とある剣士の異世界転生!〜極大魔法?超越魔法?要りませんよ。ただの基本魔法で十分です……コピーもできますし?〜

朱雀

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大暴走

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 大体の状況を伝えた後は、お偉方の領分になるので俺とガイアスは退散した。…性格に言うと、ガイアスは居てもいいはずだが、本人曰く「俺、敬語苦手だし…あんな真面目な空気は嫌いだ。それに、長い時間座っているのもな。」だそうだ。本来、ギルマスには出席する責任が有るが、お偉方もガイアスの性格を理解しているので、あの後は冒険者ギルドは副マスターが出席するそうだ。

「ところでガイアス。俺は最終兵器云々の話を了承していないのだが。」
「はっはっは。言っていないからな!…おい、そんなに睨まないでくれ。微妙に殺気が混じっているし…。それに関しては、報酬として光金貨三枚を用意してあるから。」
「ならいい。」

 思ったより大判振る舞いだな。大体の貨幣の価値は銅貨が十円、大銅貨が百円、銀貨が千円、金貨が一万円、白金貨が十万円程度になっていて、最高価値の光金貨はミスリル聖銀で出来ていて、百万円の価値がある。それが三枚だから、ギルドがどれだけ無理しているのか気になる。

「ちなみに、失敗したら街ごと消え去るから、どうにかしてくれ。」
「…まぁ、わかった。確かに光金貨は美味いからな。しっかりと自分の役目を果たさせてもらうよ。」
「お前の後に行った偵察役の報告では、明日の昼にここに魔物どもが到着するらしい。ちょっと前に移動を始めたが、早くてもそれくらいになると予想している。」

 それを言い切った後、魔物が一晩掛かる道を、一時間もない間に走破しているシンの速さを予想したガイアスは、もう一度しっかりとシンと敵対しない様に自分の頭に刻むのだった。だが、目の前の男が己の力の強大さを再確認していることを少しも知らないシンは、いつも通りにガイアスと二言三言の言葉を交わし、宿に戻るのだった。

「お帰りなさい、シン。昼食はどうする?」
「そうだな…じゃあ、もらおうか。」
「わかった。すぐに準備するね。」

 宿に入ると話しかけてきたシーナに、飯の準備を頼んだ後、食堂で待っていると早速運ばれてきた。…シーナも俺に対して敬語がなくなったのは、喜ぶべき事なのだろうか。

「今日の昼食は、ラージボアとお野菜の炒め、モロッコのスープ。パンだよ。いっぱい食べると重たいから、量を少なめにしたよ~。」
「ん、きたか。…今日も美味そうだな。美味しくいただくよ。」
「そうしてくれると嬉しいよ。」

 …お、ラージボアはうまいな。野菜が美味しさを増大させているな。それに、モロッコとうもろこしのスープは前世のコーンスープと同じだな。懐かしい感じがする。俺はそのまま、昼食を食べ終え自分の部屋のベッドに寝っ転がった。相変わらず、ここのベットは最高だな。しかも、俺が言っている間にシーツとかも変えてくれたのか。改めて、ここの宿は当たりだったな。飯も美味いし。

「ふぅ、大暴走は明日か…流石にちょっと緊張するな。俺が出る場所は、とりあえずコアの発見、破壊か。なるべく急いだ方がいいだろうな。SSランクが二人いるとはいえ、魔の森の魔物をずっとは難しいだろう。…時間をとりすぎると、あの奥にいるらしい古龍SSSランクの脅威が出てくる可能性だってあるしな。」

 そう、魔の森にはSSSランク神話の時代からの脅威である古龍がいる。コアが呼ぶ魔物はランクに制限なく、周囲にいる魔物を暴走させて、人の気配が多いところに送り出すから、周囲の浅いところにいる魔物がいなくなれば、奥の方の魔物も呼び始める。しかも、古龍以外も多くの強力な魔物がいる…と言う話だから、やはり時間をかけるのは愚策だろう。

「今のうちに、鍛錬をしておくか。」

 この日、シンはある程度鍛錬をすると、飯を食って寝た。ガイアスも自分の仕事を終わらせて、ギルドにある訓練場で夜遅くまで鍛錬に励んだ。三人の高ランク冒険者は近くの森で魔物との戦闘を続けた。その他も、領主麾下の軍と今回の対戦に赴く警備兵が訓練に力を入れた。

 そして、決戦の日が来る。




「ん~っと。今は…大体7時くらいだな。ギルドに行くか。ヴォルデザード、聖天の鎧を装備。」

 俺の呼ぶ声に起こされたヴォルデザードと鎧が俺の体に装備される。…ヴォルデザードの刀に対して、西洋風の聖天の鎧が違和感があるな。…と思ったら、鎧が和風の和服に代わった。鎧が袴と和服になったのだ。しかも、和服はしっかりと剣術の修練で使うものである。どちらも白銀に輝いているのが唯一の鎧だった時の名残だろう。vしかも、こんな薄い状態になっても、防御性能は変わらないって…詐欺に近いだろ。

「ん?シン、その格好は危なくないか?」

 ギルドに入ると、ガイアスが早速聞いてきた。…まぁ、確かにmそれが普通の反応だろうな…。俺だって、ガイアスの立場で考えたら、今回の作戦で重要な人物が薄っぺらい防具を着てたら…心配するな。

「大丈夫だ。心配なら、お前の背にある大剣で斬ってみるといい。」
「…?まぁ、わかった。じゃあ行くぞ?」
「ああ。…っておい!?」

 ごうっ‼︎

「…今の、本気じゃなかったか?本当に普通の服だったらどうするつもりだったんだ…」
「いやぁ、お前なら、鎧くらいの防御性能を持つ服なんて、持っててもおかしくないなぁと思ってな。それにしてもすげぇな!傷どころかそこに大剣があった痕さえないぞ?しかもこの大剣は、低級とはいえ魔剣なんだぞ?」
「あぶねぇな!?」

 一つわかったことがある。この服は、布地のあるちょっと前でさっきの剣を止めていた。つまり、布の部分で受け止めるわけではないのだろうな。…本当に不思議だな。

 ちなみに、この剣を止めるのは聖天の鎧の常時発動スキルパッシブスキルである【多層防御】と言うもので、服の前に何百枚もの見えない防御層があるのだ。しかも、その一層一層がかなりの防御性能を誇るので、突破できるのは、本物の化け物か、シンくらいだろう。しかも、その“本物の化け物”も、少なくとも古龍よりも上だろうから、実質今回の大暴走でシンを傷つけられる可能性はほぼゼロと言ってもいいだろう。シン自身も、その事は無意識にだが理解している…とはいえ、今回の大暴走が一人で収めれるかは否と答えるだろう。人である以上限界はあるし、そもそも今回の成功条件は街の完全な防御なので、結局は多くの人の協力が必要なのだ。

「…よし、シン。お前は準備できたか?それなら俺と一緒に模擬戦でもしようじゃ無いか。」
「わかった。今のうちにできる事はしておこう。」

 
 魔物の到達まで残り約、二時間。
 
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