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星祭りと知り合いの話
しおりを挟む今日は、星祭りの日!幸いなことに雨も降らず雲も少ない。綺麗な流星群が見られそうだ。
4人で集合してから屋台を巡る。
今日は特別に王城も一般開放されている部分があり、庭園もそのひとつ。待ち合わせ場所である庭園の噴水前で1人、3人を待つ。
徐々に暗くなり始めた。空は夕日のオレンジと濃紺が入り交じり美しい色をしている。
……なんだかこの色合いを見ると、とても美しいと感じるのに同じくらい寂寥感を覚える。昼から、夜へ。遊びの終わりを告げるかのように近づく暗闇。少し悲しく思うけど、不快じゃない。
ドカッと乱雑な仕草で隣に男性が腰掛けた。男性は、膝に肘をつき顔に手を当てて俯いている。
「はぁぁ……」
めちゃくちゃ深い溜息ついてるな……何かあったのかもしれない。まぁ話しかけないけど。
……なんか隣からすごい視線を感じる。恐る恐る隣に目をやると男性と目が合った。
男性の顔は整っていて琥珀色の瞳は凛々しく光っている。
しばらく2人で目を合わせたまま、何も言えないでいると男性から声をかけてきた。
「あの…初対面の貴女に少し相談したいことがあるのだが……」
いきなり本題。
「私でよければどうぞ。」
「ありがとう。さっそくだが、友達の婚約者に懸想したことはあるか。」
突拍子もない質問。そんなのある訳ない。
「いいえ。有り得ません。」
「可能性として全くないと……?」
「会った時から、相手に婚約者がいたのなら有り得ませんが、共に仲良くしていたのならそう思われる方もいらっしゃるかと。」
「…これは知り合いの話なのだが……聞いてもらっても?」
「ええ。」
「自分の好いている人が、友達の婚約者に好意を寄せているかもしれないと悩んで想いを伝えられずにいるのだ。その…友達として仲良くやってきたこともあって関係を壊すことも恐れている。……貴女なら、伝えるべきだと後押しをするか?それともそのまま諦めさせるか?」
「その…友達の婚約者を好き、というのは確かなのですか?」
「他の人と見ている目が違うような気がするんだ。」
「これは、私の意見なのでその方と同じという訳ではないのですが…」
「構わない。聞かせて欲しい。」
「その好きな方がまともであれば、普通友達の婚約者を好きになるというのはまずまずありえないことかと。元々友達同士でそこから2人の関係性が変化していったのなら好意を抱いていた場合、多少思うところはあると思います。でも、それをあなたが考慮する必要はありません。なぜなら、あなたも同じ思いをしているからです。
あと、その好きな方が友達の婚約者を好き、というのが勘違いだった場合は近くにいたくせにわかってくれないなんて、と怒られてしまいますよ。」
「ううむ……確かに……」
「こんな想いを伝えるいいチャンスにあなたは何をやってるんですか。…言わなければ、伝わりませんよ。」
「そうだな。貴女の言う通りだ。……参考になった、ありがとう。」
「少しでもあなたのお役に立てたのなら光栄です。成功をお祈りしています。」
「ああ。」
男性は、広場の方へ行ってしまった。
なんか、今の話私に当てはまりそうで怖いなぁ。
ルブラン殿下に懸想するとか命知らずすぎて…私はそう思うけど、思わない人もいるってことかぁ…
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