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しばらくすると、侍女が部屋にやってきた。

どうやら夕食の準備をするらしい。

ローニャも眠い目を擦りながら準備する。
王女様はドレスに着替えて髪を整えてから夕食を摂るらしい。私達はシンプルなドレスに着替えて侍女に髪を結ってもらう。侍女は私達に驚く様子はない。事前に話は聞いているのだと思う。

用意されたドレスは尻尾の部分が綺麗に出せるようになっていた。

「お姉ちゃん、このドレスふわふわ尻尾が出せるんだね!」
「私達のために用意されてある。後でお礼を言わないとね」
「そうね!」

ローニャは綺麗なドレスを着て髪を結ってもらって上機嫌だ。

「遅くなりました」

時間丁度に食堂に来たけれど、どうやら私達が一番最後のようだった。ケイルート兄様が手招きをして

私はケイルート兄様の隣、ローニャは母の隣に座った。

お母様はあまりおしゃべりではないけれど、私達の事をよく見ていて話を振ってくれたり、食べ方も間違っていれば教えてくれる。王族は食べ方が特に厳しいみたい。

義姉様はあまり私達を見ることもしない。良く思っていないのかもしれない。これはあくまでも女の感という感じのものでしかないけれど。

ローニャも無理して義姉様に話そうとはしていない様子。

こうして和やかに食事を終えて部屋に戻った私達。侍女に明日の予定を聞くと、

「明日は朝から神殿へ向かう日となっています」
「ありがとう。明日も頑張らないとね。さ、ローニャ。明日も早いし寝ちゃいましょう」
「うん。侍女さん有難う。おやすみなさい」




翌日、朝から寝ぼけ眼のまま侍女たちにドレスを着せてもらい食堂で朝食を食べる。

朝食は果実とロティを中心とした食べ物のようでとても食べやすかった。

「ナーニョ、ローニャ。今日は教会に行く日だったな。気を付けて行きなさい。面倒だったらすぐに帰って来てもいいからな」
「はい、お父様。王家の名に恥じぬよう頑張ります」
「ふふっ。いい娘を持ったわ。ナーニョ、無理しないのよ?」
「はい、お母様」

私達は食事を終えた後、部屋に戻ると騎士服が用意されていた。どうやら私は女騎士と同じ服のようだが、王家の紋章が胸元に入っていた。ローニャには幼い頃のケイルート兄様の訓練服らしい。

「侍女さん、これは昨日のうちに刺繍をしたのですか?」
「はい、そのように聞いております」
「短時間でこんなに素晴らしい刺繍を刺して頂いて感謝します」
「刺繍をした部署に伝えておきます」
「私もルート兄様の服を貰ったわ! しっかりしていて動きやすい。これなら転んでも破れなさそう! 後で兄様にお礼を言わないとね!」

そして肝心の尻尾はきっちりと穴が空いていた。細部まで気づかわれている事に感謝する二人。
その後、護衛と侍女を伴って神殿に到着する。
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