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転生編

みちるの家

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「もう、ついて来ないでよ~」学校では一言もしゃべらなかったみちるは、学校出てからあとをつける私を振り返り叫んだ
「ゴメン謝りたくて」
「もう、いいから~!」
「そんな」
「もう、家に着いちゃうから、来ないで」みちるが目に涙をためていた。
「みちる」私が覗き込むと
「あれがわたしの家、あの団地で生まれ育ったの」そびえ建つ団地の手前の公園に私達は立っていた。
「わかったでしょ、あなたとわたしは住む世界が違うの、病院の御曹子で、夏休み前に私立の医科大に推薦決まるような王子様と違って、わたしは国立大に受からなければ大学に行かせてもらえないような平民の娘なの」そこまで一気に言うと、みちるは少し落ち着いた
「高校に入ってからあなたにずっと憧れてた。何度か声をかけてもらったけど、ドキドキで会話を続けられなかった。わたしはひたすら勉強に打ち込むしかないと心に決めていた。でも昨日声をかけてもらってすごく嬉しかった、ノンちゃんって誰も呼んでないあだ名で呼べて嬉し過ぎた。でも、あなたとわたしは住む世界が違うの!」振り向き団地に向かって歩き出そうとするみちるをわたしは背中から抱き締めた
「君のメガネの奥の住んだ瞳が好きだ」
「ノンちゃん」みちるは立ち止まって抱き締めている腕に震える手が触れた
「僕はみちるが思っているような王子様じゃない。ただの肉食系男子だよ」
「肉食系って?」
「君にも将来僕の子供を生んでもらいたい、みちるが私立大学に進みたいなら僕が行かせてあげる」
「ノンちゃん、それってプロポーズ?」みちるが振り返った
「いや、結婚はしない。ふたりの約束事だ」
「ごめんね、理解出来ていないかも」
「今日はここまでにするよ」私はみちるを抱きしめ、そして優しくキスをした。
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