クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ

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第4章:奈落の影、揺るがぬ誓い

第102話:捕縛令、迫る選択

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朝日が差し込む村に、緊張が広がっていた。
村人たちは戸口に立ち、ひそひそと囁き合う。

「……本当にここにいるのか?」
「異世界の少年……影をも従わせたって噂だ」

その視線は、俺に突き刺さっていた。



「悠斗くん……」
美咲が心配そうに寄り添う。
リーネも隣で周囲を警戒している。

(……休む間もなく、来るか)

予感はすぐに現実となった。



「王国騎士団、通れ!」

村の入口から重い声が響く。
白銀の甲冑を纏った騎士たちが列をなし、旗を掲げて進み入ってきた。
村人が次々と道を開け、ざわめきが広がる。

先頭に立つのは、鋭い眼光を持つ壮年の将校。
彼は馬上から村人を見渡し、声を張り上げた。

「命を伝える! 高宮 悠斗――異世界より来たりし従属の者!
その身を捕らえ、王都へ連行せよとの勅命である!」



「……やっぱり来やがったか」
俺は低く呟き、剣に手をかける。

村人たちは恐怖に震え、口々に囁く。

「捕縛令……」
「やはり危険視されていたんだ」



「待ってください!」
美咲が前に出る。
「悠斗くんは……何度も私たちを救ってくれました! なのに、どうして……!」

将校は冷たい目で彼女を見下ろす。

「国に仇なす可能性のある力を放置はできぬ。それがどれほど善意に見えようと、だ」



「悠斗」
リーネが囁く。
「彼らは命令に従うだけ。説得は通じません」

「……ああ。わかってる」



「抵抗するなら……力ずくで連れて行くまで!」
将校が手を振り下ろす。

騎士たちが一斉に剣を構え、前進する。
その足音が地面を震わせ、村人たちの悲鳴が重なる。



俺は剣を抜き、前に出た。
「……悪いな。俺は、まだここで倒れるわけにはいかねぇ」

黒い鎖が腕に走り、剣に絡みつく。
美咲が必死に叫ぶ。

「悠斗くん、無茶はしないで!」

「無茶しなきゃ……生き残れねぇだろ!」



「捕縛対象、確保せよ!」
将校の怒声と共に、剣と剣がぶつかり合った。



__________________

後書き

ここまで読んでくださりありがとうございます!

第102話では、ついに王国騎士団が「捕縛令」を公然と突きつけてきました。

悠斗は正式に“危険視される存在”として扱われる

村人たちの不安が増大

美咲は必死に訴えるが、王国は動じない

次回は、この捕縛戦で「村人たちの選択」と「悠斗が下す決断」が描かれます。
どうぞご期待ください!
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