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新たな街と冒険者と森の異変
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家を追放された後、俺は変な場所にある鍛冶屋に行き、そこで魔剣を手に取った。そしてどうやら、魔剣に気に入られた様でサラッと使役が済んでしまった。店主が拍子抜けしているのを横目に、魔剣の“意志”の様なものに問い掛けてみる。この“意志”は、俺が手に取った時に有ると気付けた物だ。こう言う剣をインテリジェンス・ウェポンというんだっけ?…いや、あれはしゃべる剣だったっけか?まぁ、意思があるのには変わりないな。
「聞こえるか?」
《聞こえました。真マスターのワタクシへの認識を確認。これより、“本格覚醒”に移行。これまでに集めた怨念を使い、【魔剣・ヴォルヘビア】から【神魔剣・ヴォルデザード】に変化します。これにより、そのスキル【怨念の領域】が、【奇跡の領域】へと変化。【極地の魔剣】が【真なる神剣】、【鉄斬】が【斬ノ理】へと昇華しました。》
…何もしてないのに、剣が大進化を遂げたらしい。見た目が変わる時に出た演出が少々派手で、店長が言葉を失っていた。
「…なんか、ヤベェ剣になった様だな。ま、カッコいいし良いじゃないか。ツー事で買ってくれ。俺の所で持っとくのは少々危険だからな。…大サービスで防具もやろう。これも、俺じゃ使えない魔防具だしな。」
「…さらっと在庫不良品をしようとするな。まぁ貰ってはおくけど。」
「おう、毎度あり!」
この後もらった防具は、強大な魔力の線があらゆる場所に通っている様で、白銀に輝いている。…真っ黒な剣と白銀の鎧。ギャップが凄そうだな。というよりすごいな。とりあえず、武器防具が揃ったので冒険者ギルドに入った。すぐ隣にあるのは楽だな。
「ようこそ、ギルドへ。なんの御用でしょうか?」
「ギルド登録に来た。」
「わかりました。では、ここに自分のことを記入してください。ですが、最低限名前を書いてくれていれば大丈夫です…って、本当に名前だけですね。では、登録を進めます。ここの水晶に手を触れてください。」
「これで良さそうだな。このカードが冒険者カードか。」
「はい、そうです。ではこれで登録が終わりました。何か質問はあるでしょうか?」
「特にない。ありがとう。」
よし。これで街に入る時の税金が無くなった。じゃ、宿を取りに行こうかな?やる事がないし。冒険者としての仕事は明日からだ。
「ちょっと待て。こんな若造がこのギルドに入るのか?大丈夫か?」
「…大丈夫です。」
…なんかテンプレ通りに舐められながら喧嘩を売られると思ったが、心配されるとは。予想に無かったな。ま、俺の外見は確かに若造だからな。…中身はおそらく、化け物のような物だと思うが。事実、魔力計測系のスキルを持っているような奴らが、俺がここに入った瞬間ぶっ倒れていたのを見たからな。周りの人が慌てて連れて行ったようだが。
「それでもなぁ…そうだ!お前、一回俺と試合しないか?自慢じゃないが、俺は今まで長い間冒険者としてやってきたしな。しっかり手加減もしてやるから。じゃないと、立派な装備を持っているようだけど、流石にちょっと心配でなぁ…。」
めっちゃ良い人!周りの人も「また心配性が…」とは言っているようだが、悪い感情を持っている人は少なくとも此処には居ないようだしな。心配のしすぎだと思うが、とりあえず一度手合わせしてみるか。今の俺の力を測る良い機会にもなるだろうし。
「わかった。よろしく頼む。で、どこでする?ここでは流石にダメだろ。」
「このギルドには、訓練場がある。そこでやろうか。」
「ついていく。」
この男が向かったのは、ギルドの裏にあった広場だった。そこはかなり広く、二、三組が試合をする位なら十分の広さがあった。その広場の中央で男は俺と向かい合った。
「ここらで良いか。そうだ、俺の名前はガイアスだ。よろしくな。」
「俺はシンだ。…始めるぞ。」
「いつでも来い。」
ちょうどいい。前世で学んだ剣術、ここで使うか。【青の太刀・晴天霹靂】。
「なっ……どういうスピードしてるんだ。」
止めたか……さすがベテラン。【赤の太刀・大焔煉獄】。
「おわっと。ちょちょ、ストップストーップ。もう終わり。降参だ降さーん。」
「もうか?止めれてたじゃないか。」
「まぁ、それもそうだが俺の武器がやばい。」
ガイアスが持っている武器をよくみると、ヒビが大きく入っている。…弁償かなぁ?
