558 / 625
19章
525話 腐れ縁
しおりを挟む
さて、今一度戦況を整理しよう。
現時点で、こっちの戦力は私、アリス、松田、ヤス、エルとアル。もちろんヤスとエルアル姉妹は戦闘中。ヤスの戦況を確認したら、反応はなかったのだが負けてはいないようなので良し。ただ、別れてからそこそこの時間が経っているのとやはり何も反応が返ってこないというのが気がかりではある。
アリス、松田の二人も返事がないあたり結構切羽詰まってるか、余裕のない状況ってのは確定。ガヘリスの奴が合流したとしたら此処。元々防御力高い者同士の戦いだから泥沼化した戦いをしているというのも予想できる。松田のやつが常に回復…ってわけでもないだろうから、たまたまできた強力な調合瓶でも命中していたら結構な痛手なのだが……安定感がないのが問題になる。前に投げて真横に飛んでいくのって漫画でしか見た事ない。
エルアル姉妹に関しては、2:1の有利状況をいかに活かせるかが問題。薫自体は強いがあくまでも単体性能での話になるので、うまいこと後衛のアルが頑張れば良いところはいけるはず
「希望的観測が多すぎる」
だろうやら、大丈夫やらどうもなあ……信用してない訳ではないんだが、あんまりにも楽観的というか、自分に都合のいいように考えている節もある。別に悪い事じゃないんだが、いつも最悪を想定して動いてたから、ここまで信用信頼して考える自分に違和感がある。
「ヤスの紹介だし、一定水準ってか、私より強いんだからいいとは思う」
そんな事を考えつつ大きいため息を吐き出しながら走り続ける
とりあえずこっちの状況はこんな感じ。最悪想定ならアリス、松田、私だけで立ち回らなきゃならないってところか。
問題は向こう側。
判明している戦力で、ガウェイン、ガヘリス、一二三、薫。あと一人が最初からガウェインの奴と組んで立ち回っていた誰かになる。前衛ばかりと当たったというのを踏まえると後衛。盾役の後ろから前出て殴るってのもあんまり理にかなっていないし、しっかり前後を作って撃ってくる方が明らかに厄介だ。結構私の知り合いが多かったから、私の事を知っている、なおかつあのガウェインが認めるくらいの実力を持っている後衛職?
「パッと思いつかんなあ……生産系と前衛ばっかりだし」
答え合わせが難しすぎる問題を自分で出して自分で悩むってアホだな。どっちにしろ対面したらわかるわけだし、対処方法はその時に考えれば問題ない……はず。
「どーも嫌な予感してくるんだよなあ」
こういう時の悪い予感って当たりやすいからあんまり考えすぎるのもいけない。とはいえやる事はずっと変わらない。どんな相手が来ようが、どんな強敵だろうが、叩きのめして勝つというのが私自身に科した心持ちなのだから。
そうして暫く走っていくと、目の前に広がるのは地形が変わり、丸焦げになっている地面や、焦げ臭く、火山で良く嗅ぐような硫黄の様な匂い。常に鳴り響いている金属音。知らない間にこんなにも派手な戦闘してたのか、こいつらは。
「硫化水素でもまき散らしたのか」
「そんな余裕があったと思いますかな!」
お、生きてた。案外大丈夫なもんだな。個人的にはもっとボロボロだと思ったのだが、そんなこともなく、アリス共々元気な姿をしている。アリスの方は私が考えていた通り、何かしらの遠距離攻撃を防ぎながらどっしり構えたままだ。それにしても盾でしっかり受けてたらダメージ貰わないってずるくね?大盾ゲーにならない辺りが何かしらありそう。
「それで、状況は」
「向こうの後衛が強いですな、アカメ殿と同じガンナーのようで」
「どれ、どんな奴かな」
多分松田の奴が作ったであろう、少し窪んだ所に陣取っているアリス、その後ろからちらりと向こう側を確認。向こうもガウェインの奴が大盾を持った状態で、その横から銃口が光る。銃口の感じから言えば拳銃だと口径が小さめ、ショットガンにしては微妙なところ、まあライフル系だろう。
「連射される?それとも単発で大きく貰う?」
「え、っと……どっち、も」
「また難しい話になってるな」
ガンナーの環境ももう一度整理しないといけないけど、とりあえず2丁は持ってるって事だろうな。どっちにしろ厄介なことは変わりない。
「おーい、お前の後衛どういう奴か教えてくんない?」
「素直に言うと思いますか、それ」
一応ガウェインの奴に声を掛けてみるけど、そりゃ返事はしないわな。
「お前との腐れ縁も此処で一つ決着付けようや」
「縁は切れませんがね」
「じゃあ、どっちが上かはっきりさせようか」
とりあえず挨拶代わりの銃撃2発。当たり前だけど、しっかり防いでくる。あー、腹立たしい。ヤス、エルアルの状況次第だけど、下手したら挟み撃ちになる可能性を考えたら、さっさと倒したいところだけど、さっさと倒せない相手なんだよな。
「でもまあ、あいつらには期待したいわ」
これが本当に最後だ。
現時点で、こっちの戦力は私、アリス、松田、ヤス、エルとアル。もちろんヤスとエルアル姉妹は戦闘中。ヤスの戦況を確認したら、反応はなかったのだが負けてはいないようなので良し。ただ、別れてからそこそこの時間が経っているのとやはり何も反応が返ってこないというのが気がかりではある。
アリス、松田の二人も返事がないあたり結構切羽詰まってるか、余裕のない状況ってのは確定。ガヘリスの奴が合流したとしたら此処。元々防御力高い者同士の戦いだから泥沼化した戦いをしているというのも予想できる。松田のやつが常に回復…ってわけでもないだろうから、たまたまできた強力な調合瓶でも命中していたら結構な痛手なのだが……安定感がないのが問題になる。前に投げて真横に飛んでいくのって漫画でしか見た事ない。
エルアル姉妹に関しては、2:1の有利状況をいかに活かせるかが問題。薫自体は強いがあくまでも単体性能での話になるので、うまいこと後衛のアルが頑張れば良いところはいけるはず
「希望的観測が多すぎる」
