【完結】美しすぎてごめんなさい☆

まるねこ

文字の大きさ
21 / 27

舞踏会の日がやってきました

しおりを挟む
そうして迎えた舞踏会の日。

三日前に兄と一緒に家に帰宅。前日になるとみんな自分の家に帰る人達で学院の前は馬車が一杯で動けなくなるからだ。

警備上の観点から私達は先に帰宅になったのよね。

もちろん学園は長期休みに入っている。休みに入る前にはクラスメイトの方々やすれ違う人達に『舞踏会でお会いできれば嬉しいです』『ブランシュ様の尊いお姿を見に舞踏会に出席します』なんて声が聞こえてきたわ。

平然とした態度で『嬉しいわ』って答えたけれど、絶対声は震えていたに違いない。

今からガクブル。
行きたいのよ?
煌びやかな場所で、綺麗なドレスを着て父や兄とダンスしたい。
でも他の人の視線も気になる。

影でクスッて笑われたり、目が合ったらププッて笑われてしまうんじゃないかって思うのはきっと前世の事を引きずっていると思う。

……おんも出たくない。
でもこればかりはやるしかない。

折角の美貌に生まれ変わったのだからこれを武器にしていくしかない、のよね……。

「ブランシュお嬢様、やはり美しい。やはりお嬢様はこの世界で一番の美しさ。あぁ、大枚はたいて絵師に頼んで絵を描いてもらいたいです」
「マリル、有難う。外に出たくないけれど、今日ばかりは頑張ってくるわ。はぁ、気が重い」

こうして部屋を出て玄関ホールに向かうと既に両親と兄が私の事を待っていた。

「お待たせしました」
「あぁ、ブランシュ! なんて素敵なの! 私の娘はやっぱり天使だったのね!」

父や兄よりも先に母がギュッと抱きしめてきた。

「母上、それは僕の役目ですよ」
「あら、たまにはいいじゃない」
「ブランシュ、とても綺麗だ。父は心配だ。今日はヴェルナーから側を離れないように」
「はい、お父様」

 私は兄のエスコートで馬車に乗り込み、会場へと向かった。

あードキドキする。初めての舞踏会! 煌びやかな衣装。何もかもがキラキラに決まっているわ! でも、そんな中、絶世の美女がその場に立つのよ?

皆の視線が突き刺さるに決まっているわ。私としてはそっと壁際で貴族のキャッキャッウフフな世界を眺めるだけでいいのに。


 馬車を降りて会場に向かう私達家族。行き交う人々が私達を二度見、三度見している。私は兄のエスコートと護衛達にしっかりと守られながら会場に入っていく。

流石に会場内に護衛はついていくことは出来ないので私達四人で歩いていくしかない。

「お父様、確かはじめに王様に挨拶するんですよね?」
「あぁ、そうだよ。貴族達の挨拶が終わったら陛下が舞踏会の開始の合図をして始まるんだ。ほらっ、公爵家から挨拶が始まっているだろう? 私達もそろそろ行こう」

そして私達は列に並び挨拶の順番を待っている。

「ブランシュ、三人前を見てごらん? でかい男が立っているだろう? あれがコーウィンさんだよ」

兄がクククッと笑いを堪えながらそっと耳打ちしてきた。

 私のイメージでは王子様然としたコーウィン様だったけれど、数年ぶりに見たコーウィン様は身長がかなり伸びて体格も素晴らしい。そんな彼は一人でこの舞踏会に参加しているようだ。

私達は素知らぬ振りをして周りを見渡すと、何人かのクラスメイトやクラブの先輩達がいるようだ。

そして並んでいる数人後ろにはロラ姉様とモニカ姉様が並んでいて私に手を振ってくれている。

「お兄様、姉様達も後ろに並んでいるわ」
「あぁ、そうだね。会場は人が多いから絶対に僕かモニカ達から離れてはいけないよ?」
「はぁい。耳がタコになるほど聞きました。分かっていますわ」

雑談しているとすぐに陛下に挨拶をする番になった。

「この度は舞踏会にお呼びいただき有難う御座います。今年は娘も学院に入学し、舞踏会の場に参加することができました」
「おぉ、マルリアーニ侯爵の娘は大層な美姫だと噂を聞いておったがこれほどまでとは。美しいな。ブランシュと言ったか、ウェインの婚約者にならぬか?」

陛下は面白そうに私に問いかけてきた。

「お褒め頂き有難う御座います」私はあえて何も言わずに会釈だけした。他の貴族もいるこの場で私が何かいうと問題になりそうだと思ったからだ。

「娘は身体が弱いゆえ、今だ婚約者はおりません。どうかご容赦を」

陛下は私の過去を知っていて言っているに違いない。父がそう言った事で周りがざわざわし始めている。

中々に腹黒いわ。

これでも淑女教育は受けているので表情には出すことはないけれど、内心あっかんべー!!よ。

「そうかそうか。仕方がない。折角来たのだ。楽しんでおくれ」

私達は礼をして陛下への挨拶を終えた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

聞き分けよくしていたら婚約者が妹にばかり構うので、困らせてみることにした

今川幸乃
恋愛
カレン・ブライスとクライン・ガスターはどちらも公爵家の生まれで政略結婚のために婚約したが、お互い愛し合っていた……はずだった。 二人は貴族が通う学園の同級生で、クラスメイトたちにもその仲の良さは知られていた。 しかし、昨年クラインの妹、レイラが貴族が学園に入学してから状況が変わった。 元々人のいいところがあるクラインは、甘えがちな妹にばかり構う。 そのたびにカレンは聞き分けよく我慢せざるをえなかった。 が、ある日クラインがレイラのためにデートをすっぽかしてからカレンは決心する。 このまま聞き分けのいい婚約者をしていたところで状況は悪くなるだけだ、と。 ※ざまぁというよりは改心系です。 ※4/5【レイラ視点】【リーアム視点】の間に、入れ忘れていた【女友達視点】の話を追加しました。申し訳ありません。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない

朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

処理中です...