んだのはハートのジャックちゃんかな? くふ、くふふふ、くふふふふふ……」
◆
「お前はどうしたい? なんのためにそうしたい?」
「感謝を、ただ感謝を伝えたくて。至に、至君にありがとうって」
「くふふ、それは面白いね。おっと怒らないでよお嬢さん。お前の願いを叶えてあげようって言っているのだから」
「本当? 本当に?」
「これが君のタイムリミット。それまでになんとか果たすんだよ。代金は…… 『感謝の記憶』 いいね?」
「え! そんな、それをあげたらわたしは!」
「さようなら、お嬢さん。精々私を暇にさせないでおくれ」
覆水は盆に返れない。
目的を奪われた少女は 『感謝』 を忘れ、そこに残った 『憎悪』 に絡め捕られた。
それもこれも全ては…… 這い寄る混沌の掌の上……
「永遠にさようなら」
相変わらず彼は、つまらなそうに笑った。
「空気読んでくれ」
「俺様は十分読んだぞ! 空気読んでてやったからお供え寄越せ」
そう言いながらお土産用に用意していたクッキーが鞄からひょいと持って行かれる。
アートさんはそのまま袋を破ると犬耳のように跳ねた紫の髪をふよふよと反応させながら一気に食べてしまった。
「これの甘い匂いがしなかったらもっと前に終わらせてたんだ。少しは感謝しろよ」
嬉しそうにお菓子を食べ進みながら今も泣き止まない二人を見守っている。
お菓子がある間は見逃してくれるのか。地獄の番犬なんていうから戦闘して止めないといけないかと思っていたが、案外有情だったようだ。
「アートさん、彼女に殺された生徒はどうなったんだ?」
「犠牲者のことか? そりゃいじめのことを含めても地獄行きとまではなんねーよ。冥界で順番待ちしてそのまま転生コースだ。順番待ちしている間に生前の記憶もなくなるだろうよ」
「そうか…… なら、青水さんは…… どうなる?」
俺がそう言うと、アートさんは 「あー」 だとか 「うー」 と言い淀みつつ言葉を選んで答えてくれた。
「元々地獄行きだったところに脱獄したあげく怨霊になって寿命の残っていた人間を殺してる。つまりだ、あー…… どう足掻いても暫く転生はできねーな。人間とは投獄される年数の桁が違う」
「……」
「……」
そうか、そうだよな。
〝 ありがとう 〟を伝える為だけに脱獄して、人を殺してしまったあげく何千年も何万年も地獄で苦しめられることになるのか。
…… いや、待てよ? なんで彼女は憎しみに囚われてしまったんだ? 元々強い想いを抱いて、〝 感謝を伝える 〟ことを目的に逃げ出してきたのになぜ彼女はその真逆のことをしたんだ?
目的がすり替えられた? それとも〝 なんらかの原因で忘れさせられていた 〟 ?
なんだ? なにが原因だ? 嫌な予感がする。
「あ、ああ…… やめてっ! やめて!」
青水さんの叫び声で思考を中断し、そちらへ目を向ける。
するといつの間にか彼女の使っていた包丁が浮かび上がり、彼女に狙いをつけて飛び回っているではないか。
「香織!」
「至、危ない、危ないって!」
押野君が彼女を押し倒したことで包丁は青水さんの首から下げた袋だけを切り裂き、そのまま力を失って再び地面に落下した。
次いで落下した袋の中からカチャンとガラスの割れる音が響き、残っていた香水が溢れ出した。
「い、いやぁ! 香水が! 香水が! これがないとわたしっ、わたし!」
香水は気化したように溢れた先から消えていく。
それによって、香水の効果で幾分か消えた臭いは、パニックを起こしたように髪を振り乱す青水さんによってかき消された。
ぶわり、と彼女から凄まじい腐臭が漂いはじめ、傍にいた押野君は咳をしながら青水さんに突き飛ばされてしまう。
「こないでぇ! 見ないでよぉ!」
「ッチ、あいつの仕業かよ。ホントにタチ悪ぃな」
アートさんはそう言って彼女に歩み寄ると、そのまま腕を掴んでどこかへと連れて行こうとする。
「ま、待ってくれ! 香織を連れて行かないでくれ! やっと、やっと会えたのに。やっと言えるって…… クソッ」
既に彼女はアートさんに担ぎ上げられ、離れた場所に連れて行かれている。泣きじゃくるその声で居場所は分かるが、彼女を救うことはできない。
けれど、押野君は諦めきれないのか震える足でそのまま走り出す。どんどん距離が開いていき、止める間もなかった。
「どーする? お兄さん」
静観していた紅子さんが俺を見上げた。
「追うぞ」
「りょーかい」
腐臭と泣き声のせいで、居場所はすぐに分かった。
「人外の物に手を出した末路なんて大抵はこんなモンだぜ…… どうして追ってきた」
追わないわけにはいかないだろ! …… なんて叫ぶことはできなかった。
そこには、身を震わせながらボロボロと崩れ果てていく身体をかき集める青水さんがいた。
「な、なんだよ、これ!?」
「あの香水の原理はな、普通に臭いを消すだけじゃねぇ。臭いが出ねぇように〝 腐らないように時間を止める 〟効果があるんだよ。この一週間。こいつはそれを使い続けた。一週間もありゃぁ人間の身体が腐るのに十分だ」
つまり、今まで抑えていた腐蝕が香水が切れた今、一気に彼女を蝕んでいるというのか?
