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第6話:村を襲う影
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粗末な鎧をまとった男たちが、村の門を蹴り破って雪崩れ込んできた。
その数は十人ほど。
剣を抜き、弓を構え、冷たい笑みを浮かべている。
「へっ、噂どおりだな。ここの村、抵抗する気配がねぇ」
「全員、地面に這いつくばっちまってるじゃねぇか」
彼らの視線は、土下座したまま動かない村人たち、そして俺に向けられた。
「……お前がやらせてるのか?」
高宮 悠斗「……」
胸が締めつけられる。
俺のスキルのせいで、村人たちは反撃すらできずに膝をついている。
「やれ!」
盗賊の一人が叫び、剣を振り上げた。
その瞬間――。
『命令を確認――従属開始』
声が頭の奥に響き、全員が一斉に顔を上げた。
その目は虚ろで、次の瞬間、俺の命令を待つ者のものに変わっていた。
「……おい、立て」
俺が呟くと、村人たちは揃って立ち上がり、無言のまま盗賊に向かって歩き出した。
「な、なんだ!?」
「こいつら……急に……!」
農具を手にした農夫、石を投げる子供、木の棒を構える商人。
普段は非力なはずの村人たちが、統率された軍隊のように襲いかかっていく。
「ぐあっ!」
「やめろ! 離せ!」
盗賊たちは次々と押さえ込まれ、あっという間に地面に叩き伏せられた。
◇
「……本当に、全員を……」
隣でリーネが呟いた。
その瞳には驚きと恐怖、そしてどこか安堵が混ざっていた。
「これが……俺のスキルだ」
言葉にしながら、自分でもぞっとする。
出会った相手はすべて従う。善人だろうが、悪人だろうが関係なく。
◇
気づけば、盗賊の一人が震える声を上げていた。
「……お、俺まで……?」
そう、彼もまた膝をつき、頭を垂れていた。
俺を「主」と呼ぶ声が、耳の奥に響く。
「……っ」
リーネが俺を見上げる。
その目には恐れが宿っていた。
「悠斗……あなたの力は……」
返す言葉を見つけられないまま、俺は拳を握りしめた。
◇
「退け」
命じると、村人も盗賊も一斉にその場を離れ、整然と並んで跪いた。
異様な光景。
だが、それが俺の力の証明だった。
◇
夜が迫る。
村の空気は静けさを取り戻したが、胸のざわめきは収まらなかった。
(……これから俺は、この力とどう向き合えばいい……?)
そんな問いを抱えたまま、俺は焚火の炎を見つめ続けた。
_______________________________
後書き
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
第6話では、悠斗が初めて従属した人々を使い、盗賊を退ける場面を描きました。
善人も悪人も区別なく従わせてしまうこの力が、今後どのような影を落とすのか――。
次回は、従属した盗賊たちの扱い、そしてリーネとの関係に新たな変化が訪れます。
ぜひ引き続きお楽しみください!
その数は十人ほど。
剣を抜き、弓を構え、冷たい笑みを浮かべている。
「へっ、噂どおりだな。ここの村、抵抗する気配がねぇ」
「全員、地面に這いつくばっちまってるじゃねぇか」
彼らの視線は、土下座したまま動かない村人たち、そして俺に向けられた。
「……お前がやらせてるのか?」
高宮 悠斗「……」
胸が締めつけられる。
俺のスキルのせいで、村人たちは反撃すらできずに膝をついている。
「やれ!」
盗賊の一人が叫び、剣を振り上げた。
その瞬間――。
『命令を確認――従属開始』
声が頭の奥に響き、全員が一斉に顔を上げた。
その目は虚ろで、次の瞬間、俺の命令を待つ者のものに変わっていた。
「……おい、立て」
俺が呟くと、村人たちは揃って立ち上がり、無言のまま盗賊に向かって歩き出した。
「な、なんだ!?」
「こいつら……急に……!」
農具を手にした農夫、石を投げる子供、木の棒を構える商人。
普段は非力なはずの村人たちが、統率された軍隊のように襲いかかっていく。
「ぐあっ!」
「やめろ! 離せ!」
盗賊たちは次々と押さえ込まれ、あっという間に地面に叩き伏せられた。
◇
「……本当に、全員を……」
隣でリーネが呟いた。
その瞳には驚きと恐怖、そしてどこか安堵が混ざっていた。
「これが……俺のスキルだ」
言葉にしながら、自分でもぞっとする。
出会った相手はすべて従う。善人だろうが、悪人だろうが関係なく。
◇
気づけば、盗賊の一人が震える声を上げていた。
「……お、俺まで……?」
そう、彼もまた膝をつき、頭を垂れていた。
俺を「主」と呼ぶ声が、耳の奥に響く。
「……っ」
リーネが俺を見上げる。
その目には恐れが宿っていた。
「悠斗……あなたの力は……」
返す言葉を見つけられないまま、俺は拳を握りしめた。
◇
「退け」
命じると、村人も盗賊も一斉にその場を離れ、整然と並んで跪いた。
異様な光景。
だが、それが俺の力の証明だった。
◇
夜が迫る。
村の空気は静けさを取り戻したが、胸のざわめきは収まらなかった。
(……これから俺は、この力とどう向き合えばいい……?)
そんな問いを抱えたまま、俺は焚火の炎を見つめ続けた。
_______________________________
後書き
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
第6話では、悠斗が初めて従属した人々を使い、盗賊を退ける場面を描きました。
善人も悪人も区別なく従わせてしまうこの力が、今後どのような影を落とすのか――。
次回は、従属した盗賊たちの扱い、そしてリーネとの関係に新たな変化が訪れます。
ぜひ引き続きお楽しみください!
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