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想の章【紅い蝶に恋をした】
年明けに
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あれから一週間、二週間と過ぎて年を無事に越すことができた。
新年前に年賀状を書かされたり、大掃除をやらされたりしたがそれも終わり、〝年を越す瞬間に地球上にいない人物が異界に飛ばされる〟多数の事故を紅子さんや秘色さん達と処理して回った。概ね間に合ったので、新年早々神隠しに遭う人々は極小数で済んだようだ。
精神的に弱かったり、異界のものを口にしたり、長時間異界に留まったりした人間は変異してしまうので救出もスピードが命なのだ。
そして、救出の際には記憶をぼかす効果のあるらしい録音機器を俺達が耳栓をしてから再生させる。
この音声は同盟の者ではなく、なんとアートさんと同じケルベロスの一体が話しているものであるらしい。そいつは声で他者の波長を乱し、混乱させて情報を刷り込むとかなんとか…… とにかく、余計な記憶は消せるし上書きもできるのだ。当然、敵対はしたくないな。
変異してしまった手遅れの極小数はどうやら、人肉食の同盟メンバーが手配されるとのこと。最初は俺も苦言を呈したが、そうしないと生きていけない妖が同盟メンバーであること自体が貴重で、良いことだというので口を噤んだ。
必要なことを制限したらそれはそいつらの飢え死にを意味する。健常な人間を襲うより、神隠しに遭った哀れな人間。それも死を待つのみである手遅れレベルのものを襲うほうが…… まあ、納得はできる。見たいとは思わないが。
ともかくそんな一幕もあったが、同盟側の仕事を手伝うのにも慣れてきた。
と、言ってもまだ今回のような大規模かつ全員で手分けして行う仕事しか参加できてないけれど。
紅子さんとコンビで動いたり、秘色さん、桜子さんコンビと行動したりいろいろだ。
前にアルフォードさんが言っていた〝 人間のメンバー 〟はどうやら年末年始に忙しかったらしく、まだ会えていない。現実世界の図書館勤務らしいが、年末もやってるものなのか? 別の用事かもしれないが、まあ、俺みたいなのが特殊なのだ。仕方ない。
レイシーとアリシアは順調に図書館での手伝いを覚えていっているようだ。字乗さんのいうことも、たまに反発するがよく聞くらしい。
字乗さん本人に言わせれば 「可愛らしい反抗期じゃないか」 などと嬉しそうに笑っていた。元が恋文の集合意識だからか、女性的な面が強く、母性本能でもくすぐられたのかもしれない。
そして、レイシーの外での居場所はやはり…… なくなっていたようだ。
今でも泣き腫らしたアリシアの顔が思い出される。
彼女がいた病室には今、別人が居座っていた。自分は一人娘だと言われた。嗚咽と悔しさでアリシアは、そう言いだすのにも時間がかかっていた。
勿論、アルフォードさんをはじめとして、その場にいた全員が根気よく話を聞き、そしてきちんと自分自身の目で真実を見つめてきた少女を穏やかに受け入れた。
特にペティさんは姉妹を気に入ったらしく、自身の近くにレイシーの部屋を配置するようアルフォードさんに要請していた。多分、彼女が世話をするなら問題はないだろう。
「よもぎ! どうしてこの本は読んじゃいけないのじゃ!」
「それは魔道書なのだよ。まだ君には幾分か早い」
「魔法…… ! よもぎ、私様は魔法が使ってみたいぞ!」
「ふむ、興味があるのだね。いいだろう、だけれどそれはまだ早いからこっちの本にしようか。順番に覚えていこうじゃないか」
図書館に様子を見に来てみれば、字乗さんにレイシーがお願い事をしているところだった。
元は中学二年生だったとのことだが、そういうものに憧れる年頃か……
