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動画視聴
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俺は常日頃動画を見ることで時間を潰している。
中学校から帰って宿題をパッと終わらせ、動画をだらだらと視聴する。
初めは一時間ほどでやめていたのに、最近は五時間見るのは当たり前という状態である。
ゲーム実況や芸人のコントなんかを見て楽しんでいるため、おすすめにはそういった類の物が現れる。
しかし、今日おすすめに出てきた物はサムネイルから察するに怖い物のようであった。
俺は怖い物があまり好きでは無いのだが、タイトルが『絶対に見るな。』だったのでつい開いてしまった。
真っ白い壁だけが映っていて、人の姿は見えない。
その状態で男の声が聞こえて来る。
「みなさん。今が変わるときですよ。動画に依存してしまっている方、自分を変えましょう。動画を見ないでください。」
サムネとタイトルで釣った、動画を見るなという内容を動画で発信している物で、正直拍子抜けしてしまった。
すると一度画面が真っ暗になる。
そして再び映像が流れ始めたかと思うと、今度は変声機を利用したようで、機械的な声で意味の分からない質問ばかりを投げかけ続けて来るようになった。
「あなたは今何をしていますか?」
「あなたは今起きてますか?」
「あなたは今生きていますか?」
ずっとこんな調子なので、別の動画に切り替えようとしたのだが、全く画面が反応しない。
「あなたは今逃げようとしていますか?」
「あなたは見られるのことは嫌いですか?」
「あなたは動くことが嫌いですか?」
何度も何度も『あなたは』から始まる言葉で質問を投げられて、うるさいなと思いボリュームを下げた。
一度静かになったかと思えば、勝手に音量が上がり始め最大音で動画が流れ続ける。
「あなたは操られるのは好きですか?」
「あなたは頭がいいですか?」
「あなたは本当に体が必要ですか?」
いらいらしながら電源を切ろうと試みるも何も反応しない。
だから俺は目を閉じ耳を手で塞いだ。
微かに音は聞こえて来るが、かなりましになった。
そんな状態でもはっきりと聞こえた言葉があった。
「あなたの体。私に下さい。」
するとある時を境に音が一切聞こえなくなった。
動画が終わったのだと思い目を開き、手を耳から離した。
俺は真っ白い部屋にいて、周りには何もなかった。
何が起きているのだろうか。
するとどこからか声が聞こえて来る。
「人間標本、ナンバー25。注意喚起を気にしない愚か者。」
中学校から帰って宿題をパッと終わらせ、動画をだらだらと視聴する。
初めは一時間ほどでやめていたのに、最近は五時間見るのは当たり前という状態である。
ゲーム実況や芸人のコントなんかを見て楽しんでいるため、おすすめにはそういった類の物が現れる。
しかし、今日おすすめに出てきた物はサムネイルから察するに怖い物のようであった。
俺は怖い物があまり好きでは無いのだが、タイトルが『絶対に見るな。』だったのでつい開いてしまった。
真っ白い壁だけが映っていて、人の姿は見えない。
その状態で男の声が聞こえて来る。
「みなさん。今が変わるときですよ。動画に依存してしまっている方、自分を変えましょう。動画を見ないでください。」
サムネとタイトルで釣った、動画を見るなという内容を動画で発信している物で、正直拍子抜けしてしまった。
すると一度画面が真っ暗になる。
そして再び映像が流れ始めたかと思うと、今度は変声機を利用したようで、機械的な声で意味の分からない質問ばかりを投げかけ続けて来るようになった。
「あなたは今何をしていますか?」
「あなたは今起きてますか?」
「あなたは今生きていますか?」
ずっとこんな調子なので、別の動画に切り替えようとしたのだが、全く画面が反応しない。
「あなたは今逃げようとしていますか?」
「あなたは見られるのことは嫌いですか?」
「あなたは動くことが嫌いですか?」
何度も何度も『あなたは』から始まる言葉で質問を投げられて、うるさいなと思いボリュームを下げた。
一度静かになったかと思えば、勝手に音量が上がり始め最大音で動画が流れ続ける。
「あなたは操られるのは好きですか?」
「あなたは頭がいいですか?」
「あなたは本当に体が必要ですか?」
いらいらしながら電源を切ろうと試みるも何も反応しない。
だから俺は目を閉じ耳を手で塞いだ。
微かに音は聞こえて来るが、かなりましになった。
そんな状態でもはっきりと聞こえた言葉があった。
「あなたの体。私に下さい。」
するとある時を境に音が一切聞こえなくなった。
動画が終わったのだと思い目を開き、手を耳から離した。
俺は真っ白い部屋にいて、周りには何もなかった。
何が起きているのだろうか。
するとどこからか声が聞こえて来る。
「人間標本、ナンバー25。注意喚起を気にしない愚か者。」
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