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later scene.1(黒木side)②
しおりを挟むゲームを終了させると、佐野さんは少し怒ったように俺を睨みつけた。
「なに急にサカってんだよ」
「急じゃないです。佐野さんがそんな話するからです」
「煽ってた? 俺」
「……めちゃくちゃ煽ってました」
ぷーっと頬を膨らませると、佐野さんがさも可笑しそうに腕をバンバン叩いてくるので、痛いです、とひっこめた。
「悪い悪い。んじゃ、やるか」
と、すいっと立ち上がって寝室へ向かうので、一瞬、拍子抜けする。
え、やるって、ヤるの? いいの? 真昼間なんだけど。
見えない糸に引っ張られるように、よどみなく歩く佐野さんの後をついていく。
座れ、と顎で示されて、ベッドに腰かける。その俺の脚の間に片膝をついて、腕を首に絡めてきた。
「……言っとくけどさあ」
見上げた佐野さんの頬が紅潮している。
「俺、ちゃんとお前のこと好きだから。――お前は?」
「す、好きです」
「じゃあ、触ってこいよ。……不安になるだろうがよ」
すっごい威圧的に、とろけるような告白をしてくる。
「……馨介」
佐野さんが首を傾けて、唇を重ねてきた。
「ん……」
佐野さんから。――初めて。告白とは正反対に、おずおずと舌を差し入れて、俺の上顎を舐める。そのもどかしさが愛しくて、もっと味わいたかったけど我慢できずに舌を絡める。
「ふ、んんっ……」
合間に漏れる吐息すら可愛い。やがてぷは、と唇を離して、細く整った眉を吊り上げた。
「お前、キスもしてくんなかっただろ……だから、俺が相手じゃつまんなかったのかな、と思ってた」
そんなことあるわけないのに。
「すみません。うっかりキスなんかしたら絶対それだけじゃ終わらないと思って我慢してました」
「……バカ」
怒ったように、でも照れたようにそう言うと、俺の髪をくしゃくしゃと混ぜた。
「遼太郎さん……好きです」
「……ん。俺も好き」
また降りてきた唇を舌でなぞって、今度は自分から歯列を割って頬の内側を舐め上げる。ん、とくぐもった声ごと、俺の中へ。舌を絡め合って、唾液が溢れる。それを啜って、また何度も濃厚なキスを交わす。
佐野さんのジーンズの前をくつろげると、ぴくん、と腰が震えた。構わずにすでに硬くなりはじめた中心にそっと触れ、安心する。勢いよく下着ごと引き下ろすと、それがぶるんと顔を出した。
「あ」
一瞬、恥ずかしいのか腰を捩ったが、その仕草にかえって煽られるって……言わない方がいいだろうなあ。
佐野さんの勃ちあがったモノに指を這わす。包み込んで、上下にゆるゆると動かすと、さらに硬さを増した。
「あ、あ……馨介……」
俺の肩に顔を埋めて、かすれた声で喘がれるともうたまらなくなる。早く繋がりたい衝動を抑えて、俺は先走りに濡れた先端から蜜をすくった。
「あっ……」
蜜をまとわせた指を、双球を掠めて前から蕾に差し入れる。
「んっ」
小さく声を上げ、びくりと腰が震えた。
こないだは、俺も夢中でできなかったけど。佐野さんの中をゆっくりとまさぐり、ある場所を探る。
コリ、と指が当たった。
「あっ? やっ……あんっ」
「遼太郎さん……ここ、いい?」
「え、あ、ちょっと待って……あ、何、これっ」
びくびくと痙攣したように身体を震わせる。膝ががくがくして、硬くなってきた俺のモノに当たって、さらに煽られた。指を二本に増やす。
「や、馨介、やあ……」
「遼太郎さんっ」
ああ、もう無理。乱暴に着ていたニットを脱がせると、肩を抱き寄せて、シーツに沈める。半端に足首に絡まっていたジーンズと下着も足から引き抜いたら、佐野さんの白い素肌が視界に広がった。
「肌……綺麗ですね……」
滑らかな触り心地の肌を堪能しながら、腹部に指を添わせる。
「んん……っ、そんなの、言われたことねえよ……」
そりゃ女の人は言わないだろうなあ。そう思うと、佐野さんにとって自分が初めての男だということに安心する。さわさわとじっくり吸い付くような感触を楽しんでいたら、佐野さんがじろっと俺を睨みつけてきた。
「お前も脱げ。俺ばっかりズルい」
「あ」
すみません、とセーターを脱ぐと、「相変わらず割れてやがる」と起き上がって腹筋を撫でられた。くすぐったい。
「もう学生時代から習慣で。……一緒にやります? 筋トレ」
「……考えとく」
佐野さんは今くらいのすっきりしたカンジでちょうどいいのになあ。逆にあんまり割れてほしくないというか。
考えながらサイドボードからローションを取り出すと、佐野さんがじーっとその様を見つめてくるので少したじろいだ。
「……こないだの冷たいやつ、それか」
「冷たかったですね……すみません」
手のひらで包んで、なるべく温めるようにする。
「別に……いいけど……」
ふいっと背けた横顔が真っ赤になっている。耳まで赤い。
「さっきの、とこ。あれ、何」
しばらく考えて、ああ、と思い至る。
「前立腺のことですか?」
「何か……あれって、おわっ」
最後まで言わせず、また押し倒して後孔に濡れた指を差し入れる。さきほど少し解したおかげで、指はすんなりと侵入を許された。また佐野さんが感じるところを探り、関節をくいっと曲げた。
「やっ」
両脚がびくん、と震えた。指を増やし、さらにとんとんと刺激を与える。
「や、やあ、そこ、……やだっ」
足の指をぎゅっと曲げて、快感に悶えている。腰がいやらしく揺れるのに合わせて、中心も妖艶にうごめく。それを握って、俺は咥え込んだ。
「あ、馨介っ」
前からと後ろから同時に刺激を与えると、佐野さんが陸にあげられた魚のように跳ねた。
舐め上げて、先端に舌を這わす。後孔に入れた指をリズムを刻むように腹に向けて擦ると、口に含んだ昂りが快感を示すように大きさを増した。
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