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第3章:揺れる絆、迫る真実
第56話:王国精鋭との衝突
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◇
谷間を埋め尽くす足音と鎧の軋み。
現れたのは二十を超える王国騎士団の精鋭部隊。
重厚な鎧に身を包み、盾と槍を構えたその姿は、これまでの追手とはまるで違う。
「……これが本命、か」
俺は剣を握り直し、低く息を吐いた。
「高宮 悠斗。王命により、その身柄を拘束する」
隊長格の騎士が一歩進み出る。
銀色のマントを翻し、鋭い視線で俺を射抜いてきた。
「抵抗すれば容赦はせん。腕を落とそうが、足を砕こうが……陛下の命は絶対だ」
◇
「悠斗」
リーネが隣で詠唱の姿勢を取る。
その声には恐怖よりも決意が宿っていた。
「戦うしかありません」
「ああ」
一方で、美咲は立ち尽くしていた。
仲間を守りたい気持ちと、王国の威圧に押し潰されそうな恐怖がせめぎ合っている。
「……悠斗くん……」
その震える声が、胸に突き刺さる。
◇
「……ははっ、ざまあねぇな」
岩壁にもたれながら拓真が苦笑した。
血を流しながらも、まだ意識を保っている。
「お前、ここで終わりだ。精鋭部隊なんて……勝てるわけねぇ」
「……勝てなくても、退く道はある」
俺は視線を逸らさずに言い返した。
「俺の従属がある限り、道は必ず切り開ける」
◇
「前進!」
号令と共に、騎士たちが動いた。
盾を重ねて突き進み、槍の穂先が一斉に光を反射する。
「――来るぞ!」
俺は剣を振り抜き、最前列の槍を弾いた。
金属が火花を散らし、衝撃が腕を痺れさせる。
同時にリーネの詠唱が完成する。
「《フリーズ・バインド》!」
地面から氷の鎖が伸び、二人の騎士の足を絡め取った。
だが他の騎士たちは迷わず仲間を斬り捨て、前進を止めない。
「……容赦がないな」
その冷徹さに、背筋が寒くなる。
◇
「――従え!」
俺は短く命じ、数人の騎士の視線を奪った。
膝をつき、剣を落とす者たち。
「なっ……! 術式防御を……!」
「意味はない。俺には通じねぇ!」
だが、次の瞬間。
『……命令を……』
『……戦え……』
『……恐れるな……』
従属した騎士たちの感情が、再び頭に流れ込む。
視界が揺れ、意識が軋む。
「くっ……!」
片膝をついた俺を、リーネが支える。
「悠斗! これ以上は危険です!」
◇
そのときだった。
「――退け!」
隊長格の騎士が一歩前へ出る。
腰に下げた剣を抜くと、淡い光が刃を覆った。
「……聖銀《せいぎん》の剣……!」
リーネが息を呑む。
「従属の力を断つために作られた武具です。
……彼ら、本気であなたを捕らえるつもりですよ」
「へぇ……俺専用の道具まで用意してきたか」
俺は苦笑し、剣を構え直した。
(なら、ここが正念場だ)
◇
「悠斗くん!」
美咲の声が響く。
彼女の瞳は恐怖で揺れているのに、必死に俺を見つめていた。
「お願い……生きて。絶対に捕まらないで……!」
その言葉が、胸の奥に熱を灯す。
「……ああ、約束する」
剣を握る手に力を込め、俺は精鋭部隊の中へ踏み込んだ。
――決戦の幕が、今上がる。
◇
___________________________
後書き
ここまで読んでくださってありがとうございます!
第56話では、ついに王国の精鋭部隊が登場しました。
従属スキルを無効化する聖銀の剣が投入され、悠斗はこれまで以上に追い詰められます。
リーネ、美咲、そして拓真の存在も揺れ動く中、決戦は避けられなくなりました。
次回は、聖銀の剣を持つ隊長との激突が中心となります。
ぜひご期待ください!