「お姉ちゃん……あんまり危ないことはしないでよね」
「大丈夫じゃアリシア! よもぎだけじゃなくてペティにも頼むからな! 私様の師匠達になってもらうのじゃ!」
アリシアは積まれた本を字乗さんのところへ持って行ったり、必要なくなった本を棚に戻しに行ったりしている。レイシーも同じような仕事をしていたようだが、どうやら今はサボりを兼ねて字乗さんに話しかけているらしい。
「…… あ、下土井さん。あなたも来てたんですね。その、赤座さんは?」
アリシアがこちらに気づいてパタパタと小走りでやってくる。
もうすっかり落ち込んだ様子はなくなっているが、自由奔放な姉に苦労しているみたいだ。
赤座…… 紅子さんは今日一緒に来ているわけではない。リンに案内してもらって一人でこちらに来る練習をしているから、お願いするわけにもいかなかった。そもそも、彼女は昼間学校に行っている。日中暇な俺がおかしいということを忘れてはいけない。
朝、奴が仕事に行くまでに屋敷のことを終わらせているので昼間はふらふらとするのみだ。
「紅子さんは学校だよ。なにか用でもあった? メールしておくこともできるよ」
「あたし…… 強くなりたいんです。お姉ちゃんって無鉄砲だから。だから赤座さんにご指導願えないかなって」
「ああ、なるほどね。アリシアちゃんは本の中でナイフを使ってたから、近い武器を使ってる紅子さんに教えてもらいたいのか」
「ええ、そうです。下土井さんは長ものを使っていますし、ご指導をお願いするのはあの人かな、と」
「おんやあ? アリシア。修行がしたいのかい?」
二人で話していると、レイシーの相手をしていた字乗さんがいかにも面白いものを見つけたと言わんばかりの顔でこちらへやってきた。
「…… 否定はしないわ。あたしは人間だから、少しでも強くならないと足手纏いになるもの。そんなんじゃお姉ちゃんと一緒にいられない」
「ほう、そう考えているのだね。レイシーは気にしないだろうが…… うん、そういうことなら、紅子を見習うのもいいけれど、いろはや桜子に師事をするのもいいと思うよ。紅子はどうしても捨て身なきらいがあるからね。君に適用するには危険すぎる」
ああ、言われてみれば確かにそうだな。
桜子さんもカッターナイフで戦うから参考になるだろう。
そして、紅子さんは幽霊であることを前面に利用して暗殺や一撃必殺に秀でている一方、噂の力で復活することを前提に立ち回っている感じがするから、アリシアちゃんが参考するには少し向かないかもしれないというのも理解できるな。
簡単にやられるつもりもないが、やられたらそれはそれで復活際に奇襲ができる、紅子さんはそう考えてる節があると思う。
実際、彼女は青葉ちゃんのときにそれをやってみせていたわけだし。
「いろは……どんな人なんですか?」
「人間の中では異常な霊力を持っている子、かな。方向は限定されるけれど、優秀な霊能力者だよ。そして、〝 シムルグの雛鳥 〟…… 神格の庇護を受けている人間になる。つまり、後ろ盾もバッチリな君達の先輩、だね」
その〝 君達 〟ってもしかして俺も含まれてる?
「小姓君も殆ど独学だろう? このよもぎちゃんから依頼してあげるから、アリシアと共に学んできたらどうだい? 私はレイシーへ基礎魔術を教える必要があるから。身を守る術は本人も得ていて損はないだろう?」
「お願いするわ。あたしもあんたのからかいにとやかく言っている場合じゃないの。本気なんだから」
「おやおや」
ニヤニヤとしながら彼女の態度を見守る字乗さんに 「そういうところが反感持たれるんですよ」 と言葉を投げかける。
なんでこうも怪異は人を面白がるのだろうか。軽く見ているわけでないことは護身を教えることからして分かることだが。
というか俺をニャルラトホテプのの小姓扱いするな!
