モブでいたはずの私が、ただひとりに溺愛されるまで

ChaCha

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登場人物イメージ【挿絵】

・アイナ&エルンスト



花咲き乱れるガゼボ。
蔓に囲まれた静かな場所で、
風が抜け、花弁がはらはらと舞う。

「アイナ……俺を見ろ」

抱きしめる腕の力が変わる。
守るための強さから、欲する温度へ。

「……俺を選んでくれ、アイナ」

「俺は、お前だけのものだ」

「結婚してくれ」

淡い青の瞳と、揺れる茶の髪。
この場所で、彼は選ばせ、彼女は未来を差し出した。



・エルンスト・トゥルペ



トゥルペ侯爵家の次男。
王立学園騎士科出身で、寡黙・実直・忠誠心が高いと評される一方、内面は極端な一途。

一度「自分のもの」と定めた相手には、迷いなく人生ごと差し出す覚悟を持つ男。
青い髪と淡青の瞳、無駄のない鍛え抜かれた体躯は戦場仕様だが、私生活では溺愛が常態化している。

「逃げるな。俺が守る。
 ……いや、もう“守っている”が正しいな」

妻以外には容赦がないが、妻には限界がない。


・ヴィル・シュピネル



ネルケ辺境伯領騎士団長の息子で、アイナの幼馴染。
赤茶の髪に落ち着いた眼差し、剣を握れば冷静沈着、だが内面は誰よりも情に厚い。

様々な修羅場を幼い頃から共に越えてきたため、彼女を守ることが呼吸のように自然になっている。
初恋を自覚した時、己の欲に黒く染まる。
報われない想いを抱えながらも一線を越えず、距離と誇りを守る不器用な優しさの持ち主。

なによりも、アイナの傍で在ることを選んだ男。

「俺は幼馴染だ。それ以上でも以下でもない……今はな」


・ヴィル × エルンスト



幼馴染として隣に立ち続けた男と、後から現れすべてを攫った男。
二人は同じ女性を想い、同じ場所に立ち、決して交わらない一線を引いた。


ヴィル
「離れたら終わりだと思ってた。
 ……だから、離さなかっただけだ」


エルンスト
「選ばれた。だから俺は、迷わない」


友情でも敵意でもない。
ただ一人の“彼女”を巡って、静かに火花を散らした男たち。



・筋肉むふふのオマケ






・エルンストが、愛しい人に囁く

「……ここにいる。俺の腕の中だ。
怖いなら、目を閉じろ。
全部、俺が受け止める。
お前が呼ぶ限り、俺は戻るし、離れない。
選ばなくていい。もう、俺はお前のものだ。
……愛してる。今も君に溺れ続けている。」




・ヴィルが、愛しい幼馴染に囁く

「昔から知ってる顔で、そんな顔するなよ。
俺だけはさ、ずっと見てた。
泣くのも、笑うのも、無理するのも。
……今は違う場所にいても、
お前が幸せなら、それでいい。
だから、たまには俺のとこにも戻ってこい」





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