クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ

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第3章:揺れる絆、迫る真実

第66話:共闘か決裂か

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角笛の音が森にこだまする。
それは合図だった。木々の間から、重装の兵が列を成して現れる。
陽を反射する鎧、掲げられた王国の紋章――本格的な討伐部隊だ。

「数は……二十以上か」
リーネが険しい表情で数える。
「しかもただの兵士じゃない。精鋭です」

「……逃げ場はねぇな」
俺は剣を構え、蓮司に視線を向けた。



「蓮司……」

蓮司は膝を押さえながら立ち上がる。
まだ矢傷は深く、さっきの従属の余韻も残っているはずだ。
だがその瞳には、先ほどまでの迷いは少し薄れていた。

「高宮……」
低く名を呼び、蓮司は聖剣を握りしめる。

「お前の力は……確かに危険だ。だが、王国の剣の下で斬られるより……今は、お前と剣を並べる方を選ぶ」

「……っ」

その言葉に、思わず息を詰めた。



「み、認められるわけないだろ!」
後方で誰かが叫ぶ。
「蓮司まで高宮に取り込まれるなんて……!」

「違う」
蓮司は振り返り、鋭い眼差しでクラスメイトを睨んだ。
「俺は従属されてなどいない。俺の意思で……この場に立っている」

その強い声に、周囲は押し黙った。



「よし……来るぞ!」
リーネの叫びと同時に、兵たちが突進してきた。

「美咲、下がれ!」
俺が叫ぶと、美咲は唇を噛み、後退しながらも視線を逸らさなかった。

「悠斗くん……お願い、無茶だけはしないで……」

その声に背を押されるように、俺は前に踏み込む。



「はああああっ!」
剣を振り抜き、一人を弾き飛ばす。
リーネの魔法が氷の槍となり、二人を貫いた。

だが数が多い。防御の陣形も整っており、突破は容易ではない。

その中を――

「聖剣よ、道を拓け!」

蓮司が叫び、光の斬撃を放つ。
白光が兵の盾を砕き、戦列を崩した。

「……!」
一瞬、俺の胸が熱くなる。

(蓮司が……俺と並んで戦ってる)



だが戦場の奥から、ひときわ重い足音が響いた。
鎧に全身を包んだ巨漢の騎士。
肩には王国の旗印、腰には黒鉄の大剣。

「――目標、高宮 悠斗」
無機質な声が響き渡る。
「生け捕りにせよとの命。従わぬなら……手足を斬り落とす」

空気が凍りつく。

「……来やがったか。討伐隊の本命」
リーネが低く唸った。



「悠斗」
蓮司が前に出る。
「こいつは……俺が斬る」

「は? お前、まだ傷が――」

「だからだ。
 俺がここで何もできなければ、本当にお前に従属されたままの人間と変わらねぇ」

蓮司の瞳が真っ直ぐに光る。
それは自分の意志を示す、勇者候補としての矜持。



「……分かった」
俺は短く頷いた。
「けど一人で背負うな。俺も斬り込む」

「ふっ……相変わらずお節介だな」

一瞬だけ、蓮司の口元に笑みが浮かんだ。



大地を踏み鳴らし、巨漢の騎士が剣を振り下ろす。
空気を裂く轟音。

俺と蓮司は同時に剣を構え、その一撃を迎え撃った。

光と闇、二つの刃が交錯する。
そこにあるのは従属でも命令でもない――互いの意志で並び立つ共闘だった。



__________________

後書き

ここまで読んでくださりありがとうございます!

第66話では、蓮司が「従属ではなく自分の意志」で悠斗と並び立つことを選びました。
恐怖に支配されるクラスメイトたちの中で、勇者候補としての誇りを示した形です。

次回、第67話は「巨漢騎士との死闘」。
悠斗と蓮司、二人の剣が試される戦闘になります。

どうぞご期待ください!
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