「ははっ。弁償は無いぞ。俺が頼んだ試合だからな。お前、みかけより強いな。」
「なんだと…Sランク冒険者“剣聖”ガイアスがそんなこと言うなんて…」
む、ガイアスってそんな凄い人だったんだな。まぁ、俺には関係ないか。それにしても、かなり強く打ち合ったのに、刃こぼれどころか小さな傷さえ無い。自分の技術が高いと自負しているが、傷もつけないようにすると言うのは、流石に普通の刀では不可能に近いだろう。…これは凄い武器だな。
「これからもよろしくな、シン。」
「ああ。こちらこそ。」
「聞こえるか?」
《聞こえました。真マスターのワタクシへの認識を確認。これより、“本格覚醒”に移行。これまでに集めた怨念を使い、【魔剣・ヴォルヘビア】から【神魔剣・ヴォルデザード】に変化します。これにより、そのスキル【怨念の領域】が、【奇跡の領域】へと変化。【極地の魔剣】が【真なる神剣】、【鉄斬】が【斬ノ理】へと昇華しました。》
…何もしてないのに、剣が大進化を遂げたらしい。見た目が変わる時に出た演出が少々派手で、店長が言葉を失っていた。
「…なんか、ヤベェ剣になった様だな。ま、カッコいいし良いじゃないか。ツー事で買ってくれ。俺の所で持っとくのは少々危険だからな。…大サービスで防具もやろう。これも、俺じゃ使えない魔防具だしな。」
「…さらっと在庫不良品をしようとするな。まぁ貰ってはおくけど。」
「おう、毎度あり!」
この後もらった防具は、強大な魔力の線があらゆる場所に通っている様で、白銀に輝いている。…真っ黒な剣と白銀の鎧。ギャップが凄そうだな。というよりすごいな。とりあえず、武器防具が揃ったので冒険者ギルドに入った。すぐ隣にあるのは楽だな。
「ようこそ、ギルドへ。なんの御用でしょうか?」
「ギルド登録に来た。」
「わかりました。では、ここに自分のことを記入してください。ですが、最低限名前を書いてくれていれば大丈夫です…って、本当に名前だけですね。では、登録を進めます。ここの水晶に手を触れてください。」
「これで良さそうだな。このカードが冒険者カードか。」
「はい、そうです。ではこれで登録が終わりました。何か質問はあるでしょうか?」
「特にない。ありがとう。」
よし。これで街に入る時の税金が無くなった。じゃ、宿を取りに行こうかな?やる事がないし。冒険者としての仕事は明日からだ。
「ちょっと待て。こんな若造がこのギルドに入るのか?大丈夫か?」
「…大丈夫です。」
…なんかテンプレ通りに舐められながら喧嘩を売られると思ったが、心配されるとは。予想に無かったな。ま、俺の外見は確かに若造だからな。…中身はおそらく、化け物のような物だと思うが。事実、魔力計測系のスキルを持っているような奴らが、俺がここに入った瞬間ぶっ倒れていたのを見たからな。周りの人が慌てて連れて行ったようだが。
「それでもなぁ…そうだ!お前、一回俺と試合しないか?自慢じゃないが、俺は今まで長い間冒険者としてやってきたしな。しっかり手加減もしてやるから。じゃないと、立派な装備を持っているようだけど、流石にちょっと心配でなぁ…。」
めっちゃ良い人!周りの人も「また心配性が…」とは言っているようだが、悪い感情を持っている人は少なくとも此処には居ないようだしな。心配のしすぎだと思うが、とりあえず一度手合わせしてみるか。今の俺の力を測る良い機会にもなるだろうし。
「わかった。よろしく頼む。で、どこでする?ここでは流石にダメだろ。」
「このギルドには、訓練場がある。そこでやろうか。」
「ついていく。」
この男が向かったのは、ギルドの裏にあった広場だった。そこはかなり広く、二、三組が試合をする位なら十分の広さがあった。その広場の中央で男は俺と向かい合った。
「ここらで良いか。そうだ、俺の名前はガイアスだ。よろしくな。」
「俺はシンだ。…始めるぞ。」
「いつでも来い。」
ちょうどいい。前世で学んだ剣術、ここで使うか。【青の太刀・晴天霹靂】。
「なっ……どういうスピードしてるんだ。」
止めたか……さすがベテラン。【赤の太刀・大焔煉獄】。
「おわっと。ちょちょ、ストップストーップ。もう終わり。降参だ降さーん。」
「もうか?止めれてたじゃないか。」
「まぁ、それもそうだが俺の武器がやばい。」
ガイアスが持っている武器をよくみると、ヒビが大きく入っている。…弁償かなぁ?
「ははっ。弁償は無いぞ。俺が頼んだ試合だからな。お前、みかけより強いな。」
「なんだと…Sランク冒険者“剣聖”ガイアスがそんなこと言うなんて…」
む、ガイアスってそんな凄い人だったんだな。まぁ、俺には関係ないか。それにしても、かなり強く打ち合ったのに、刃こぼれどころか小さな傷さえ無い。自分の技術が高いと自負しているが、傷もつけないようにすると言うのは、流石に普通の刀では不可能に近いだろう。…これは凄い武器だな。
「これからもよろしくな、シン。」
「ああ。こちらこそ。」
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