セイラムの腕輪

るらい★

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第1章

キャラバンズ探検隊

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 ここはアラスカ王国の王宮都市エクレア。メインストリートはお洒落な喫茶店や雑貨屋、映画館などが立ち並び人通りが激しくとても賑やかな街だ。
 街の中央には大きな広場があり、真ん中にある噴水の周りを子供たちが楽しそうに駆け回っている。

 その噴水の近くのベンチに一人の少女が座っていた。目の前にある建物をうっとりと眺めている。

 彼女の名前はアリス。13歳。茶色の髪を水色のリボンで上に二つにしばり、フリルエプロンの水色のワンピースを着た、夢物語に憧れるちょっとロマンチストな女の子。
 
 今彼女が眺めているのはこの国のお城、パレス城である。

 まるで物語に出てきそうな白く美しい外観…多くの観光客が毎年この美しい城をひと目見ようとこの街を訪れる。実際パレス城はこの街のシンボルであり、街が活気になる源でもあった。

 しばらくして二人の少年がアリスの元にやってきた。
 一人はくせっ毛の黒髪に黒いタンクトップのいかにも活発そうな男の子。もう一人はサラサラベージュの髪に顔にはそばかす、服装は帽子に赤いネクタイ、サスペンダーのついたチェック柄のズボンと、ちょっと金持ちの坊ちゃん風の男の子だ。

 黒髪の少年の名前はエディ。13歳。そばかすの方はルライ。あと半年で13歳になる。

「ほんとにアリスはここが好きだね。城を見るのがそんなに面白い?」
 
 半分呆れたようにエディが聞くと

「面白いわよ。お城を見ながらね、色んな想像するの!ここで王子様やお姫様がどんな優雅な暮らしをしているとかね!お姫様はいつも綺麗なドレスを着ていて宝石をいっぱい身につけて…」

 一息ついて再びアリスが喋り出す。

「それでお風呂はすごく広いの!湯船にバラの花びらとか浮かべて優雅に入浴タイム。真ん中には白い女神様の像が立っていて、手に持っている瓶からお湯がバンバン出てくるのよ…。あ~憧れちゃうわ」

 うっとりした顔でアリスが言う。

「ふ~ん…」
 
 城を眺めながら興味なさそうに返事をするエディ。

「うわっ、またアリスの妄想が始まった!ついていけないよ~~」

 とルライ。

「何よ~!別にいいじゃない!そーいえば二人とも、この城に住んでいるイースター王子って見たことある?」

 アリスが聞くと二人とも首を振った。

「オレ、王様は見たことあるよ。王妃様も。でもイースター王子は見たことないなあ…」

 エディが言うとルライも

「僕は妹君のミレア王女なら見たことあるよ。かわいかった。でもイースター王子は見たことない。ていうか彼、あんまり表に出てこないよね」

「そーなのよね。あたしも見たことない。彼、一体どんな人なのかしら?でもきっと金髪で背がすらっとしててハンサムな男の子よ!それでね、大きな広いお庭で馬術の練習とかするの!もちろん馬は白馬ね!」

 アリスが自信満々に答える。

「ふん、王子様っつったって全部がハンサムって訳じゃないよ。中にはすっげーブサイクな奴もいるよ。ちなみにイースター王子は後者の方だね!馬は
…ほら、競馬に出てくるやつ!黒のサラブレッド!」

 ルライが意地悪く言うとアリスがぷう~っとほっぺたを膨らませた。

「ひっどーい!ルライのバカ!あたしの夢壊さないでよ!第一、ルライはイースター王子、見たことないでしょ?!」
「あはは、勘だよ、勘♪」
「なによそれ、当てにならないじゃない!エディはどっちだと思う?ハンサムかブサイクか」

「う~ん…オレは別にイースター王子なんて興味ないや。それよりさ、今日学校でロレンが言ってたんだけど、3番通りのボロ屋敷、本当に幽霊が出るんだってよ。昨日の夜そこ通ったら中で白い光がゆらゆら揺れてたんだって!」

 するとルライが首を傾げた。

「あそこってダージリン一家が夜逃げして以来誰も住んでないはずだよね?」
「ああ。だからさ、これからちょっと行ってみようぜ♪本当に幽霊が出るかどうか」
「あたしは嫌よ!本当に出たらどーすんの⁈」
 
 アリスが反対する。
 
「アリス~、オレたちは怖いもの知らずのキャラバンズ探検隊なんだぜ⁈んな気が弱くってどーすんだよ、なあルライ?」

 するとルライがビシッとエディに敬礼した。
 
「ハイ!隊長に賛成であります!」
「ルライ隊員も賛成してくれた。さてアリス、君はどーする?隊長の命令を聞くか否か⁈ただし否となればもはや君はキャラバンズ失格だ!即刻脱退を命ずる。さあ選択の余地はないぞ、アリス隊員?」
「…わかったわよぉ~、あたしも行くわよ、行けばいいんでしょ~…」

 エディがあまりにしつこいので少々うんざり気味のアリス。しぶしぶ彼に賛成した。

「そうこなくっちゃ♪」
 エディ隊長がにかっと笑う。

「よーし!キャラバンズ探検隊、3番通りのボロ屋敷へレッツゴー!!」
「おー!!」
「はあ~…」

 元気に叫ぶルライの隣でため息をつかずにはいられないアリスであった。


 
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