「ああ、ああ…… いやぁ……」
「香織! 香織!」
そんな彼女をそっと彼が抱きしめるたび、彼女の身体はボロボロと崩れ塵のように散って行ってしまう。それをいくら集めても元の形になることはない。
それが分かっているのに、二人は泣きながら塵を集める。俺は、なにもできずにその光景を見ているしかできなかった。
「今度こそ、今度こそ助けてやるから…… 行かないでくれ!」
「いた…… る…… たす………… け————」
彼がその場に倒れこみ、塵が舞う。もうそこには塵しか残っていなかった。
彼女は最後まで、瞳に絶望を映したままだった。俺達は、俺達は彼女の心だけでも救いたかった。なのに、なのになんでこうなってしまうんだ。
「なあ、紅子さん…… どうしたら、助けられたんだろうな……」
「…… 青水さんは、押野がいただけまだマシだと、そうは思わないかな?」
そういうものなのか? 俺には分からないよ。
「あああああああああ!!」
叫んで、そして次に顔をあげたとき、彼は〝 壊れて 〟しまっていた。
「な、なあお前達誰だ? オレ、オレ、幼馴染待たせてるんだよ」
「…… その幼馴染とはどういう関係だ?」
「二年ぶりに再会するんだ。ちょっと照れ臭いけど、こんな不良になったオレでもあいつは分かってくれるのかな」
アートさんはいくつか彼に質問をすると、目を伏せて首を振った。
彼は忘れてしまったのか、この二年間の記憶を。絶望に至ったその結末に、忘却を選んでしまった。
「あーあ、こういうもんは覗かないのが定番なんだがな…… でもこうなっちまったのは仕方ねーし、これは精神病院案件だ。知り合いに連絡して始末は俺様がつけておく。お前らは帰りな」
しっし、と追い出されて帰途に就く。
遅れてやってきた紅子さんは制服のリボンを外していた。その手が塵に汚れていることで俺はなんとなく察し、彼のところへ置いてきたのだろうと結論付ける。小瓶は割れてしまったから塵を入れるものがなにもなかったのだろう。
「お兄さん、お兄さんは悪い奴だ」
「…… ああ、そうだな」
あの香水を最初に売りつけたのはきっと俺の主人ニャルラトホテプだろう。けれど、俺自身も彼女に香水を渡しているのだ。それだけで、共犯だ。
恨まれても仕方ない。それだけの、結末だった。
「でも憎むべきはお兄さんじゃない」
「ん?」
「いつか、飼い主に噛みつけるときがくればいいね?」
「…… そうだな」
彼女と別れてもう一度考える。
なぜ、彼女の目的が変わってしまったのか。でもいくら考えても結論はでなくて…… そのうち家についてしまった。
「くふふふ、溢れた塵を捕まえ損ねたみたいな顔をしてどうしたのかな? ねえ、れーいちくん」
その瞬間、抑えていたものが一気に溢れ出た。
「おやおや泣いてるの? くふふふふ…… かわいそうに。彼女をあんなゴミにしてしまったのは君なのに?」
「クソッ、クソッ、クソォォォォォォ!」
首輪が絞められ、手首に魔法らしきものが当たり刀を取り落とす。
完全に頭に血が上った俺を、奴は一歩も動くことなく封じてみせている。
実力差は明白だった。
「ああああああ!」
筋肉が萎んでいくような激痛で立っていられず、俺は無様に床へと転がりまわる。
「料理してくれないと困るからあとでそれは治してあげるけど、暫くはまた二人っきりで遊ぼうか」
薄れゆく意識の中で見たものは、恐ろしいほどの笑みを浮かべながら 「れーいちくんが悪いんだから」 と、俺の精神を徹底的に踏み躙っていく奴の姿だった。
「タルトを盗んだのはハートのジャックちゃんかな? くふ、くふふふ、くふふふふふ……」
◆
「お前はどうしたい? なんのためにそうしたい?」
「感謝を、ただ感謝を伝えたくて。至に、至君にありがとうって」
「くふふ、それは面白いね。おっと怒らないでよお嬢さん。お前の願いを叶えてあげようって言っているのだから」
「本当? 本当に?」
「これが君のタイムリミット。それまでになんとか果たすんだよ。代金は…… 『感謝の記憶』 いいね?」
「え! そんな、それをあげたらわたしは!」
「さようなら、お嬢さん。精々私を暇にさせないでおくれ」
覆水は盆に返れない。
目的を奪われた少女は 『感謝』 を忘れ、そこに残った 『憎悪』 に絡め捕られた。
それもこれも全ては…… 這い寄る混沌の掌の上……
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相変わらず彼は、つまらなそうに笑った。
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