彷徨うペンギン

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長くて黄色くて

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 焦って近づいてきた何かは、ペンギンがキラキラしたものを飲み込んだのを見て、立ち止まってしまった。
 
 ペンギンには、長い脚や、長い首が特徴的な何かは絶望したように見えた。
 しかし、ペンギンにとってはそんなことはどうでもいい。
 今、ここに自分の存在を確認した。
 今まで見なかったこと、そこにあるのが当たり前だった事を理解した。
 自分が賢くなったということが理解できる。

 それだけで十分だった。
 むしろ、それ以上を望む理由もない。

 しかし、ペンギンも生き物。
 栄養が無ければ死んでしまう。

 だから、この砂漠のどこかにあるオアシスを探しに行くことを決めた。
 太陽の位置を確認し、風の向きを見る。

 オアシスに向け、いざ歩き出そうという時、後ろからものすごい衝撃が走り、ペンギンの体は吹き飛んだ。
 嗚咽と同時に、今まで分かったことが分からなくなり、意識も朦朧とし始めた。

 「すまないねぇ。私にはこれが一番必要なんだ」

 体が長い何かがそういった気がしたが、ペンギンには理解できなかった。

 長いこと、黄色いこと。
 それ以外は何も分からなかった。

 そうやって、ペンギンは意識を失った。
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