「さて、雛鳥の予定はどうなっていたかな…… 依頼掲示板を見ればいいのだけれど、私は電子の海は得意でなくてね」
「よもぎ! これ読めないのだが?」
「それは……」
字乗さんが少し困ったように呟いた後だった。
レイシーに魔道書の説明をしながら考えている彼女の肩が揺れ、図書館の入り口に視線が動く。
「烏楽の鴉か。ちょうどよかった、いろはが今どこでなんの依頼を受けているかの情報はあるかい?」
図書館の扉が開けられたのと、その言葉は同時だった。
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精神的に弱かったり、異界のものを口にしたり、長時間異界に留まったりした人間は変異してしまうので救出もスピードが命なのだ。
そして、救出の際には記憶をぼかす効果のあるらしい録音機器を俺達が耳栓をしてから再生させる。
この音声は同盟の者ではなく、なんとアートさんと同じケルベロスの一体が話しているものであるらしい。そいつは声で他者の波長を乱し、混乱させて情報を刷り込むとかなんとか…… とにかく、余計な記憶は消せるし上書きもできるのだ。当然、敵対はしたくないな。
変異してしまった手遅れの極小数はどうやら、人肉食の同盟メンバーが手配されるとのこと。最初は俺も苦言を呈したが、そうしないと生きていけない妖が同盟メンバーであること自体が貴重で、良いことだというので口を噤んだ。
必要なことを制限したらそれはそいつらの飢え死にを意味する。健常な人間を襲うより、神隠しに遭った哀れな人間。それも死を待つのみである手遅れレベルのものを襲うほうが…… まあ、納得はできる。見たいとは思わないが。
ともかくそんな一幕もあったが、同盟側の仕事を手伝うのにも慣れてきた。
と、言ってもまだ今回のような大規模かつ全員で手分けして行う仕事しか参加できてないけれど。
紅子さんとコンビで動いたり、秘色さん、桜子さんコンビと行動したりいろいろだ。
前にアルフォードさんが言っていた〝 人間のメンバー 〟はどうやら年末年始に忙しかったらしく、まだ会えていない。現実世界の図書館勤務らしいが、年末もやってるものなのか? 別の用事かもしれないが、まあ、俺みたいなのが特殊なのだ。仕方ない。
レイシーとアリシアは順調に図書館での手伝いを覚えていっているようだ。字乗さんのいうことも、たまに反発するがよく聞くらしい。
字乗さん本人に言わせれば 「可愛らしい反抗期じゃないか」 などと嬉しそうに笑っていた。元が恋文の集合意識だからか、女性的な面が強く、母性本能でもくすぐられたのかもしれない。
そして、レイシーの外での居場所はやはり…… なくなっていたようだ。
今でも泣き腫らしたアリシアの顔が思い出される。
彼女がいた病室には今、別人が居座っていた。自分は一人娘だと言われた。嗚咽と悔しさでアリシアは、そう言いだすのにも時間がかかっていた。
勿論、アルフォードさんをはじめとして、その場にいた全員が根気よく話を聞き、そしてきちんと自分自身の目で真実を見つめてきた少女を穏やかに受け入れた。
特にペティさんは姉妹を気に入ったらしく、自身の近くにレイシーの部屋を配置するようアルフォードさんに要請していた。多分、彼女が世話をするなら問題はないだろう。
「よもぎ! どうしてこの本は読んじゃいけないのじゃ!」
「それは魔道書なのだよ。まだ君には幾分か早い」
「魔法…… ! よもぎ、私様は魔法が使ってみたいぞ!」
「ふむ、興味があるのだね。いいだろう、だけれどそれはまだ早いからこっちの本にしようか。順番に覚えていこうじゃないか」
図書館に様子を見に来てみれば、字乗さんにレイシーがお願い事をしているところだった。
元は中学二年生だったとのことだが、そういうものに憧れる年頃か……
「お姉ちゃん……あんまり危ないことはしないでよね」
「大丈夫じゃアリシア! よもぎだけじゃなくてペティにも頼むからな! 私様の師匠達になってもらうのじゃ!」
