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0.0.平穏な星のプロローグ

0.0.平穏な星のプロローグ

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一人の女が何もない荒野に立っていた。

今まさに降り立ったのだ。

「ふう」

女は息を一つ吐いて、世界を眺める。

延々と続く荒野、遥か彼方の地平線。

鮮やかな青い空、カンカン照りの太陽、刻一刻と姿をかえながら空を遊泳する白い雲。

しばらく世界を眺めていた女は、腕を組んでニヤリと笑った。
それはひどく満足げな表情であった。

女の鼻孔びこうを乾いた砂の匂いがくすぐる。

女は地面に目を向けると、その場にしゃがみ込んで地面の砂を持ち上げた。

砂は女の指の間からパラパラとこぼれ落ちる。

一陣いちじんの風が吹き、手のひらに僅かに残った砂も風にさらわれて飛んでいった。

女は手をパンパンと叩いて払い、その場で大きく背伸びをして背筋を伸ばした。

「さーあ、やりますかーっ」

そうして女は歩き出した。

それは、ひとつの世界のはじまりであった。
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