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白と茶
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「ね、ジーク!コレ見て!」
「ん?」
レジナルドが袖をめくると日焼けした腕を誇らしげに見せてくる。
「俺さ、こうやって日焼けした腕を見るとなんか夏が来たなぁって感じるんだよね。ほら、寒くなったらまた白く戻っちゃうからさ。」
「…なるほど。」
「あぁ、またくだらないことを言ってるとか思ったでしょ?」
「そんなことは…ない。」
レジナルドは袖を元通りに戻すと苦笑いしたままのジークフリートを突き放すように回廊を先にずんずん歩いて行く。夕方とはいえ日が沈むまではまだ時間もあり風もほとんど吹かないここはまだ暑い。そんな中、真っ白いつばのついた帽子をかぶった女性が庭園に見える。──あれは、リア様?
どうやらジークフリートも気付いたようで二人で顔を見合わせる。
「何をしているんだろう?」
「だね。…行ってみるんでしょ?」
「あぁ。お前は──。」
「大丈夫、俺先に執務室に戻ってるから。じゃ、また後で。」
軽く手を上げるとセシリアの方を見ないように回廊を速歩で過ぎて行く。たまには婚約者同士でゆっくりさせてあげないと…ね。
執務室に入ると部屋の中は廊下よりだいぶ涼しく感じられた。ソファーに座ると足の辺りが暑そうなのでジークフリートの机にある椅子を失敬してくる。
──ジークは当分戻らないだろうから、少しだけ休憩しても…。
どのくらいそうしていただろうか。ふと気配を感じ顔を上げると執務室にジークフリートが戻ってきたところだった。
「流石だな、扉を開けただけで目を覚ますとは…」
「俺、いつの間に寝てたんだろ!ごめん…」
慌てて椅子から立ち上がると椅子を元に戻す。まだ日は落ちてないからそんなに時間は経っていないはずだ。
「一人でここに居てもする事もないから仕方ないさ。」
「それはその通りなんだけど、あ、もう良かったの?リア様の方は…。」
「庭園で少し話をしたがまだ外は暑いからな。早めに部屋まで送り届けてきたよ。」
「そっか、で、結局あそこで何してたって?」
「それは…そう言えば聞いていない…。」
「は?」
ジークフリートの目がわざとらしく泳いでいる、これは何か隠している…怪しい。
「だから、聞くのを忘れたと言っている…。」
「ふーん…ま、いっか。」
俺には話したくない、ってとこかな?まぁそれならそれでこれ以上聞いてもしょうがない…。
「今日の分はそんなに仕事もないようだな?」
「あぁ。」
学園から帰ってきて執務室に溜まった書類を処理するのが最近のジークフリートの日課だ。見たところ今日はさほど多く無さそうだった。
「直ぐに終わらせるからレジーも今日は早めに帰るといい。」
俺も、ね?つまりジークはこの後またリア様の所に戻るつもりなのだろう。
「はぁ~。ジークはいいよな…。ま、俺はこの後厨房まで行くからさ早いとこ終わらせようぜ!」
「…なんだ、また菓子の話か?」
「またも何も俺を幸せにしてくれるんだからいいだろ?さ、早く早く!」
今日はなんと言ってもあの料理長が直々に取り寄せてくれたというホワイトチョコレートを味見させて貰う約束なのだ。
茶色いチョコレートをどうやったら白く出来るのかはまだ分からないらしいが、味は違うのか…。果たしてそのまま食べた方がいいのか?クッキーにかけたりするのもいいだろう…。いや待て?ここは贅沢に茶色と白色2色で…。
「…レジー?まだ居たのか?もう今日はいいぞ?」
「そう?じゃ、お先!」
この後料理長に作らせたのは2色のチョコレートでコーティングされたクッキーだった。しかし暑い夏に厨房でクッキーを焼きチョコレートを溶かし固める作業など自分にはとてもできそうにない。レジナルドは自分が単なる菓子好きの騎士であったことにどこかホッとしていた。
「ん?」
レジナルドが袖をめくると日焼けした腕を誇らしげに見せてくる。
「俺さ、こうやって日焼けした腕を見るとなんか夏が来たなぁって感じるんだよね。ほら、寒くなったらまた白く戻っちゃうからさ。」
「…なるほど。」
「あぁ、またくだらないことを言ってるとか思ったでしょ?」
「そんなことは…ない。」
レジナルドは袖を元通りに戻すと苦笑いしたままのジークフリートを突き放すように回廊を先にずんずん歩いて行く。夕方とはいえ日が沈むまではまだ時間もあり風もほとんど吹かないここはまだ暑い。そんな中、真っ白いつばのついた帽子をかぶった女性が庭園に見える。──あれは、リア様?