谷間を埋め尽くす足音と鎧の軋み。
現れたのは二十を超える王国騎士団の精鋭部隊。
重厚な鎧に身を包み、盾と槍を構えたその姿は、これまでの追手とはまるで違う。
「……これが本命、か」
俺は剣を握り直し、低く息を吐いた。
「高宮 悠斗。王命により、その身柄を拘束する」
隊長格の騎士が一歩進み出る。
銀色のマントを翻し、鋭い視線で俺を射抜いてきた。
「抵抗すれば容赦はせん。腕を落とそうが、足を砕こうが……陛下の命は絶対だ」
◇
「悠斗」
リーネが隣で詠唱の姿勢を取る。
その声には恐怖よりも決意が宿っていた。
「戦うしかありません」
「ああ」
一方で、美咲は立ち尽くしていた。
仲間を守りたい気持ちと、王国の威圧に押し潰されそうな恐怖がせめぎ合っている。
「……悠斗くん……」
その震える声が、胸に突き刺さる。
◇
「……ははっ、ざまあねぇな」
岩壁にもたれながら拓真が苦笑した。
血を流しながらも、まだ意識を保っている。
「お前、ここで終わりだ。精鋭部隊なんて……勝てるわけねぇ」
「……勝てなくても、退く道はある」
俺は視線を逸らさずに言い返した。
「俺の従属がある限り、道は必ず切り開ける」
◇
「前進!」
号令と共に、騎士たちが動いた。
盾を重ねて突き進み、槍の穂先が一斉に光を反射する。
「――来るぞ!」
俺は剣を振り抜き、最前列の槍を弾いた。
金属が火花を散らし、衝撃が腕を痺れさせる。
同時にリーネの詠唱が完成する。
「《フリーズ・バインド》!」
地面から氷の鎖が伸び、二人の騎士の足を絡め取った。
だが他の騎士たちは迷わず仲間を斬り捨て、前進を止めない。
「……容赦がないな」
その冷徹さに、背筋が寒くなる。
◇
「――従え!」
俺は短く命じ、数人の騎士の視線を奪った。
膝をつき、剣を落とす者たち。
「なっ……! 術式防御を……!」
「意味はない。俺には通じねぇ!」
だが、次の瞬間。
『……命令を……』
『……戦え……』
『……恐れるな……』
従属した騎士たちの感情が、再び頭に流れ込む。
視界が揺れ、意識が軋む。
「くっ……!」
片膝をついた俺を、リーネが支える。
「悠斗! これ以上は危険です!」
◇
そのときだった。
「――退け!」
隊長格の騎士が一歩前へ出る。
腰に下げた剣を抜くと、淡い光が刃を覆った。
「……聖銀《せいぎん》の剣……!」
リーネが息を呑む。
「従属の力を断つために作られた武具です。
……彼ら、本気であなたを捕らえるつもりですよ」
「へぇ……俺専用の道具まで用意してきたか」
俺は苦笑し、剣を構え直した。
(なら、ここが正念場だ)
◇
「悠斗くん!」
美咲の声が響く。
彼女の瞳は恐怖で揺れているのに、必死に俺を見つめていた。
「お願い……生きて。絶対に捕まらないで……!」
その言葉が、胸の奥に熱を灯す。
「……ああ、約束する」
剣を握る手に力を込め、俺は精鋭部隊の中へ踏み込んだ。
――決戦の幕が、今上がる。
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後書き
ここまで読んでくださってありがとうございます!
第56話では、ついに王国の精鋭部隊が登場しました。
従属スキルを無効化する聖銀の剣が投入され、悠斗はこれまで以上に追い詰められます。
リーネ、美咲、そして拓真の存在も揺れ動く中、決戦は避けられなくなりました。
次回は、聖銀の剣を持つ隊長との激突が中心となります。
ぜひご期待ください!
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