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新たな街と冒険者と森の異変
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転移魔法を発動し終えた俺の目に入ってきたのは、巨大な街の壁だった。ここは、俺の生まれた国のフレデリク王国の王都「アクア」の外だ。流石に、街の中に転移すると不味いかなと思って街の近くを転移地点にした。この魔法はどうやら、昔行った事のある場所から直径約100キロメートル範囲のどこか好きなところに転移できるっぽい。昔に両親と一緒にここに来たことがあったのが幸いした。
「ふぅ、初の【writing magic】は成功した様だな。…やっぱ高いな、この壁。さすが辺境だ。」
俺は、久々に見た巨大な王都の外壁に圧倒されながらも、王都のに入るための門に行った。
「おぅ、坊主。俺はここの街の衛兵をしている。ここに入るのなら、身分証を見せてくれ。」
「はい。これで良いか?それと、入街税の銅貨5枚だ。」
「ああ、いいぞ。入街税の銅貨5枚は冒険者ギルドか商業ギルドに登録したら無しになるからな。行ってみると良い。」
俺は前回来た時にやった手続きを終わらせて、町の中に入った。それにしても、俺はもう十五歳で坊主と言われる年じゃないのだが。まぁ、俺が前世から引き継いだ日本人の顔が若く見えるのだろう。
街に入った俺は、さっき話に出た冒険者ギルドに向かう。冒険者とは、命をかけて魔物と戦ったり、薬草・素材採取をしたり街中の雑用をしたりと、仕事内容が多岐に渡り、とても良い稼ぎ口になる事を知っていたので、もし自分が今の様な状況に陥った時、そこに行こうと決めていたからだ。ちなみに、見つけるのは簡単だ。剣と杖がクロスしているデザインの看板がある建物がそうだ。
冒険者ギルドの看板を見つけた俺は、その奥にあった武器屋を先に見に行った。流石に、戦う事のよくある冒険者が武器も防具も持っていないと、舐められる可能性があるからだ。
「いらっしゃいませ。今日はどんな武器が欲しいんだ?」
「そうだな。刃が反っている感じの武器を知らないか?」
「…知っている。が、ここにはない。ここを出て左に左折。少し行った所にある、真っ青な店を曲がった路地裏にある店にあるはずだ。だが、あそこの店主は…いや。とにかく行ってみると良い。」
「わかった。ありがとう。」
話の間に開いた間が少し気になる所だが、行ってみるとわかるだろう。教えて貰った道を進むと、一つの今にも倒れそうな建物があった。苔むしていて、家に使われている木も所々が腐っている様だ。
「ここ…か?失礼_______!?これは…」
ボロボロに見えた店に入ると、磨かれた石で出出来ていて、そこらに立派な武器が置かれた部屋が広がっていた。外と中の格差が激しく、少し混乱してしまった。この場面を前世の父さんに見られたら、拳骨が飛んできそうだ。さっさと気を取り戻したが、それにしても驚いた。隠蔽か偽装系の魔法が掛かっている様だな。
「いらっしゃい。ここには何を探しに来た?」
中には、店員と思われる男がいた。背が低く、髭が多い。今世で学んだドワーフだと考えられる。ドワーフは鍛治に関して高い技術力を持つが、人数の少ない希少種族だったはずだが…こんな所にいるとは。
「ここには刃の反った武器を探しに来た。大通りにあった鍛冶屋の人にここを教えられてな。…それにしても、鍛冶屋にしては強いな。隙がない。」
「そうか。その武器はここにある。すぐ持って来てやる。それと、俺に隙がないのは当たり前だ。これでも元Aランク冒険者だからな。ちょっと待ってろ。」
Aランク冒険者。それは確か冒険者ギルドが決めているランクの一つだったはずだ。確か、上からSS,S,A,B,C,D,E,F, まであり、上のランクに上がれば上がるほど、実力者が多くなり、同時に恩恵が増える…とかだったはず。SSSランクも存在はするが、実際なった事のある人たちは、ほとんど御伽噺の中だ。確か、学園都市にある王立学園の校長だけが現在存在する唯一のSSSランクだった筈。
そんな事を考えていると、店員が戻って来た。…いや、ここには他に店員の気配がないので、もしかしたら店長かもしれないな。というよりほぼ確実に店長だろう。
「ほら、これだ。これは、俺が冒険者の現役時代にダンジョン取ってきた剣なんだが……なんか、呪いのついた魔剣になっていてな。魔力の高いやつなら、こいつを従わせることができるんだが、今まではそんな魔力を舞ったものがいなくて…これ、現役じゃなくなった俺では触りきれない危険物になっているんだ。…若い頃なら大丈夫だったが…。ま、お前が従わせれるなら、持っていってくれ。従わせることができたら、最高の剣になるだろう。」
「魔力ならものすごく自信がある。貸してくれ。…どうすれば良い?」
「呪いを封じている鞘から抜けば良い。」
言われた通りに刀を鞘から抜くと、夜空の様に真っ黒な刀身が露わになった。これは綺麗だな。…それに、この色の鉱石は一つしかなかった筈だ。…それは、夜空ノ鋼。世界最高の硬さを持つと同時に、この功績で作られた武具は、自動修復機能が付くという伝説の鉱石だ。
