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「いいですね。この万年筆なんてどうですか?」
「いいねー。ノアはどれがいいんだ?」
「ソフィアと同じこの万年筆がいいな」
「よし! 決定!」
みんなでお揃いの万年筆を買った。書きやすそうだし、明日から使おう。
ふふっ、お揃いなんて初めて。
なんだかこそばゆい気持ちね。
万年筆を買った後、最近人気のケーキ屋さんがあるとルイ様が連れて行ってくれた。初めてのケーキ屋さん。少しドキドキしながら店員さんに案内され、座席に座る。
注文表と睨めっこしながら、本日のお勧めのフルーツタルトを頼んだ。店員が紅茶と共に運んできたフルーツタルトは美味しくてすぐに食べてしまった。もう一個頼めば良かったと後悔していると、
「ソフィアは幸せそうに食べるんだな。そんなに美味しかったのか?」
「顔に出ていました? ごめんなさい。はしたなかったですね」
「ソフィアちゃんもそんな一面があるんだ。俺、今日来て良かった」
「ルイ様、ノア様。連れて来て下さりありがとうございます。本当に美味しいです」
「気にするな。来たければ、俺がいつでも連れていく」
「ノアはダメだよー。ミリアちゃんがいるだろう?」
「ミリア? さあな」
「二人とも大丈夫です。行きたくなったら友人やサラと一緒に来ますから」
「それもそうだね! むさくるしい男と一緒より女の子同士で来たほうが楽しいに決まってる」
「むさくるしいだなんて思ったことはないです。二人を誘えば他の令嬢方から嫉妬されてしまいます」
私達は仲良く雑談しながらケーキをお土産に買い、邸へ帰った。
サラにお土産のケーキを渡す。サラの好きそうな物を見繕って買ってきたのだけれど、正解だった。とても喜んでくれたわ。
ノア様とギクシャクは無くなったけれど、やはり気を使うわ。サラに髪を梳いて貰いながら二人の会話を思い出す。
あの話の流れからしてノア様は婚約者がミリアになってからミリアと会っていないようだ。
毎日のようにミリアからノア様と手紙をやり取りしたとか、どこへ行ったとか、という事は聞いていたけれど、二人の間に何かあったのかしら。
ミリアが我儘を言ってとうとうノア様も付き合いきれなくなってしまった?
問題の多いミリアの事だから仕方がないとも思うけれど。
私の帰宅より早い間にフィンお兄様が王宮から帰宅していたようだ。軽めの夕食をフィンお兄様、おじい様達と摂る。
フィンお兄様は王宮魔法使いでも攻撃魔法を得意としていて、よく王都の周辺で討伐に出ている。
フィンお兄様も私に優しくて家族というのは本当にいいものだと感じてしまう。邸に来てからの私は感謝をし続けているわ。
「フィンお兄様。お願いがあります」
「なんだい? ソフィアのお願い事なら何でも聞くよ」
「ふふっ、嬉しいです。実は、魔石を取りにダンジョンに行きたいんです。でも、私はまだ一人で行く自信がなくて……。お兄様と一緒に行きたいのです」
「そうか。俺が連れていくのは構わないが、俺が父上に殺されてしまいそうだな。初めてのダンジョンだからな」
「なら、ワシとラーナとソフィアの三人で行こうか。護衛のローランを連れていけばいいだろう」
おじい様とおばあ様が一緒に来てくれる、の?