どうやらジークフリートも気付いたようで二人で顔を見合わせる。
「何をしているんだろう?」
「だね。…行ってみるんでしょ?」
「あぁ。お前は──。」
「大丈夫、俺先に執務室に戻ってるから。じゃ、また後で。」
軽く手を上げるとセシリアの方を見ないように回廊を速歩で過ぎて行く。たまには婚約者同士でゆっくりさせてあげないと…ね。
執務室に入ると部屋の中は廊下よりだいぶ涼しく感じられた。ソファーに座ると足の辺りが暑そうなのでジークフリートの机にある椅子を失敬してくる。
──ジークは当分戻らないだろうから、少しだけ休憩しても…。
どのくらいそうしていただろうか。ふと気配を感じ顔を上げると執務室にジークフリートが戻ってきたところだった。
「流石だな、扉を開けただけで目を覚ますとは…」
「俺、いつの間に寝てたんだろ!ごめん…」
慌てて椅子から立ち上がると椅子を元に戻す。まだ日は落ちてないからそんなに時間は経っていないはずだ。
「一人でここに居てもする事もないから仕方ないさ。」
「それはその通りなんだけど、あ、もう良かったの?リア様の方は…。」
「庭園で少し話をしたがまだ外は暑いからな。早めに部屋まで送り届けてきたよ。」
「そっか、で、結局あそこで何してたって?」
「それは…そう言えば聞いていない…。」
「は?」
ジークフリートの目がわざとらしく泳いでいる、これは何か隠している…怪しい。
「だから、聞くのを忘れたと言っている…。」
「ふーん…ま、いっか。」
俺には話したくない、ってとこかな?まぁそれならそれでこれ以上聞いてもしょうがない…。
「今日の分はそんなに仕事もないようだな?」
「あぁ。」
学園から帰ってきて執務室に溜まった書類を処理するのが最近のジークフリートの日課だ。見たところ今日はさほど多く無さそうだった。
「直ぐに終わらせるからレジーも今日は早めに帰るといい。」
俺も、ね?つまりジークはこの後またリア様の所に戻るつもりなのだろう。
「はぁ~。ジークはいいよな…。ま、俺はこの後厨房まで行くからさ早いとこ終わらせようぜ!」
「…なんだ、また菓子の話か?」
「またも何も俺を幸せにしてくれるんだからいいだろ?さ、早く早く!」
今日はなんと言ってもあの料理長が直々に取り寄せてくれたというホワイトチョコレートを味見させて貰う約束なのだ。
茶色いチョコレートをどうやったら白く出来るのかはまだ分からないらしいが、味は違うのか…。果たしてそのまま食べた方がいいのか?クッキーにかけたりするのもいいだろう…。いや待て?ここは贅沢に茶色と白色2色で…。
「…レジー?まだ居たのか?もう今日はいいぞ?」
「そう?じゃ、お先!」
この後料理長に作らせたのは2色のチョコレートでコーティングされたクッキーだった。しかし暑い夏に厨房でクッキーを焼きチョコレートを溶かし固める作業など自分にはとてもできそうにない。レジナルドは自分が単なる菓子好きの騎士であったことにどこかホッとしていた。
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