星降る夜を貴方に

ごま

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ありがち、そしてどうか。

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私は、異世界・転生ものが大好き。ありとあらゆるジャンルを読んでいる。異世界チート、悪役令嬢、時間巻き戻り、etc...
読んでいるうちに、わかったことがある。

主人公の「目立ちたくない」はフリ。すなわち、輝かしい未来への素敵な旗印、フラグだ。

例えば、ろくに異世界の基準も調べずに己の能力を披露したり、王子様と顔合わせのお茶会で露骨に1人になり、興味がないという態度を隠さない…

他人と違う所を理解し、その世界の基準を知る。単独で行動すれば目立ちやすくなる。何故か、それが出来ない傾向にある。物語の中心人物に近い位置に転生したりしない場合もまた然り。

モブに転生した。せっかく転生したのなら、推しをみたい、見守りたい、不幸な運命を変えてあげたい…。どれも自然で、素晴らしい考えだ。だけど、静かに見守ろうなんて無理だ。だからどうか、好きな相手に求められたのなら素直に答えて欲しい。本当ならヒロインと~とか、どうせヒロインを好きになる~とか、婚約破棄されるはずだから~とか、変に遠慮して、怖がって相手を傷つけるとかそんな酷いことは無い。


モブだからとか、悪役令嬢だからとか、ヒロインがいるからとか関係ない。相手を想って行動できるあなたは既に主人公の器だ。両思いになれたこの素晴らしい奇跡を、物語の枠に当て嵌めて諦めるのは実に愚かで、尊い感情。
…末永く爆発しろ!!!!

私には、そんな行動力はないし·····。
真にモブっていうのはさ、相手の視界に入りながらも認識されないことだと思う。つまり、近づきすぎるのも近づきすぎないのも逆効果。
まぁ、転生したら~なんて夢見て、叶いもしない異世界への憧れを捨て切れない哀れな私には機会すら与えられないけれど。

…遠慮すんな主人公!!!絶対両思いだから~「あっ危ないっ」
え?
私の視界は眩しい光で覆い尽くされ、遠のく意識の中、甲高い悲鳴が耳に残った。

あぁありがち。
そして、なんて無様な最期。
今まで、神様とかあんまり意識してなかったけど…
神様神様、どうか私をお救い下さい…
なんちゃって…ね……
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