最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職

鎌霧

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17章

448話 トーナメント

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 長距離砲撃貰ってからすぐさま離脱、戦闘を極力避けて先に進んで行ったが、相手の目視距離が広く長いのか、かなり移動しながらも砲撃を食らい続けた。結局のところ、他のチームが乱戦してる所を突っ切って、ターゲットを擦りつけてやった。

『やはり邪道がすぎないか?』
『たまたま突っ切ったら、相手がたまたまターゲットを変えただけじゃない』
『あまり恨まれる動きはしたくないのだが……』
『私からしたら、初狩りしてくるわ、倒したら倒したで興味本位に戦いを挑んでくる連中のほうがよっぽどだと思うけど?』

 ブーストを吹かし高速移動をしていると、画面上に何かしらの表示がいきなり出てくるのでブレーキを掛けて確認。

「そこまでー!
 たったいま、上位8チームが決定しました!
 配信の方も大盛況ですし、宇宙習熟も出来たようなので、20分後にすぐさまトーナメントを開始致します!」

 逃げている間に決まった、上位チーム。
 それにしても乱暴なイベントスケジュールだな……たまたまやれてるから良いけど、下手したら滅茶苦茶このバトロワに時間取られてたんじゃないか?とは、思ったけど結構好戦的な奴が多いからあっさり決まるって考えたっぽい。とりあえず一つの壁は超えたから、本番は此処からか。一般的に考えれば8チームトーナメント、4チーム2枠で分けて3回勝てば優勝ってのがセオリーか。

「では、控室に戻しますので、それぞれ準備してください!
 基本フィールドは宇宙なのは変わらないので、調整は宇宙用なのを注意してください!」
「フィールドは宇宙で、状況はランダムですので、そこも注意してほしいですね」

 実況解説は呑気なもんだな。



 何て事を考えていれば、出撃前のハンガーに転移し、元の綺麗な機体の前に戻ってくる。隣には柳生がいるが、他のプレイヤーはいないので、どういう組み合わせにしたかはばれない様にちゃんと調整されてるのね。

「さて、と……状況はコロニーやデブリ帯、その他色々あるかな」
「切り替えが速い……某は基本変えられんぞ」
「だから足りない分を私でって話でしょ、前も同じ事言ったじゃないの」
「ただ興味本位で聞くんだが、そこまでして勝ちたいか?」

 今まで通りどう組み合わせるかなーと考えていたところに投げかけられるので、一旦手を止める。

「勝ちたいね、どんな相手だろうが、状況だろうがな」
「そこまでの情熱がどこから出るのやら」
「負けてもいいやって思ってる奴に足引っ張られたらこーなるんだよ」

 また機体の調整を始めながらどうするかと考える。
 前は柳生が張るとして、中長距離は相変わらず私が担当すると……。

「もう気にせず好きに動いて良いが」
「……何を急に言ってんのよ」
「某に遠慮をしているのだろう?それに誰かに指示を仰ぐような奴でもない、好きにさせた方が強いと思ったんだ」
「ふーむ……」

 調整の手を再度止めてから、顎に手を添えてしばし考える。
 それぞれが勝手にやって、何かあった時に援護し合うほうがいい気もする。今まで散々やって来て結局の所、私と柳生の相性がそこまで良くないって結果になるってのも何とも言えないな。

「ま、良いけどね、足引っ張ったら容赦しないけど」
「お手柔らかに」

 そう言うと共に、柳生の奴も自分の機体を弄り始める。
 こっちもこっちでどうするかを考えつつ、機体を組み上げ続けていく。
 




 トーナメントの方式は4チームでのトーナメント×2。
 考えていた通りの方式であって特に驚きもなく、事前に言われていた通りに宇宙がベースに、シチュエーションはランダム。時間制限付きで残っていた人数が多い方が勝ち、もしくは全滅させた方が勝ちになる。まあ、普通のチーム戦。特に変わったルールも無いし、とにかくさっさと倒したら良しって流れになる。

 して、結局の所、柳生とのすり合わせはやめてそれぞれが使いやすい機体構築をして、本当にどっちがどういう組み合わせをして装甲を盛って、武装なのかを何も相談もしていない。

『負けたら許さんからな』
『それはこっちの台詞でもある』

 宇宙空間、適度にデブリがあるマップシチュエーションとしてはオーソドックスな感じの宇宙って感じになっている所、横並びになって武器を構えながら試合開始を待つ。

「それでは、Aリーグ、第2試合スタートです!」

 アナウンスが響くと同時に2機揃ってブーストを掛けて一気に接近しにいく。
 まずは索敵……が、鉄板の動きなのだが、それよりも何よりも相手にも負けたくないし隣の奴に手柄を奪われるというのも好きじゃない。

 それにしても、散々っぱらバトルジャンキーだのなんだの言って置いて、私も結構そっちだな。
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