クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ

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第3章:揺れる絆、迫る真実

第63話:信念の刃

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聖剣が唸りを上げた。
蓮司の手に握られたその刃は、陽光を浴びて白く輝き、振るわれるたび空気を震わせる。

「はあああっ!」

鋭い斬撃が一直線に迫る。
俺は咄嗟に剣を構え、火花を散らして受け止めた。

「ぐっ……!」

腕に重い衝撃が伝わる。
聖剣はただの武器じゃない。持ち主の意思に応じて力を増す“勇者の象徴”だ。
蓮司の信念が込められた一撃は、俺の剣を容易く砕きかねない。



「悠斗!」
リーネが詠唱に入ろうとする。
だが蓮司の目が鋭く彼女を射抜いた。

「魔導士、下がれ! これは俺と高宮の戦いだ!」

「勝手なことを……!」
リーネは怒りを露わにしたが、俺が手を挙げて制した。

「いい……来るなら、俺が受け止める」



蓮司が再び踏み込む。
地面を蹴り砕き、聖剣が閃光を描く。

「お前の力は危険だ! 従属は人を奪い、自由を奪う! そんなものが許されていいはずがない!」

「……俺だって、望んでやってるわけじゃねぇ!」
剣を振り払いながら叫ぶ。
「生き残るために! 守るために! ……この力を使うしかなかったんだ!」

「言い訳するな!」
聖剣が唸り、再び俺を打ち据える。



激しい金属音が続き、草原は土煙に包まれた。
仲間たちは息を呑み、美咲は震える声を漏らす。

「……二人とも……やめて……」

だが二人の耳には届かない。
互いの叫びと刃だけが、全てを支配していた。



「《従属せよ》!」

俺は叫び、力を解き放った。
黒い光が奔り、足元の地面から影のような紋様が広がっていく。

だが――

「聖なる光よ、我を護れ!」

蓮司の聖剣が強く輝き、従属の紋様を焼き払った。
力と力がぶつかり合い、耳をつんざく轟音が響く。



「……やっぱりな」
俺は息を荒げながら笑った。
「お前の剣は“信じる心”そのものだ。だから俺の従属は通じねぇ」

「そうだ」
蓮司の目が鋭く光る。
「だからこそ、この剣で……お前を止める!」



「やめろぉぉぉぉ!!」

その叫びは、美咲のものだった。
涙を浮かべ、彼女は二人の間に割って入ろうと駆けだす。

「悠斗くんは……悠斗くんは、誰よりも私たちを守ってくれた!
 その気持ちを、どうして信じてあげないの!」

剣を構えた蓮司の腕が一瞬止まる。



だが、その刹那。

「今だ……!」

物陰に潜んでいた兵士が動いた。
王都から放たれた影の一人。
狙いは悠斗でも蓮司でもない――美咲。

「美咲っ!」

俺と蓮司が同時に叫び、地を蹴った。
互いに敵同士であるはずの二人が、同じ少女を守るために動いたのだ。



鋼がぶつかり、火花が散る。
影の兵士は吹き飛ばされた。
その場に残ったのは――俺と蓮司。

二人の視線が再び交わる。
だがそこには、さっきまでの憎悪だけではなく、揺らぎと戸惑いもあった。



「……チッ」
蓮司が聖剣を下ろし、後退した。
「今日のところはここまでだ。……だが高宮、次は容赦しない」

「……上等だ」
俺も剣を下げ、荒い息を吐いた。

互いに一歩も譲らず、だが戦いは一時中断された。



__________________

後書き

ここまで読んでくださりありがとうございます!

第63話では、ついに悠斗と蓮司が剣を交えました。
従属と聖剣――相反する二つの力がぶつかり、どちらも譲らない激突に。
しかし美咲の叫びと、影の兵士の乱入によって、戦いは一時休戦へと傾きました。

蓮司の心に揺らぎが生まれ、次なる対決への布石となります。

次回、第64話は「それぞれの決意」。
王都と悠斗、それぞれの陣営が改めて動き出す展開になります。

どうぞご期待ください!
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