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本編
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振り向いた視線の先にはフローラ王女。私達が来ている事をどこかから聞きつけたようだ。
「ブラッドロー様、私との婚姻はいつかしら? お母様に相談していて私の学院卒業で婚姻するという話でしたわ」
「フローラ王女、残念だが俺は既に婚約者がいるし、君に興味は全くない。残念だが他を当たってくれ」
「だって、お父様だってホヴィネン公爵に打診すると言っていたもの」
王女がそう言うと、ツィリル陛下が口を開いた。
「残念だがホヴィネン公爵子息は既に婚約が決まった。フローラ、隣国の第二王子との婚約を打診しているところだ」
「嫌よ! 私はブラッドローがいいのっ! ブラッドローと婚約したのは誰なの?」
彼女はブラッドローの横にいた私にようやく気づいたようだ。
猪突猛進派なのかしら?
「貴女なの? ブラッドローの婚約者というのは」
「えぇ、そうね。それがどうかしたのかしら?」
「ブラッドローの婚約者は私と決まっているの! 貴女は諦めなさい」
「可愛い顔が台無しね。感情のままに動くなんて王族としても失格だわ。それに今、ブラッドから直接貴方に興味は無いと言われていたわよね? 頭を冷やしてよく考えた方がいいと思うわ」
王女にしっかりと諫める者が側にいなかったのかしら?
王女の感情は高ぶり魔力が漏れ出し始めた。
「あらあら、やはり未熟ね。ツィリル陛下、この娘の教育はどうなっているのかしら? 魔法を教えるのなら感情の抑制は必要よ? 王族としても顔に出してはいけないと思うわ。現在は違うのかしら?」
「いや、魔法を使う者は魔力暴走が起こるから感情の制御はしなければならない。フローラは甘やかしすぎたようだ。すまない」
ツィリル陛下がそう言って私に謝罪した。
「お父様! 私は彼女を見たことがないわ。平民なのでしょう? すぐに追い出してっ。ブラッドロー様の婚約者は私なんだからっ」
ツィリル陛下が謝った事でさらに彼女の感情が高ぶっている。
いつ魔力暴走を起こしてもおかしくない状況に陛下が動揺している。
彼が暴走した時の事を覚えているのかしら?
私は思い出して少し笑ってしまったわ。
「何がそんなに可笑しいのよ!! 不敬よ! 不敬だわっ!」
フローラ王女はそう言うと、私に向かって水の玉を飛ばしてきた。
ブラッドローが手を翳すと私の目の前で水の玉がジュッと音を立て消えていった。
反対に私は背後にいくつもの氷の粒を浮かび上がらせて見せる。
「あら、魔法も未熟なのね。感情のままに魔法を使い、反撃される覚悟もないのなら魔力は封印した方がいいのではないかしら?」
私はそう言いながら氷の粒を消し、代わりに蔦を出してフローラ王女を拘束する。
拘束された王女は勢いで地面に転がりながらも激高し暴れている。
激高とリンクするように魔力も暴走しかかっているので私は魔力を抜き取っていく。
小さな子供には優しく魔力を抜く方法もあるけれど、今回は身をもって体験すべきだと考えて強めに魔力奪取をする。
無理やり抜き取るのでかなりの痛みが生じていると思う。
王女はとても痛がり、泣き叫んでいるもの。
拘束していなければ怪我をしていたでしょうね。
ツィリル陛下はその様子を見て顔を青くしている。
「ラナ、もう一度フローラを教育し直す。魔力の封印は暫く待ってくれるか?」
「……仕方がないわね。一度だけよ? 次は無いわ」
私が立ち上がるとブラッドローも立ち上がり、腰に手を回して密着する格好となった。
そして王女に冷たい視線を送っている。
「フローラ王女。良かったな、ラナがいなければ命を落としていた。感情のまま魔力暴走を起こせばそのまま死ぬ事もある。
陛下や他の魔法使いは止める術を知らないだろう。