刀の美しさに見惚れていると、何かが体に侵入してくる様な感じがしたが、そのまま消えてしまった。そして、持っていた刀が黒く眩く光り出した。
「ま、まさか…本当に______⁉︎」
光は数秒間光ると、消えていった。
「…本当に、従わせやがった………。」
「ふぅ、初の【writing magic】は成功した様だな。…やっぱ高いな、この壁。さすが辺境だ。」
俺は、久々に見た巨大な王都の外壁に圧倒されながらも、王都のに入るための門に行った。
「おぅ、坊主。俺はここの街の衛兵をしている。ここに入るのなら、身分証を見せてくれ。」
「はい。これで良いか?それと、入街税の銅貨5枚だ。」
「ああ、いいぞ。入街税の銅貨5枚は冒険者ギルドか商業ギルドに登録したら無しになるからな。行ってみると良い。」
俺は前回来た時にやった手続きを終わらせて、町の中に入った。それにしても、俺はもう十五歳で坊主と言われる年じゃないのだが。まぁ、俺が前世から引き継いだ日本人の顔が若く見えるのだろう。
街に入った俺は、さっき話に出た冒険者ギルドに向かう。冒険者とは、命をかけて魔物と戦ったり、薬草・素材採取をしたり街中の雑用をしたりと、仕事内容が多岐に渡り、とても良い稼ぎ口になる事を知っていたので、もし自分が今の様な状況に陥った時、そこに行こうと決めていたからだ。ちなみに、見つけるのは簡単だ。剣と杖がクロスしているデザインの看板がある建物がそうだ。
冒険者ギルドの看板を見つけた俺は、その奥にあった武器屋を先に見に行った。流石に、戦う事のよくある冒険者が武器も防具も持っていないと、舐められる可能性があるからだ。
「いらっしゃいませ。今日はどんな武器が欲しいんだ?」
「そうだな。刃が反っている感じの武器を知らないか?」
「…知っている。が、ここにはない。ここを出て左に左折。少し行った所にある、真っ青な店を曲がった路地裏にある店にあるはずだ。だが、あそこの店主は…いや。とにかく行ってみると良い。」
「わかった。ありがとう。」
話の間に開いた間が少し気になる所だが、行ってみるとわかるだろう。教えて貰った道を進むと、一つの今にも倒れそうな建物があった。苔むしていて、家に使われている木も所々が腐っている様だ。
「ここ…か?失礼_______!?これは…」
ボロボロに見えた店に入ると、磨かれた石で出出来ていて、そこらに立派な武器が置かれた部屋が広がっていた。外と中の格差が激しく、少し混乱してしまった。この場面を前世の父さんに見られたら、拳骨が飛んできそうだ。さっさと気を取り戻したが、それにしても驚いた。隠蔽か偽装系の魔法が掛かっている様だな。
「いらっしゃい。ここには何を探しに来た?」
中には、店員と思われる男がいた。背が低く、髭が多い。今世で学んだドワーフだと考えられる。ドワーフは鍛治に関して高い技術力を持つが、人数の少ない希少種族だったはずだが…こんな所にいるとは。
「ここには刃の反った武器を探しに来た。大通りにあった鍛冶屋の人にここを教えられてな。…それにしても、鍛冶屋にしては強いな。隙がない。」
「そうか。その武器はここにある。すぐ持って来てやる。それと、俺に隙がないのは当たり前だ。これでも元Aランク冒険者だからな。ちょっと待ってろ。」
Aランク冒険者。それは確か冒険者ギルドが決めているランクの一つだったはずだ。確か、上からSS,S,A,B,C,D,E,F, まであり、上のランクに上がれば上がるほど、実力者が多くなり、同時に恩恵が増える…とかだったはず。SSSランクも存在はするが、実際なった事のある人たちは、ほとんど御伽噺の中だ。確か、学園都市にある王立学園の校長だけが現在存在する唯一のSSSランクだった筈。
そんな事を考えていると、店員が戻って来た。…いや、ここには他に店員の気配がないので、もしかしたら店長かもしれないな。というよりほぼ確実に店長だろう。
「ほら、これだ。これは、俺が冒険者の現役時代にダンジョン取ってきた剣なんだが……なんか、呪いのついた魔剣になっていてな。魔力の高いやつなら、こいつを従わせることができるんだが、今まではそんな魔力を舞ったものがいなくて…これ、現役じゃなくなった俺では触りきれない危険物になっているんだ。…若い頃なら大丈夫だったが…。ま、お前が従わせれるなら、持っていってくれ。従わせることができたら、最高の剣になるだろう。」
「魔力ならものすごく自信がある。貸してくれ。…どうすれば良い?」
「呪いを封じている鞘から抜けば良い。」
言われた通りに刀を鞘から抜くと、夜空の様に真っ黒な刀身が露わになった。これは綺麗だな。…それに、この色の鉱石は一つしかなかった筈だ。…それは、夜空ノ鋼。世界最高の硬さを持つと同時に、この功績で作られた武具は、自動修復機能が付くという伝説の鉱石だ。
刀の美しさに見惚れていると、何かが体に侵入してくる様な感じがしたが、そのまま消えてしまった。そして、持っていた刀が黒く眩く光り出した。
「ま、まさか…本当に______⁉︎」
光は数秒間光ると、消えていった。
「…本当に、従わせやがった………。」
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