【完結】召喚されましたが、失敗だったようです。恋愛も縁遠く、一人で生きて行こうと思います。

まるねこ

文字の大きさ
1 / 32

1

しおりを挟む
 突然の自己紹介でごめんなさい!
私の名前は牧野 楓。24歳。父、母、妹の4人家族。恋人は大大大募集中。

この春から晴れて一人暮らしとなり、毎日仕事とアパートを行き来する生活を送っているわ。

休みの日ははジムで汗を流したり、料理を作って日々、自分レシピを増やすべく頑張っている。顔は、可愛い方ではあるかな!?
知識欲は豊富でよく小説読んだり、気になった事は即検索するのが癖。



 ある日の仕事中にそれは突然起こったの。



「課長、今から書類を3階の総務に届けてきますね」

立ち上がり、言葉を発した瞬間に私の足元に円陣のような模様が浮かび上がり身体が光に引きずり込まれる感覚。
課長や周りの同僚は驚いた顔をしていたのが一瞬だけ見えた。

「え、何?」

私の口から言葉が溢れると同時に景色が変わる。

「おぉ。成功だ。聖女様の召喚が成功したぞ」

 え?どういう事かな?よく分からない。聖女様の召喚??何人ものローブを着た人達が私を取り囲んでいる。え、やだ。怖い。

周りを見渡すと会社では無いどこかの部屋のようだ。私を取り囲んでいるローブを着た人が一人前へ出て話しかけてきた。

「聖女様。聖女様のお名前をお教え下さい」

え。知らない人に名乗っちゃ駄目だって母が口を酸っぱくして言っていた事を思い出す。

「桜」

咄嗟に偽名を名乗ってしまったけれど大丈夫だよね・・・?

「桜様、早速ではございますが、この水晶に手を翳して下さい」

絶対拒否権ないよね。目の前に出された水晶に手を翳す。

ふと、この光景に気がつく。もしや、これはラノベ界で有名な魔法判定!?私、魔法使いになれちゃう!?さっき聖女様って言ってたし、聖女っちゃうのかな?

・・・水晶変化なし。

はい。残念でしたー。
騒つくローブ集団。いや、私、よくよく考えなくても魔法なんて使えない世界からきたしね?無理よね??

何、このチーンって雰囲気。居た堪れないのだけど。魔力無しって事は用無しよね!?

やべー。この状況。どうやっても街にポイッと放逐されるのが目に見えてるわ。

「桜は聖女様では無かったのか。仕方がない」

 はいっキタコレ!一気に格下扱い!なんなの!?

老人は憮然とした表情のままさっさと部屋を出て行った。ゾロゾロと後に続くローブ集団。え?まさかの放置プレイ!?あ、一人のローブを着た男の人が駆け寄ってきた。

「桜様、とりあえずここの部屋を出ます。着いてきて下さい」

 私は言われるがままローブの一人に付いて行き、どこかの客室と思われる個室に案内された。

「えっと、まず、どういう状況なのか教えて?」

私はローブの人に促されてソフィアに腰掛けながら質問した。

「桜様。ここはローマン王国の首都カナタの城の中です。この度、陛下から聖女を異世界から呼び寄せ、騎士達の魔物討伐に聖女を使って効果を上げよと指示がありました。
私達は古い文献を漁り、何年も掛けてこの聖女召喚に心血を注いできたのです」

「んで、来たのが魔力なしの私なのね?これから私はどうなるのかしら?」

ローブの人は少し考えた後、私に答える。

「今、国王陛下、宰相や大臣達の話し合いが行われているかと思います。魔力の無い桜様は残念ながら国民として街に降ろされるかと」 

やっぱり放逐か!誘拐されて捨てられるのか。酷いな!この世界。それに話を聞けば聖女とは名ばかりだよね?聖女を使って効果を上げよって。奴隷じゃね?最悪だわ。

 私は突然連れてこられた驚きと老人の態度や人を人とは思っていない国王の考えに怒りや苛立ち、色んな感情がごちゃ混ぜになり叫びそうになるが、ローブの人に当たるのはお門違いだと思い必死で叫ぶのを堪えていた。

 暫くすると侍女と思われるお姉さんがノックして入室する。どうやら私は国王に呼ばれているようだ。ローブの人に大丈夫ですか?と聞かれながら謁見室まで案内される。

 謁見室はやはりラノベで描かれているような赤絨毯に調度品や絵画が飾られており、中央の椅子に座っている男がこの国の王なのだろう。ラノベすげぇな!まんまだよコレ!ちょっとラノベに感動しつつこの国の王とご対面。王の横には宰相と思われる人物がいる。王と宰相の両脇に立っている数名は大臣達か?