「おじい様、いいのでしょうか?」
「ソフィアちゃんは知らなかったかしら? いつも国内を視察という名の旅行しているだけではないのよ? 今でも私達は趣味でダンジョンに入って魔石を取り、魔法具を作っているの」
えっ、驚いて目を見開いた。おじい様たちは魔法具を作っているのは知らなかった。
「おじい様、本当ですか。是非、私もやってみたいです!」
「よしよし、善は急げだ。まず魔石を取りにいかないとな。週末にでも行こう。ソフィアはそれまでにしっかりと魔法の質を上げる練習をしておくのだぞ?」
「はい!」
「ちょっと、おじい様。勝手に決められては困ります。俺が父上に叱られてしまう」
「フィン、残念だがカインに叱られておくれ」
「えーっ。……分かりました。後で父上に報告しておきます。俺には父上が嬉々として仕事を放棄し、ダンジョンに向かう事しか想像ができないですが」
お父様ったらどれだけ心配性なんでしょうか。でも、許可が降りました。おじい様とおばあ様と一緒に行けると思うと凄く楽しみだ。
部屋に戻ってからサラに冒険者用の服を用意して欲しいと頼んでおいた。今からダンジョンが楽しみで仕方ないわ。
さて、今日も寝る前に勉強しながら魔力を循環して質を上げるのを頑張ろう。
「いいねー。ノアはどれがいいんだ?」
「ソフィアと同じこの万年筆がいいな」
「よし! 決定!」
みんなでお揃いの万年筆を買った。書きやすそうだし、明日から使おう。
ふふっ、お揃いなんて初めて。
なんだかこそばゆい気持ちね。
万年筆を買った後、最近人気のケーキ屋さんがあるとルイ様が連れて行ってくれた。初めてのケーキ屋さん。少しドキドキしながら店員さんに案内され、座席に座る。
注文表と睨めっこしながら、本日のお勧めのフルーツタルトを頼んだ。店員が紅茶と共に運んできたフルーツタルトは美味しくてすぐに食べてしまった。もう一個頼めば良かったと後悔していると、
「ソフィアは幸せそうに食べるんだな。そんなに美味しかったのか?」
「顔に出ていました? ごめんなさい。はしたなかったですね」
「ソフィアちゃんもそんな一面があるんだ。俺、今日来て良かった」
「ルイ様、ノア様。連れて来て下さりありがとうございます。本当に美味しいです」
「気にするな。来たければ、俺がいつでも連れていく」
「ノアはダメだよー。ミリアちゃんがいるだろう?」
「ミリア? さあな」
「二人とも大丈夫です。行きたくなったら友人やサラと一緒に来ますから」
「それもそうだね! むさくるしい男と一緒より女の子同士で来たほうが楽しいに決まってる」
「むさくるしいだなんて思ったことはないです。二人を誘えば他の令嬢方から嫉妬されてしまいます」
私達は仲良く雑談しながらケーキをお土産に買い、邸へ帰った。
サラにお土産のケーキを渡す。サラの好きそうな物を見繕って買ってきたのだけれど、正解だった。とても喜んでくれたわ。
ノア様とギクシャクは無くなったけれど、やはり気を使うわ。サラに髪を梳いて貰いながら二人の会話を思い出す。
あの話の流れからしてノア様は婚約者がミリアになってからミリアと会っていないようだ。
毎日のようにミリアからノア様と手紙をやり取りしたとか、どこへ行ったとか、という事は聞いていたけれど、二人の間に何かあったのかしら。
ミリアが我儘を言ってとうとうノア様も付き合いきれなくなってしまった?
問題の多いミリアの事だから仕方がないとも思うけれど。
私の帰宅より早い間にフィンお兄様が王宮から帰宅していたようだ。軽めの夕食をフィンお兄様、おじい様達と摂る。
フィンお兄様は王宮魔法使いでも攻撃魔法を得意としていて、よく王都の周辺で討伐に出ている。
フィンお兄様も私に優しくて家族というのは本当にいいものだと感じてしまう。邸に来てからの私は感謝をし続けているわ。
「フィンお兄様。お願いがあります」
「なんだい? ソフィアのお願い事なら何でも聞くよ」
「ふふっ、嬉しいです。実は、魔石を取りにダンジョンに行きたいんです。でも、私はまだ一人で行く自信がなくて……。お兄様と一緒に行きたいのです」
「そうか。俺が連れていくのは構わないが、俺が父上に殺されてしまいそうだな。初めてのダンジョンだからな」
「なら、ワシとラーナとソフィアの三人で行こうか。護衛のローランを連れていけばいいだろう」
おじい様とおばあ様が一緒に来てくれる、の?
「おじい様、いいのでしょうか?」
「ソフィアちゃんは知らなかったかしら? いつも国内を視察という名の旅行しているだけではないのよ? 今でも私達は趣味でダンジョンに入って魔石を取り、魔法具を作っているの」
えっ、驚いて目を見開いた。おじい様たちは魔法具を作っているのは知らなかった。
「おじい様、本当ですか。是非、私もやってみたいです!」
「よしよし、善は急げだ。まず魔石を取りにいかないとな。週末にでも行こう。ソフィアはそれまでにしっかりと魔法の質を上げる練習をしておくのだぞ?」
「はい!」
「ちょっと、おじい様。勝手に決められては困ります。俺が父上に叱られてしまう」
「フィン、残念だがカインに叱られておくれ」
「えーっ。……分かりました。後で父上に報告しておきます。俺には父上が嬉々として仕事を放棄し、ダンジョンに向かう事しか想像ができないですが」
お父様ったらどれだけ心配性なんでしょうか。でも、許可が降りました。おじい様とおばあ様と一緒に行けると思うと凄く楽しみだ。
部屋に戻ってからサラに冒険者用の服を用意して欲しいと頼んでおいた。今からダンジョンが楽しみで仕方ないわ。
さて、今日も寝る前に勉強しながら魔力を循環して質を上げるのを頑張ろう。
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