クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

第2章：王都に蠢く影、交錯する運命

第46話：刃を交える同級生

◇

剣と剣がぶつかり合い、火花が散った。
蓮司の剣筋は鋭く、まるで迷いがない。
勇者候補として鍛えられたその実力は、確かに一級品だった。

「高宮！　お前の存在が国を揺るがす！　ここで止める！」

「俺が国を揺るがす？　……違ぇよ。国が俺を排除しようとしてるだけだろ！」

俺は力を込め、剣を押し返す。
その瞬間、胸の奥が熱を帯び――従属者の力が再び溢れ出した。

炎が迸り、雷が走る。
俺は渾身の蹴りで蓮司を吹き飛ばした。

「ぐっ……！」

蓮司は地面を転がりながらもすぐに立ち上がり、再び剣を構える。
その姿に、背後のクラスメイトたちが息を呑むのが分かった。

◇

「やめて！　悠斗くんと戦うなんて……！」
美咲が叫んだ。
だが兵士が槍を突きつけ、無理やり前へと押し出す。

「くっ……」
彼女の瞳が揺れている。
明らかに望んでいない。
それでも剣を握らされ、戦列に加えられていた。

（……王国め。クラスメイトすら駒にする気か）

◇

「美咲、下がれ！」
思わず俺は叫んだ。
だが彼女は小さく首を振り、涙を浮かべて俺を見つめた。

「悠斗くん……ごめん……」

次の瞬間、彼女は剣を振るった。
その軌道は震えていて、力のこもった斬撃じゃなかった。
だが――俺はそれを受け止めるしかなかった。

「っ……！」

金属音が響く。
美咲の剣が俺の刃に弾かれ、彼女は体勢を崩す。

「やめろって言ってるだろ！」

俺が怒鳴ると、兵士たちがさらに槍を突きつけた。

◇

「お前がいる限り、俺たちの未来はない！」
蓮司が再び迫る。
その剣は先ほどよりもさらに速く、重かった。

「未来を決めるのは……俺たちだろ！」

剣を振り上げた瞬間――またも雑念が頭を侵した。

「宿題忘れるなよぉ！」
「くそっ……今じゃねぇだろ！」

意識が乱れ、足元が揺れる。
その隙を突かれ、蓮司の剣が俺の脇腹を掠めた。

「ぐっ……！」

血が溢れ、視界が赤く染まる。

◇

「悠斗！」
リーネが叫び、詠唱に入る。
氷槍が次々と生まれ、蓮司の動きを封じる。

「……助かった」
俺は息を荒げながら、再び剣を構えた。

◇

「お前が変わらなきゃ、この戦いは終わらない！」
蓮司の声が戦場に響く。

「……だったら、俺を斬ってみろよ！」

互いに叫び、再び刃が交錯した。

◇

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後書き

ここまで読んでくださってありがとうございます！

第46話では、ついに「クラスメイトとの交戦」が本格化しました。
勇者候補・蓮司の迷いなき剣、美咲の涙ながらの参戦、そして悠斗の力を乱す“性格リスク”。
友情と敵対が入り混じる戦場が、ますます混沌を深めています。

次回は、この戦闘のさらなる激化。
クラスメイトたちの本心、王国の思惑、そして悠斗の覚悟――その全てが交錯していきます。