「其方が異世界から来た桜か。魔力なしだと聞いた。残念ながら元居た世界に帰す事は出来ん。一国民として街に降りてもらう」

「勝手に誘拐してきてそれは無いんじゃないの?酷いよね?王自ら誘拐指示。犯罪しといて要らなくなったらポイ。最低な国なのね。いいわ、出て行くわ。でも、出る前に最低限この世界の知識と必要な物一式、街に暮らすまでの資金を頂戴」

「良かろう。後は宰相、任せたぞ」

 超短時間の謁見でした。あー最悪。絶対この国から出てくわ。

 与えられた個室に戻ると早速、宰相にこの世界について教えてくれる人を付けて欲しいのと、私に合った一般的な武器と最低限の身を守る術を騎士に教えてもらう事。街に降りて職に着くまでの衣食住の為の費用の用意をお願いした。

流石に宰相は思う所があったようで私の希望は叶えてくれるらしい。まともな人も居ることはいるのね。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します

黒木 楓
恋愛
 隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。  どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。  巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。  転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。  そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。

水魔法しか使えない私と婚約破棄するのなら、貴方が隠すよう命じていた前世の知識をこれから使います

黒木 楓
恋愛
 伯爵令嬢のリリカは、婚約者である侯爵令息ラルフに「水魔法しか使えないお前との婚約を破棄する」と言われてしまう。  異世界に転生したリリカは前世の知識があり、それにより普通とは違う水魔法が使える。  そのことは婚約前に話していたけど、ラルフは隠すよう命令していた。 「立場が下のお前が、俺よりも優秀であるわけがない。普通の水魔法だけ使っていろ」  そう言われ続けてきたけど、これから命令を聞く必要もない。 「婚約破棄するのなら、貴方が隠すよう命じていた力をこれから使います」  飲んだ人を強くしたり回復する聖水を作ることができるけど、命令により家族以外は誰も知らない。  これは前世の知識がある私だけが出せる特殊な水で、婚約破棄された後は何も気にせず使えそうだ。

妹と違って無能な姉だと蔑まれてきましたが、実際は逆でした

黒木 楓
恋愛
 魔力が優れていた公爵令嬢の姉妹は、どちらかが次の聖女になることが決まっていた。  新たな聖女に妹のセローナが選ばれ、私シャロンは無能な姉だと貴族や王子達に蔑まれている。  傍に私が居たからこそセローナは活躍できているも、セローナは全て自分の手柄にしていた。  私の力によるものだとバレないよう、セローナは婚約者となった王子を利用して私を貶めてくる。  その結果――私は幽閉されることとなっていた。  幽閉されて数日後、ある魔道具が完成して、それによって真実が発覚する。  セローナが聖女に相応しくないと発覚するも、聖女の力を継承したから手遅れらしい。  幽閉しておいてセローナに協力して欲しいと私に貴族達が頼み始めるけど、協力する気は一切なかった。

見た目が地味で聖女に相応しくないと言われ追放された私は、本来の見た目に戻り隣国の聖女となりました

黒木 楓
恋愛
 モルドーラ国には2人の聖女が居て、聖女の私シーファは先輩聖女サリナによって地味な見た目のままでいるよう命令されていた。  先輩に合わせるべきだと言われた私は力を抑えながら聖女活動をしていると、ある日国王に呼び出しを受けてしまう。  国王から「聖女は2人も必要ないようだ」と言われ、モルドーラ国は私を追い出すことに決めたらしい。   どうやらこれはサリナの計画通りのようで、私は国を出て住む場所を探そうとしていると、ゼスタと名乗る人に出会う。  ゼスタの提案を受けて聖女が居ない隣国の聖女になることを決めた私は、本来の見た目で本来の力を使うことを決意した。  その後、どうやら聖女を2人用意したのはモルドーラ国に危機が迫っていたからだと知るも、それに関しては残ったサリナがなんとかするでしょう。

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます

時岡継美
ファンタジー
 初夜に旦那様から「白い結婚」を言い渡され、お飾り妻としての生活が始まったヴィクトリアのライフワークはなんとダンジョンの攻略だった。  侯爵夫人として最低限の仕事をする傍ら、旦那様にも使用人たちにも内緒でダンジョンのラスボス戦に向けて準備を進めている。  しかし実は旦那様にも何やら秘密があるようで……?  他サイトでは「お飾り妻の趣味はダンジョン攻略です」のタイトルで公開している作品を加筆修正しております。  誤字脱字報告ありがとうございます!

結婚前夜に婚約破棄されたけど、おかげでポイントがたまって溺愛されて最高に幸せです❤

凪子
恋愛
私はローラ・クイーンズ、16歳。前世は喪女、現世はクイーンズ公爵家の公爵令嬢です。 幼いころからの婚約者・アレックス様との結婚間近……だったのだけど、従妹のアンナにあの手この手で奪われてしまい、婚約破棄になってしまいました。 でも、大丈夫。私には秘密の『ポイント帳』があるのです! ポイントがたまると、『いいこと』がたくさん起こって……?

編み物好き地味令嬢はお荷物として幼女化されましたが、えっ?これ魔法陣なんですか?

灯息めてら
恋愛
編み物しか芸がないと言われた地味令嬢ニニィアネは、家族から冷遇された挙句、幼女化されて魔族の公爵に売り飛ばされてしまう。 しかし、彼女の編み物が複雑な魔法陣だと発見した公爵によって、ニニィアネの生活は一変する。しかもなんだか……溺愛されてる!?

処理中です...