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母と交わした約束
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小学生になり、施設での生活にも慣れてきていた。
母と別れる際に交わした、必ず会いに行くからという約束が、
果たされることもないまま二年の月日が経っていた。
小さいながらにもう母は来ないんだと心の中で思っていたし、
母に対して怒りもあった。
そんなある日、いきなり施設の職員から
「おうちに帰れるよ。1週間後にお母さんが迎えにきてくれることが決まったんだよ。」
と言われた。
もちろん嬉しかった。
2年とちょっとという時間は7歳の私には長すぎた。
その日から母が迎えに来るまでの日が楽しみで仕方なかった。
そして、待ちに待った当日、母はタクシーで迎えに来た。
今考えれば、理解できないが、当時の私には特に違和感を覚えなかったことがあったのだ。
それは何かというと、母は産まれたばかりの弟を抱っこしていたのだ。
家も新しい場所に変わっていて、もちろんその家には
父もいた。
最後にみたあの時の父の顔ではなく、笑顔の父。
この日からまた家族で過ごす日々が始まった。
この楽しい日々がずっと続くんだと思っていた。
でも、そう長くは続かなかった。
1ヶ月経つと夏休みが始まると、父と母は2人で毎日のように
パチンコに出掛けるようになった。
姉と一緒に弟の面倒を見たり、お昼ごはん作ってくれてなかったから、家にあるものでどうにか全員分を作って食べたりして毎日を過ごした。
これが高学年以上になっていれば、部屋の掃除、洗濯まで出来ていたのかもしれないが、私達には弟の面倒で精一杯だった。
父と母が帰宅するのはいつも夜10時頃だった。
機嫌がいいときは、掃除が出来ていなくても怒られることはなかったが、機嫌が悪いとなぜ片付けないんだと怒られ、叩かれ、夜ご飯を食べさせて貰えなかった。
父が仕事をしなくなったのはこの頃からだった。
母と別れる際に交わした、必ず会いに行くからという約束が、
果たされることもないまま二年の月日が経っていた。
小さいながらにもう母は来ないんだと心の中で思っていたし、
母に対して怒りもあった。
そんなある日、いきなり施設の職員から
「おうちに帰れるよ。1週間後にお母さんが迎えにきてくれることが決まったんだよ。」
と言われた。
もちろん嬉しかった。
2年とちょっとという時間は7歳の私には長すぎた。
その日から母が迎えに来るまでの日が楽しみで仕方なかった。
そして、待ちに待った当日、母はタクシーで迎えに来た。
今考えれば、理解できないが、当時の私には特に違和感を覚えなかったことがあったのだ。
それは何かというと、母は産まれたばかりの弟を抱っこしていたのだ。
家も新しい場所に変わっていて、もちろんその家には
父もいた。
最後にみたあの時の父の顔ではなく、笑顔の父。
この日からまた家族で過ごす日々が始まった。
この楽しい日々がずっと続くんだと思っていた。
でも、そう長くは続かなかった。
1ヶ月経つと夏休みが始まると、父と母は2人で毎日のように
パチンコに出掛けるようになった。
姉と一緒に弟の面倒を見たり、お昼ごはん作ってくれてなかったから、家にあるものでどうにか全員分を作って食べたりして毎日を過ごした。
これが高学年以上になっていれば、部屋の掃除、洗濯まで出来ていたのかもしれないが、私達には弟の面倒で精一杯だった。
父と母が帰宅するのはいつも夜10時頃だった。
機嫌がいいときは、掃除が出来ていなくても怒られることはなかったが、機嫌が悪いとなぜ片付けないんだと怒られ、叩かれ、夜ご飯を食べさせて貰えなかった。
父が仕事をしなくなったのはこの頃からだった。
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