だろうやら、大丈夫やらどうもなあ……信用してない訳ではないんだが、あんまりにも楽観的というか、自分に都合のいいように考えている節もある。別に悪い事じゃないんだが、いつも最悪を想定して動いてたから、ここまで信用信頼して考える自分に違和感がある。
「ヤスの紹介だし、一定水準ってか、私より強いんだからいいとは思う」
そんな事を考えつつ大きいため息を吐き出しながら走り続ける
とりあえずこっちの状況はこんな感じ。最悪想定ならアリス、松田、私だけで立ち回らなきゃならないってところか。
問題は向こう側。
判明している戦力で、ガウェイン、ガヘリス、一二三、薫。あと一人が最初からガウェインの奴と組んで立ち回っていた誰かになる。前衛ばかりと当たったというのを踏まえると後衛。盾役の後ろから前出て殴るってのもあんまり理にかなっていないし、しっかり前後を作って撃ってくる方が明らかに厄介だ。結構私の知り合いが多かったから、私の事を知っている、なおかつあのガウェインが認めるくらいの実力を持っている後衛職?
「パッと思いつかんなあ……生産系と前衛ばっかりだし」
答え合わせが難しすぎる問題を自分で出して自分で悩むってアホだな。どっちにしろ対面したらわかるわけだし、対処方法はその時に考えれば問題ない……はず。
「どーも嫌な予感してくるんだよなあ」
こういう時の悪い予感って当たりやすいからあんまり考えすぎるのもいけない。とはいえやる事はずっと変わらない。どんな相手が来ようが、どんな強敵だろうが、叩きのめして勝つというのが私自身に科した心持ちなのだから。
そうして暫く走っていくと、目の前に広がるのは地形が変わり、丸焦げになっている地面や、焦げ臭く、火山で良く嗅ぐような硫黄の様な匂い。常に鳴り響いている金属音。知らない間にこんなにも派手な戦闘してたのか、こいつらは。
「硫化水素でもまき散らしたのか」
「そんな余裕があったと思いますかな!」
お、生きてた。案外大丈夫なもんだな。個人的にはもっとボロボロだと思ったのだが、そんなこともなく、アリス共々元気な姿をしている。アリスの方は私が考えていた通り、何かしらの遠距離攻撃を防ぎながらどっしり構えたままだ。それにしても盾でしっかり受けてたらダメージ貰わないってずるくね?大盾ゲーにならない辺りが何かしらありそう。
「それで、状況は」
「向こうの後衛が強いですな、アカメ殿と同じガンナーのようで」
「どれ、どんな奴かな」
多分松田の奴が作ったであろう、少し窪んだ所に陣取っているアリス、その後ろからちらりと向こう側を確認。向こうもガウェインの奴が大盾を持った状態で、その横から銃口が光る。銃口の感じから言えば拳銃だと口径が小さめ、ショットガンにしては微妙なところ、まあライフル系だろう。
「連射される?それとも単発で大きく貰う?」
「え、っと……どっち、も」
「また難しい話になってるな」
ガンナーの環境ももう一度整理しないといけないけど、とりあえず2丁は持ってるって事だろうな。どっちにしろ厄介なことは変わりない。
「おーい、お前の後衛どういう奴か教えてくんない?」
「素直に言うと思いますか、それ」
一応ガウェインの奴に声を掛けてみるけど、そりゃ返事はしないわな。
「お前との腐れ縁も此処で一つ決着付けようや」
「縁は切れませんがね」
「じゃあ、どっちが上かはっきりさせようか」
とりあえず挨拶代わりの銃撃2発。当たり前だけど、しっかり防いでくる。あー、腹立たしい。ヤス、エルアルの状況次第だけど、下手したら挟み撃ちになる可能性を考えたら、さっさと倒したいところだけど、さっさと倒せない相手なんだよな。
「でもまあ、あいつらには期待したいわ」
これが本当に最後だ。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
転生したみたいなので異世界生活を楽しみます
さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。
誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。
感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
オネエ伯爵、幼女を拾う。~実はこの子、逃げてきた聖女らしい~
雪丸
ファンタジー
アタシ、アドルディ・レッドフォード伯爵。
突然だけど今の状況を説明するわ。幼女を拾ったの。
多分年齢は6~8歳くらいの子。屋敷の前にボロ雑巾が落ちてると思ったらびっくり!人だったの。
死んでる?と思ってその辺りに落ちている木で突いたら、息をしていたから屋敷に運んで手当てをしたのよ。
「道端で倒れていた私を助け、手当を施したその所業。賞賛に値します。(盛大なキャラ作り中)」
んま~~~尊大だし図々しいし可愛くないわ~~~!!
でも聖女様だから変な扱いもできないわ~~~!!
これからアタシ、どうなっちゃうのかしら…。
な、ラブコメ&ファンタジーです。恋の進展はスローペースです。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。(敬称略)
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜
きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。
遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。
作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓――
今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!?
ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。
癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる