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カナルの章
第10話 休憩所
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朝が早いのは慣れているが、まだ辺りは薄暗い。アバナ婆さんに起こされた俺は玄関で顔を洗う。顔を拭き食事が用意されたテーブルに向かい椅子に座る。ギルベルトは、すでに起きて薪割りをしてるという。働き者だ、本当に感心する。
「飯かー 飯だな おう ケイゴおはよう」
そう言いながら薪割りを終えテーブルに座り、即飯にかぶりつく。
「おはよー ギルベルトさん」
俺も急いで食べる事にする。
「いただきます」
「はい おあがり」
アバナ婆さんも席に着き食事にする。
「ギルベルトや 今日は忙しいのかい?」
「そんなでもない 昨日のうちにケイゴと石を荷台に積んだしな どうした?」
「今晩のおかずに魚を買ってきて欲しいんじゃ あと烏賊も」
「おお それじゃ飯食いに帰る前 市場に寄るとするか」
俺とギルベルトは食事を済ませると仕事に向かうため席を立つ。
「ごちそうさま 行ってくるよ」
「気をつけてのう」
家を出て、坂を下り左に曲がってジグザグ道を下るはずだが今日はコースが違う。家を出るまでは一緒だが左に曲がらず右に曲がった。黙って後をついていくと馬小屋があった。立派とは言えないが屋根もある。馬が二頭いる、正真正銘の馬小屋。
「おーよしよし 今日は出かけるぞ」
ギルベルトは馬を撫で、馬小屋の後ろに回り馬車の荷台を引っ張ってきた。作業場にある荷台と違い、華奢な作りで大きさも半分くらいだ。
小屋の周りを見渡すと石が詰まれ柵の代わりになっていた。さすが石切り職人といったところか。二頭の馬を表に出し、荷台を繋げた。
「よし 行くか 乗れケイゴ しっかりつかまってろよ」
俺は、荷台の隅にしゃがみ振り落とされないようへばり付いた。馬車は広く整理された迂回するコースで作業場に向かう。途中、デコボコした場所はあったが振り落とされる事なく作業場についた。
作業場には、まだ誰もきてない。荷台から飛び降り柵を開けた。ギルベルトは作業場の隅に馬車を置き、馬の手綱を柵に括りつけた。
「どれ みんな来るまで お茶でも飲もう」
そう俺に言うと休憩所に入っていった。ギルベルトは棚に入った瓶を取り出した。中身は粉末で、それをスプーンに二杯すくってコップに入れる。何でもこの粉末のお茶は、マナハと『パーソン』の葉を混ぜたものらしい。
「水を汲んでくる」
そう言うと 棚の下にあった薄い鍋のような物を取り表に行く。裏には井戸があった。
カラカラカラ
井戸に吊るされているロープを引くと桶がついてた。その水を、持っていった鍋みたいな入れ物にあける。戻ってくると道具が揃えてたる棚に向かいゴソゴソ何かを探してる。
「あった」
セーブストーンを持ってきた。ギルベルトは休憩所の中にある釜に近ずいた。その釜は、真上に口が開いてる変な形をしていた。
「セーブストーン用に作ってみたんだ」
ギルベルトは用意しながら言った。
ガチャン
セーブストーンを釜の真上に開いてるところに落とした。手のひらを翳し魔法陣を出し称えた。
「リベイション ファイア」
上から覗くとセーブストーンが赤くなり辺りが熱くなる。その上にさっき水を汲んだ鍋を乗せた。ギルベルトは分厚い皮の手袋をはめると、沸騰しだした鍋の取っ手を摘まんでコップに注いだ。
(セーブストーンの効果は単純だが やりようによっちゃ色々出来そうだな)
「飲んでみろ」
俺はお茶を飲んでみた。味は紅茶のようだ、少し渋みがありほんのり甘い。甘い成分はマナハだろう、パーソンが渋みを出してるようだ。
「うまいよ」
「そうか 大抵 雑貨屋で買うとこの味だが マナハとパーソンを別々に売っている専門店もあるぞ 粉末を自分好みに調合する人も結構いるんだ」
そんな話をしていると職人が集まり出した。
「おはようー みんなも お茶飲め 飲んで仕事だ」
職人達は各自コップを持ちスプーンでお茶を入れ、湯を注いで飲み出した。
ルイスがギルベルトに話しかける。
「なんじゃ ギル 出かけるのか? 」
「ああ お袋に魚を頼まれたから 昼飯に戻るとき町に寄って行くよ」
「そうか 魚頼まれたのか フォッフォッフォッ」
日常会話。他愛もない話をしながらお茶を飲み干す。ギルベルトの人柄のせいか、ここは良い人間関係が出来上がってる、そんな感じがした。
「さあ仕事だ やっつけちまおうー ケイゴ ついてこい」
俺はギルベルトについて行き仕事を教わって一人で作業した。はじめは見ていたギルベルトも大丈夫と判断したのか別の場所で作業している。すると四頭の馬を連結させた荷馬車がきた。恐らく昨日、話してたトーマスなんだろう。トーマスは空の荷台を昨日あった場所で馬と切り離すと俺達が積んだ荷台と馬を連結させた。トーマスはチラッとこっちを見たがすぐギルベルトの方へ向かい受領書だろうか何か紙を渡してた。
ギルベルトがトーマスと歩きながらこっちに来た。
「うちで短い間だが手伝う事になった ケイゴだ よろしく頼む」
「ケイゴです よろしくお願いします」
「…よろしく」
トーマスは急ぐと言い、その場を離れ馬車に乗り込むと配達先の『トヨスティーク』へ向かった。初対面で偏見は良くないだろうが、今まで俺が接した『嫌なやつ』と同じ雰囲気を感じた。俺はトーマスを、ちょっとだけブッ飛ばしたくなった。
(顔を突き合わすのも一日一回だろうし気にしないでいよう。)
しばらく一人で作業を続けていると声がした。
「飯にするかー おーい みんな飯だ 飯にしよー」
「ケイゴ 町まで行こう 馬車に乗れ」
俺達は『カナル』の町に向かった。
「飯かー 飯だな おう ケイゴおはよう」
そう言いながら薪割りを終えテーブルに座り、即飯にかぶりつく。
「おはよー ギルベルトさん」
俺も急いで食べる事にする。
「いただきます」
「はい おあがり」
アバナ婆さんも席に着き食事にする。
「ギルベルトや 今日は忙しいのかい?」
「そんなでもない 昨日のうちにケイゴと石を荷台に積んだしな どうした?」
「今晩のおかずに魚を買ってきて欲しいんじゃ あと烏賊も」
「おお それじゃ飯食いに帰る前 市場に寄るとするか」
俺とギルベルトは食事を済ませると仕事に向かうため席を立つ。
「ごちそうさま 行ってくるよ」
「気をつけてのう」
家を出て、坂を下り左に曲がってジグザグ道を下るはずだが今日はコースが違う。家を出るまでは一緒だが左に曲がらず右に曲がった。黙って後をついていくと馬小屋があった。立派とは言えないが屋根もある。馬が二頭いる、正真正銘の馬小屋。
「おーよしよし 今日は出かけるぞ」
ギルベルトは馬を撫で、馬小屋の後ろに回り馬車の荷台を引っ張ってきた。作業場にある荷台と違い、華奢な作りで大きさも半分くらいだ。
小屋の周りを見渡すと石が詰まれ柵の代わりになっていた。さすが石切り職人といったところか。二頭の馬を表に出し、荷台を繋げた。
「よし 行くか 乗れケイゴ しっかりつかまってろよ」
俺は、荷台の隅にしゃがみ振り落とされないようへばり付いた。馬車は広く整理された迂回するコースで作業場に向かう。途中、デコボコした場所はあったが振り落とされる事なく作業場についた。
作業場には、まだ誰もきてない。荷台から飛び降り柵を開けた。ギルベルトは作業場の隅に馬車を置き、馬の手綱を柵に括りつけた。
「どれ みんな来るまで お茶でも飲もう」
そう俺に言うと休憩所に入っていった。ギルベルトは棚に入った瓶を取り出した。中身は粉末で、それをスプーンに二杯すくってコップに入れる。何でもこの粉末のお茶は、マナハと『パーソン』の葉を混ぜたものらしい。
「水を汲んでくる」
そう言うと 棚の下にあった薄い鍋のような物を取り表に行く。裏には井戸があった。
カラカラカラ
井戸に吊るされているロープを引くと桶がついてた。その水を、持っていった鍋みたいな入れ物にあける。戻ってくると道具が揃えてたる棚に向かいゴソゴソ何かを探してる。
「あった」
セーブストーンを持ってきた。ギルベルトは休憩所の中にある釜に近ずいた。その釜は、真上に口が開いてる変な形をしていた。
「セーブストーン用に作ってみたんだ」
ギルベルトは用意しながら言った。
ガチャン
セーブストーンを釜の真上に開いてるところに落とした。手のひらを翳し魔法陣を出し称えた。
「リベイション ファイア」
上から覗くとセーブストーンが赤くなり辺りが熱くなる。その上にさっき水を汲んだ鍋を乗せた。ギルベルトは分厚い皮の手袋をはめると、沸騰しだした鍋の取っ手を摘まんでコップに注いだ。
(セーブストーンの効果は単純だが やりようによっちゃ色々出来そうだな)
「飲んでみろ」
俺はお茶を飲んでみた。味は紅茶のようだ、少し渋みがありほんのり甘い。甘い成分はマナハだろう、パーソンが渋みを出してるようだ。
「うまいよ」
「そうか 大抵 雑貨屋で買うとこの味だが マナハとパーソンを別々に売っている専門店もあるぞ 粉末を自分好みに調合する人も結構いるんだ」
そんな話をしていると職人が集まり出した。
「おはようー みんなも お茶飲め 飲んで仕事だ」
職人達は各自コップを持ちスプーンでお茶を入れ、湯を注いで飲み出した。
ルイスがギルベルトに話しかける。
「なんじゃ ギル 出かけるのか? 」
「ああ お袋に魚を頼まれたから 昼飯に戻るとき町に寄って行くよ」
「そうか 魚頼まれたのか フォッフォッフォッ」
日常会話。他愛もない話をしながらお茶を飲み干す。ギルベルトの人柄のせいか、ここは良い人間関係が出来上がってる、そんな感じがした。
「さあ仕事だ やっつけちまおうー ケイゴ ついてこい」
俺はギルベルトについて行き仕事を教わって一人で作業した。はじめは見ていたギルベルトも大丈夫と判断したのか別の場所で作業している。すると四頭の馬を連結させた荷馬車がきた。恐らく昨日、話してたトーマスなんだろう。トーマスは空の荷台を昨日あった場所で馬と切り離すと俺達が積んだ荷台と馬を連結させた。トーマスはチラッとこっちを見たがすぐギルベルトの方へ向かい受領書だろうか何か紙を渡してた。
ギルベルトがトーマスと歩きながらこっちに来た。
「うちで短い間だが手伝う事になった ケイゴだ よろしく頼む」
「ケイゴです よろしくお願いします」
「…よろしく」
トーマスは急ぐと言い、その場を離れ馬車に乗り込むと配達先の『トヨスティーク』へ向かった。初対面で偏見は良くないだろうが、今まで俺が接した『嫌なやつ』と同じ雰囲気を感じた。俺はトーマスを、ちょっとだけブッ飛ばしたくなった。
(顔を突き合わすのも一日一回だろうし気にしないでいよう。)
しばらく一人で作業を続けていると声がした。
「飯にするかー おーい みんな飯だ 飯にしよー」
「ケイゴ 町まで行こう 馬車に乗れ」
俺達は『カナル』の町に向かった。
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