彼女はツィリル陛下の師であり、私の婚約者であり、この国の王女だ。
お前が教わった魔法は全て彼女が教えたもの。彼女を傷つけようとするなら俺は容赦しない。では行こうかラナ」
ブラッドローはそう言うと私の髪をひと束取り口付けをしている。
「ふふっ。歩きにくいわ」
「また狙われるかもしれないだろう?」
「ツィリル陛下、フローラ王女の暴走を止める程度に魔力を奪ったわ。このまま王女を部屋へ連れていき休ませなさい。また暴れて魔力暴走をするようなら封印しか無くなるわ」
「あぁ、分かっているよ、ラナ」
「では、ごきげんよう」
フローラ王女は蔦で拘束されたままキーキーと騒いでいたが、ブラッドローは彼女に敢えて見せつける様に密着したままサロンを出る。
「そういえば、昔ツィリル王子だった頃一度だけ魔力暴走を起こした事があったわ。乳母なら対処法を覚えているかもしれないわね」
私は歩きながらブラッドに話す。
すると彼はクククッと笑いを押さえているわ。
魔力奪取を使わずに暴走の止め方を知っているからね。
魔力暴走はよくある話。
感情の起伏を切っ掛けに起こる事が主な原因なのでまず気分を変えさせた後、暴走している魔力を取り除くために自分で暴走しかかった魔力を収めるか体外にゆっくりと放出させる。
意表を突く事が効果的なの。
あの時は殴りつけろと教えて魔法の奪取については教えていなかった。
今度ツィリル陛下に教えなければいけないわね。
王女のためにも。
彼女は未熟すぎるわ。
嫉妬で他を害する前に処置しておいた方が良いと思うのよねぇ。
止める者がいなければ尚更ね。
ちなみにブラッドも勿論魔力暴走を止める事が出来るわ。
私が動かなければ魔力奪取も平気でしていたと思う。
気のない相手には気があるフリをしない。
優しい彼。
馬車に乗り込むと私はブラッドと頬寄せ合う。
「ラナ?」
「ブラッドはどこまでも優しいなって思っただけ」
「君にだけだ」
「そういう事にしておきましょう」
「ブラッドロー様、私との婚姻はいつかしら? お母様に相談していて私の学院卒業で婚姻するという話でしたわ」
「フローラ王女、残念だが俺は既に婚約者がいるし、君に興味は全くない。残念だが他を当たってくれ」
「だって、お父様だってホヴィネン公爵に打診すると言っていたもの」
王女がそう言うと、ツィリル陛下が口を開いた。
「残念だがホヴィネン公爵子息は既に婚約が決まった。フローラ、隣国の第二王子との婚約を打診しているところだ」
「嫌よ! 私はブラッドローがいいのっ! ブラッドローと婚約したのは誰なの?」
彼女はブラッドローの横にいた私にようやく気づいたようだ。
猪突猛進派なのかしら?
「貴女なの? ブラッドローの婚約者というのは」
「えぇ、そうね。それがどうかしたのかしら?」
「ブラッドローの婚約者は私と決まっているの! 貴女は諦めなさい」
「可愛い顔が台無しね。感情のままに動くなんて王族としても失格だわ。それに今、ブラッドから直接貴方に興味は無いと言われていたわよね? 頭を冷やしてよく考えた方がいいと思うわ」
王女にしっかりと諫める者が側にいなかったのかしら?
王女の感情は高ぶり魔力が漏れ出し始めた。
「あらあら、やはり未熟ね。ツィリル陛下、この娘の教育はどうなっているのかしら? 魔法を教えるのなら感情の抑制は必要よ? 王族としても顔に出してはいけないと思うわ。現在は違うのかしら?」
「いや、魔法を使う者は魔力暴走が起こるから感情の制御はしなければならない。フローラは甘やかしすぎたようだ。すまない」
ツィリル陛下がそう言って私に謝罪した。
「お父様! 私は彼女を見たことがないわ。平民なのでしょう? すぐに追い出してっ。ブラッドロー様の婚約者は私なんだからっ」
ツィリル陛下が謝った事でさらに彼女の感情が高ぶっている。
いつ魔力暴走を起こしてもおかしくない状況に陛下が動揺している。
彼が暴走した時の事を覚えているのかしら?
