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解決と聖女さま
しおりを挟む無事に合格者減少の原因がわかって、解決に至った記念に、少しお手伝いさせて頂いた対価として事件のあらましを聞かせてもらった。
試験問題のすり替え、入学金を法外な利息で貸し出し、それらに気づいた人へカンニングをしたという冤罪をかけて弱みを握ったり、教師を買収して成績を落とさせたり……
こんなに色々やっていたのね……薄々分かってはいたけれど、これ私が得た情報本当に必要だったのかなぁ?こんなに大胆にやる人がそんな簡単に白状するもの……?
犯人は、ルブラン殿下のクラスメイトだった。絶対、殿下自分で証拠掴んでいたくせにわざわざ私に探りに行かせたでしょう……
結局、今回の王都で行われた全3箇所の会場のうち、5人の教師が不正に関与しているそう。まだ確定は出来ないけれど合計で200人以上の犠牲者が出ている。
それで、今回の私の採点結果なんだけども……パトリックさんが私に色々喋ってしまった為に、私が目をつけられた。口封じのために、私の回答を改ざんして入学出来ないようにしようとしたらしい。
やっぱ、タダでは帰れないと思った……このことをルブラン殿下から聞いた時にやっぱり…とショックを受けた。頑張ったのにな……
でも、殿下の迅速な対応により受験者の解答が守られたので無事に採点結果が出たみたい。
なんと、なんと、990点中857点という好成績!!これに関して、ルブラン殿下からお褒めの言葉を頂けました~。やったー!
やはり、淑女は最強です。どうぞよろしく。
犯行の理由はルブラン殿下のことが気に入らなかったから、と供述してるらしい。
入学に関して弱みを握った人達を使って、殿下の学園での支持を無くしたり、生徒会選挙で違う人に集中して投票させたり、殿下の管轄である試験で大きな問題を起こして評判を落としたり……
したかったみたいだけど、殿下の人気が凄すぎて支持が落ちないばかりか落とそうとしたこちらが睨まれたり、先生に目をつけられた、選挙も同様。
今回の試験の問題に関しては、主犯格の生徒の家格が高かったこともあり、解決に時間を要したけど被害にあった人々へのフォローが迅速且つ手厚いものだったので評判を落とすまではいかなかったみたい。
こんなに大掛かりなルブラン殿下を嵌める作戦だったのにすべて水の泡なんて、ちょっと、本当に少し不憫に思ってしまう……どんまい。これに懲りて、もう悪いことしないでね。
ていうか、この作戦バレたら家まで存続の危機なのにここまでするほど殿下が憎かったの……?気に入らなかったでやるほど、軽くはない。
裏に誰か居たりして…なんてね。
「そうだアリア。ちょっと頼みたいことがあるんだけど、受けてくれるよね?」
最初から、拒否の言葉を言わせる気なんてありませんよね?
「もっもちろんです……全ては殿下の御心のままに。」
「えらいえらい。賢い子は好きだよ。それでね、本題なんだけど。アリアはさ、試験に合格したよね。そして、来年には入学する。」
「はい……」
今更なんの確認だろう?殿下だって褒めてくれていたのに。
「そこでね、面倒を見て欲しい子が居るんだよね。」
「……?そのお方というのは……」
「聖女の資格があるとされる孤児……いや元孤児だね、今は公爵家の養子に入っている。名前は、イザベル・スティアラー。」
「えっと……あの聖女さまの面倒を私めが……?」
「うん。」
え?いや、え?いみわかんないです???
「なぜ、そのようなお役目が私に……?」
「うーん、ちょうどいいから、かな?」
「???どのようなところが……」
「アリアが聖女候補の近くにいてくれると、情報が入ってきやすいし、もしもの時はこちらで補助もしてあげられる。聖女候補の彼女も、面倒見てくれる人がいた方が、馴染みやすくなるだろう。」
「そうで…す……ね…?」
「まぁ、拒否権は無いから。」
ですよね~知ってました☆ありがとうございます
「楽しみにしているよ、アリア達が入学して来ることをね。」
そう言って、ルブラン殿下は美しく微笑んだ。
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