アリシアは積まれた本を字乗さんのところへ持って行ったり、必要なくなった本を棚に戻しに行ったりしている。レイシーも同じような仕事をしていたようだが、どうやら今はサボりを兼ねて字乗さんに話しかけているらしい。
「…… あ、下土井さん。あなたも来てたんですね。その、赤座さんは?」
アリシアがこちらに気づいてパタパタと小走りでやってくる。
もうすっかり落ち込んだ様子はなくなっているが、自由奔放な姉に苦労しているみたいだ。
赤座…… 紅子さんは今日一緒に来ているわけではない。リンに案内してもらって一人でこちらに来る練習をしているから、お願いするわけにもいかなかった。そもそも、彼女は昼間学校に行っている。日中暇な俺がおかしいということを忘れてはいけない。
朝、奴が仕事に行くまでに屋敷のことを終わらせているので昼間はふらふらとするのみだ。
「紅子さんは学校だよ。なにか用でもあった? メールしておくこともできるよ」
「あたし…… 強くなりたいんです。お姉ちゃんって無鉄砲だから。だから赤座さんにご指導願えないかなって」
「ああ、なるほどね。アリシアちゃんは本の中でナイフを使ってたから、近い武器を使ってる紅子さんに教えてもらいたいのか」
「ええ、そうです。下土井さんは長ものを使っていますし、ご指導をお願いするのはあの人かな、と」
「おんやあ? アリシア。修行がしたいのかい?」
二人で話していると、レイシーの相手をしていた字乗さんがいかにも面白いものを見つけたと言わんばかりの顔でこちらへやってきた。
「…… 否定はしないわ。あたしは人間だから、少しでも強くならないと足手纏いになるもの。そんなんじゃお姉ちゃんと一緒にいられない」
「ほう、そう考えているのだね。レイシーは気にしないだろうが…… うん、そういうことなら、紅子を見習うのもいいけれど、いろはや桜子に師事をするのもいいと思うよ。紅子はどうしても捨て身なきらいがあるからね。君に適用するには危険すぎる」
ああ、言われてみれば確かにそうだな。
桜子さんもカッターナイフで戦うから参考になるだろう。
そして、紅子さんは幽霊であることを前面に利用して暗殺や一撃必殺に秀でている一方、噂の力で復活することを前提に立ち回っている感じがするから、アリシアちゃんが参考するには少し向かないかもしれないというのも理解できるな。
簡単にやられるつもりもないが、やられたらそれはそれで復活際に奇襲ができる、紅子さんはそう考えてる節があると思う。
実際、彼女は青葉ちゃんのときにそれをやってみせていたわけだし。
「いろは……どんな人なんですか?」
「人間の中では異常な霊力を持っている子、かな。方向は限定されるけれど、優秀な霊能力者だよ。そして、〝 シムルグの雛鳥 〟…… 神格の庇護を受けている人間になる。つまり、後ろ盾もバッチリな君達の先輩、だね」
その〝 君達 〟ってもしかして俺も含まれてる?
「小姓君も殆ど独学だろう? このよもぎちゃんから依頼してあげるから、アリシアと共に学んできたらどうだい? 私はレイシーへ基礎魔術を教える必要があるから。身を守る術は本人も得ていて損はないだろう?」
「お願いするわ。あたしもあんたのからかいにとやかく言っている場合じゃないの。本気なんだから」
「おやおや」
ニヤニヤとしながら彼女の態度を見守る字乗さんに 「そういうところが反感持たれるんですよ」 と言葉を投げかける。
なんでこうも怪異は人を面白がるのだろうか。軽く見ているわけでないことは護身を教えることからして分かることだが。
というか俺をニャルラトホテプのの小姓扱いするな!
「さて、雛鳥の予定はどうなっていたかな…… 依頼掲示板を見ればいいのだけれど、私は電子の海は得意でなくてね」
「よもぎ! これ読めないのだが?」
「それは……」
字乗さんが少し困ったように呟いた後だった。
レイシーに魔道書の説明をしながら考えている彼女の肩が揺れ、図書館の入り口に視線が動く。
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