私は思い出して少し笑ってしまったわ。
「何がそんなに可笑しいのよ!! 不敬よ! 不敬だわっ!」
フローラ王女はそう言うと、私に向かって水の玉を飛ばしてきた。
ブラッドローが手を翳すと私の目の前で水の玉がジュッと音を立て消えていった。
反対に私は背後にいくつもの氷の粒を浮かび上がらせて見せる。
「あら、魔法も未熟なのね。感情のままに魔法を使い、反撃される覚悟もないのなら魔力は封印した方がいいのではないかしら?」
私はそう言いながら氷の粒を消し、代わりに蔦を出してフローラ王女を拘束する。
拘束された王女は勢いで地面に転がりながらも激高し暴れている。
激高とリンクするように魔力も暴走しかかっているので私は魔力を抜き取っていく。
小さな子供には優しく魔力を抜く方法もあるけれど、今回は身をもって体験すべきだと考えて強めに魔力奪取をする。
無理やり抜き取るのでかなりの痛みが生じていると思う。
王女はとても痛がり、泣き叫んでいるもの。
拘束していなければ怪我をしていたでしょうね。
ツィリル陛下はその様子を見て顔を青くしている。
「ラナ、もう一度フローラを教育し直す。魔力の封印は暫く待ってくれるか?」
「……仕方がないわね。一度だけよ? 次は無いわ」
私が立ち上がるとブラッドローも立ち上がり、腰に手を回して密着する格好となった。
そして王女に冷たい視線を送っている。
「フローラ王女。良かったな、ラナがいなければ命を落としていた。感情のまま魔力暴走を起こせばそのまま死ぬ事もある。
陛下や他の魔法使いは止める術を知らないだろう。
彼女はツィリル陛下の師であり、私の婚約者であり、この国の王女だ。
お前が教わった魔法は全て彼女が教えたもの。彼女を傷つけようとするなら俺は容赦しない。では行こうかラナ」
ブラッドローはそう言うと私の髪をひと束取り口付けをしている。
「ふふっ。歩きにくいわ」
「また狙われるかもしれないだろう?」
「ツィリル陛下、フローラ王女の暴走を止める程度に魔力を奪ったわ。このまま王女を部屋へ連れていき休ませなさい。また暴れて魔力暴走をするようなら封印しか無くなるわ」
「あぁ、分かっているよ、ラナ」
「では、ごきげんよう」
フローラ王女は蔦で拘束されたままキーキーと騒いでいたが、ブラッドローは彼女に敢えて見せつける様に密着したままサロンを出る。
「そういえば、昔ツィリル王子だった頃一度だけ魔力暴走を起こした事があったわ。乳母なら対処法を覚えているかもしれないわね」
私は歩きながらブラッドに話す。
すると彼はクククッと笑いを押さえているわ。
魔力奪取を使わずに暴走の止め方を知っているからね。
魔力暴走はよくある話。
感情の起伏を切っ掛けに起こる事が主な原因なのでまず気分を変えさせた後、暴走している魔力を取り除くために自分で暴走しかかった魔力を収めるか体外にゆっくりと放出させる。
意表を突く事が効果的なの。
あの時は殴りつけろと教えて魔法の奪取については教えていなかった。
今度ツィリル陛下に教えなければいけないわね。
王女のためにも。
彼女は未熟すぎるわ。
嫉妬で他を害する前に処置しておいた方が良いと思うのよねぇ。
止める者がいなければ尚更ね。
ちなみにブラッドも勿論魔力暴走を止める事が出来るわ。
私が動かなければ魔力奪取も平気でしていたと思う。
気のない相手には気があるフリをしない。
優しい彼。
馬車に乗り込むと私はブラッドと頬寄せ合う。
「ラナ?」
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