不幸と幸せ～毒親に育てられた私～

幼少期の記憶

5歳のクリスマスの夜、大きな物音で目が覚めた。
そっと襖を開け居間の様子をみると、
酒に酔った父が、大声をあげ母親の髪を掴み引きずっていた。
他の姉や妹も起き皆で固まり、恐怖で震えていた。
当時住んでいた家は社宅で夜中だったこともあり近所の人が警察に通報したのか、警察が来た。
警察が来たことで母に手を上げることはなかったが、
警察にまでどなり散らしている父の姿。
髪はボサボサ、口からは血が出て、鼻血も出ている母の姿。
小さかった私たち姉妹には衝撃的だった。

母は頭をぶつけていたり、
目の回りを殴られていたことなどもあり、
警察の方が救急車を呼んで、母は到着した救急車に乗って
病院に運ばれていった。
私たち姉妹は、パトカーに乗せられ母がいる病院まで連れていってもらった。

母と警察官が話をしている間
女性の警察官と男性の警察官が、不安や緊張でいっぱいだった
私たちを優しくいろんな話をしてくれた。

検査や処置が終わり帰宅の許可がだされた母は、
泣きながら私たちを抱きしめた。
「お母さんもうお父さんのところには帰りたくない。あんたたちも帰したくない。でも、今のお母さんじゃ、あんたたちを育てていくことが出来ない。お金がたまったら必ず迎えに行くから、だからそれまでお母さんとは離ればなれにならないといけない、ごめんね。」
母はこう言った。
5歳の私でも、わがままを言って困らせるようなことはしてはいけないんだと思ったのか何も言わなかったし、言えなかった。

そしてそのまま私達姉妹はパトカーに乗り、児童相談所に
連れていかれた。

優しそうなおばさんに迎えられ、敷かれていた布団に入り
不安いっぱいのなか眠りについた。

児童相談所にきて2週間ぐらいだったと思う。
私達姉妹は養護施設に行くことが決まった。

これが私が、覚えてるなかで一番古い記憶。