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プロローグ
二人の魔物
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「おい、居るんだろう?見てくれ、完成したぞ!さあ約束だ、俺を元の世界に帰してくれ!!」
セイラムは暗闇に向かって叫んだ。
しばらくして闇の向こうからみすぼらしいローブを羽織った赤い皮膚の小鬼のような魔物がパタパタとやってきた。
「へえ旦那、もうできたんですかい?ヒッヒッヒ…」
「アボ、どけ、邪魔だ!」
「へえ、すいません。キラの旦那」
アボと呼ばれた魔物は軽くおじぎをし、すっと闇の中に消えていった。
暗闇の中から二人の魔物がふっと姿を現した。
「へえ~、思ったより案外早かったね~。あと1ケ月くらいかかると思ったんだけどな」
角の生えた黒髪の魔物がゆっくりとセイラムに近づいていく。
「それで、どこにあるんだよ?」
魔物が尋ねると
「…ここにある」
セイラムはコートのポケットから怪しく銀色に光る腕輪を取り出した。
「ふう~ん、これが人間の悪の心を引き出してくれる腕輪かあ~。どっからどう見ても普通の腕輪なんだけどなあ~」
興味ありげに腕輪を覗き込む黒髪の魔物。
その横で赤い髪の美女の魔物が険しい表情のセイラムの顔を指でくいっとあげる。
「よくやったわね、セイラム。さすがは宮廷魔法使いだわ」
美女はセイラムの手から腕輪をつまみあげた。
「さあ、もう俺に用はないだろう⁈たった一人の息子が待っているんだ!早く俺を元の世界に帰してくれ!!」
「そうね…」
美女はセイラムに向かってにっこり微笑むと…
「あなたにはもう用はなくってよ!!」
ドスッ!!
「ぐ…あっ…」
一瞬の出来事だった。
彼女の長い髪がまるで鋭い刃物のようにセイラムの胸を一突きにしたのだった。
「勘違いしないでちょうだい。元の世界に帰すなんて一言も言ってないでしょう?!」
美女は冷ややかにそう言うと、セイラムの胸から髪を引き抜いた。
ピシャッ…
セイラムの真っ赤な血が美女の白い顔に降りかかる。美女は不気味な笑みを浮かべ、それをぺろっと舐めた。
「…本当にあなたはよく働いてくれたわ」
床に倒れたセイラムにそう吐き捨て、美女がその場を立ち去ろうとしたとき
ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!
美女の背後から3本の稲妻が飛んできた。
「!!」
不意を突かれ、美女は慌てて回避する。しかし最初の2本はなんとか避けたものの、最後の1本は避けきれず見事美女のわき腹に命中した。
「くっ…」
わき腹を押さえその場に倒れる美女。彼女の手から腕輪が転がり落ちた。
「やれやれ…」
キラがそれをさっと拾い上げ、ズボンのポケットにしまう。
「ううっ…貴様、何をする!!」
床にうつ伏せになったまま美女が叫んだ。立ちあがろうとするが体が思うように動かない。
「ふんっ無駄だね。オレ様の稲妻はかすっただけでも2、3時間は痺れて動けなくなる。もろに受けちゃあ…たぶん3日くらいはそのまんまだな」
そして彼は付け加えた。
「…シュール、あんたさっき腕輪を自分の物にしようとしてたろ?そうはいかねーんだよ。悪いけどこの腕輪、オレ様が頂いてくぜ!」
まだ必死に立ちあがろうとしているシュールにそう言い残すと、キラはそのまま暗闇の中へと消えていった。
セイラムは暗闇に向かって叫んだ。
しばらくして闇の向こうからみすぼらしいローブを羽織った赤い皮膚の小鬼のような魔物がパタパタとやってきた。
「へえ旦那、もうできたんですかい?ヒッヒッヒ…」
「アボ、どけ、邪魔だ!」
「へえ、すいません。キラの旦那」
アボと呼ばれた魔物は軽くおじぎをし、すっと闇の中に消えていった。
暗闇の中から二人の魔物がふっと姿を現した。
「へえ~、思ったより案外早かったね~。あと1ケ月くらいかかると思ったんだけどな」
角の生えた黒髪の魔物がゆっくりとセイラムに近づいていく。
「それで、どこにあるんだよ?」
魔物が尋ねると
「…ここにある」
セイラムはコートのポケットから怪しく銀色に光る腕輪を取り出した。
「ふう~ん、これが人間の悪の心を引き出してくれる腕輪かあ~。どっからどう見ても普通の腕輪なんだけどなあ~」
興味ありげに腕輪を覗き込む黒髪の魔物。
その横で赤い髪の美女の魔物が険しい表情のセイラムの顔を指でくいっとあげる。
「よくやったわね、セイラム。さすがは宮廷魔法使いだわ」
美女はセイラムの手から腕輪をつまみあげた。
「さあ、もう俺に用はないだろう⁈たった一人の息子が待っているんだ!早く俺を元の世界に帰してくれ!!」
「そうね…」
美女はセイラムに向かってにっこり微笑むと…
「あなたにはもう用はなくってよ!!」
ドスッ!!
「ぐ…あっ…」
一瞬の出来事だった。
彼女の長い髪がまるで鋭い刃物のようにセイラムの胸を一突きにしたのだった。
「勘違いしないでちょうだい。元の世界に帰すなんて一言も言ってないでしょう?!」
美女は冷ややかにそう言うと、セイラムの胸から髪を引き抜いた。
ピシャッ…
セイラムの真っ赤な血が美女の白い顔に降りかかる。美女は不気味な笑みを浮かべ、それをぺろっと舐めた。
「…本当にあなたはよく働いてくれたわ」
床に倒れたセイラムにそう吐き捨て、美女がその場を立ち去ろうとしたとき
ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!
美女の背後から3本の稲妻が飛んできた。
「!!」
不意を突かれ、美女は慌てて回避する。しかし最初の2本はなんとか避けたものの、最後の1本は避けきれず見事美女のわき腹に命中した。
「くっ…」
わき腹を押さえその場に倒れる美女。彼女の手から腕輪が転がり落ちた。
「やれやれ…」
キラがそれをさっと拾い上げ、ズボンのポケットにしまう。
「ううっ…貴様、何をする!!」
床にうつ伏せになったまま美女が叫んだ。立ちあがろうとするが体が思うように動かない。
「ふんっ無駄だね。オレ様の稲妻はかすっただけでも2、3時間は痺れて動けなくなる。もろに受けちゃあ…たぶん3日くらいはそのまんまだな」
そして彼は付け加えた。
「…シュール、あんたさっき腕輪を自分の物にしようとしてたろ?そうはいかねーんだよ。悪いけどこの腕輪、オレ様が頂いてくぜ!」
まだ必死に立ちあがろうとしているシュールにそう言い残すと、キラはそのまま暗闇の中へと消えていった。
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