天才な妹と最強な元勇者

くらげさん

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逆転の展開

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『クロ! 準備はいいか』

『はい。完璧です』

 俺は今……少年になって学園に侵入している。

 パパ大好き計画を決めた俺はクロを呼んで限定精霊化を行った。

 何故か朝起きると用意してあったメルカトラスの制服を着て、家を出た。

 リリアとティアとユリアは学園へ、ユウカは王国に用事があると出て行き。

 一人になった後に家を出たが……。

 完璧にユウカにバレてる。

 どうせリリアも知ってるだろう。


 中等部は俺が居る頃には無かったなと校舎を見ながら独りごちる。

「美少年にしたか?」

『昔のカッコイイユウ様に寄せています』

 ……鏡を見たらよかったと後悔しながら学園を探索する。

 登校中の生徒に紛れて入ったら簡単に侵入できたのは意外だったな。

『幾重にも折り重なる微力な魔法によるスキャンが実行されていましたが、ユウ様が着ている服は同じ魔法が組み込まれてるようですね』

 そんな魔法があるのか。

 意思がないというか敵意がない魔法の感知って得意じゃないんだよな。

「ちょっと君! もう授業は始まってますよ!」

「やべ!」

 見回りをしている教師に見つかってしまった。

 すぐに逃げる。

「待ちなさい!」

 校舎に入ってずっと着いてくる教師を撒く。

 丁度よく開いてるドアを発見し部屋の中に入る。

「どこいったんだ?」

 ドア越しに教師の声を聞きながら遠くに行くのを待つ。

 学年とか名前とか聞かれると詰みそうだ。

 俺が入った部屋はロッカールームの様な場所で結構広い。



 ガヤガヤとドア越しに騒がしくなってきた。

『ユウ様、ユリアとティアがこの部屋を目指して来てると推測されます』

 ……。

 もしかしてここは女子更衣室なのか!

 ロッカーの前に不自然な白い紙が貼られてるのが分かる。

 そこには文字が書かれていた。

『クレス君へ。このロッカーはクレス君専用だよ』

 え? ユウカ?

 ガチャりと扉を開けると中に入っていたのは運動着と女子用の制服。

 そして女物の下着。

 マジですか……。

「クロ頼む」

『はい! 任せてください』

 嬉嬉としているクロ。

「なんで嬉しそうなんだ?」

『ユウ様の女の子の姿が見れるなんて感激ですね』

 男なのに女物の下着を着る俺は変態以外の何者でもない。

 いい歳こいてこんな事をするとは思わなかった。

 だが娘達に変な目で見られるよりはマシだ!


 ガチャりとドアが開く。

 闇を纏い俺は姿を変える……女の姿に。

「あれ? 初めましてですよね」

 下着を着た俺を見てティアが声を掛けて来る。

「えへへ、私いつも貴女の隣のロッカー使ってるの」

 めちゃくちゃ笑顔で話しかけて来るんだが!

 人懐っこいにも程があるだろ。

「驚いちゃったよ、銀色の髪以外は私にそっくりさん」

 えっ? もしかしてクロ。

『はい。リリアをイメージしてみました』

 まぁ、そんな気はしたが。

「貴女の名前は何かな? 私はティアだよ」

 名前、名前! クロいい名前頼む。

『ルナなんてどうでしょうか?』

 流石だな。

「ルナです」

「ルナちゃんね! よろしく」

 声まで小さかった時のリリアみたいだ。

 運動着に着替えるのを見て、俺も着替える。


 着替え終わるとユリアがティアに近寄ってくる。

「貴女は?」

「お姉ちゃん、ルナちゃんだよ」

「ここに居るという事は私達と同じ二年生ですかね? 初めての合同授業なので初めて顔を合わせる人も居るかも知れません。私はユリア、仲良くしてくれると嬉しいです」

 普段俺には見せない優しい笑顔。

「よろしく、です」

 ティアが俺の手を引く。

「早く行こ!」



 俺は連れられるままに室内の馬鹿でかい体育館みたいな所に来ていた。

 まさに体育館。

 各クラスで固まってとか言われたら詰みそう。


 チャイムと同時にリリアが体育館に入って来た。

 俺と目が合うとピタリと止まるリリア。

 すぐさま復帰するとパンパンと手を叩く。

「それでは各クラスで……今日はこのままでいいです」

 良かったと横でティアが俺に笑顔を向ける。

 可愛い。

「初めての合同授業なので特待生は一般生徒の見本となる様に、一般生徒は特待生を見返す様に学んで来た事を出し合ってください」

 殺気がビシバシと伝わってくる。

 他の奴らは合同授業に凄くやる気を出してるな。

 ティアを見ると何故か浮かない顔をしている。

「三人組を組んで全体的に広がってください」

 ティアは俺から離れていく。

「こういう授業なら仕方ないね」

 何故か分からないがユリアとティアの二人に誰も近寄ろうとしなく、他の生徒達は続々と三人組になっていっている。

 そういう事か。

 二人は強すぎるんだ。

 この体験を何度ティアとユリアは体験したんだろうか。

 パパが一肌脱ぐ時なんじゃないか?

 俺はティアに足を向ける。

「ティアさん、ユリアさん、私と組んで貰えませんか?」

 明らかに戸惑いを見せるティア。

「えっ、でも……いいの?」

 うるうるとした視線を飛ばすティア。

 友達と仲良くなる手助けをしてあげようと思う。


『はい。貴女達二人程度なら私一人でも相手に出来ますので』


 ピシッと俺の言葉で周りが一気に静かになる。

 何? 俺何か変な事言った?

「へ、へぇー、ルナちゃんは一般生徒だよね? 私一応特待生なんだけどなぁ」

 うるうるとした視線から怒りがチラつく視線を飛ばすティア。

 ユリアが口を開く。

「いいでしょう組みましょう」

 心良くユリアが組んでくれて良かった。

 俺は笑顔で輪に加わると他の生徒達と同じように広がってティア達と距離を取る。

 ピリピリとした空気がこの体育館中を包んでるのが分かる。

 他の奴らもやる気満々だな。


 俺は心の中でクロに頼む。

『はい。剣を創造します』

 俺の手元に黒銀のオーラを纏う剣が姿を現した。

 さぁ、大乱闘を始めようか。




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