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109話 日頃の恨み 2
しおりを挟む「利き手が使えねぇ南原ならボコれるはず! 」
「っ......!」
み、南原さんを、ボコる!?
あー、そういえばこの変態鬼畜生徒会長は、全校生徒に怖れられ、嫌われ、恨まれているんだった。
「あぶねぇからお前はどいてろ一年生。 」
南原さんは普段の行いが悪いから、こうなるのも仕方ないのかもしれない。でも今は...!
「ま、待ってください! 南原さんは、俺を助けっ...」
「坂北くん!」
っ...!?
俺の言葉を遮るように発せられた鋭い南原さんの声。
なんで邪魔するの!? 俺は、本当のことを皆に教えようとしていたのに。
「 もういい、お前は教室に帰れ。それから今日は、俺の家に泊まること。お礼はその時、な。」
ニヤリと楽しそうで意地悪な顔。いつも通り、余裕そうな南原さんだけど、俺は放っては置けなかった。南原さんは、俺を助けてくれたのに、俺だけ見捨てるなんて、できない。
「お前ら、大半は二年生か。こんなことをして困るのはお前達だよ? お仕置きが楽しみだ。」
相手を脅しつつ挑発する南原さん。
「っ...そ、そんなことできねぇぐらい、ボコボコにしてやるよ!! 」
武装集団は、一人の怒声を合図に、一斉に武器を振り上げ南原さんに向かってきた。
い、いくら南原さんでも、これはまずいんじゃ......!
「ククッ、悪いがたかが腕一本、ハンデにもならな...」
「止めてください!!!! 」
「っ...!?」
南原さんが何かをいいかけていたけど、考えるより先に、体が動いていた。俺は咄嗟に、庇うようにして南原さんに抱きついたのだ。
振り下ろされる寸前だった武器やこぶし達は、寸でのところでピタッと止まる。
「どけ! 一年! お前、南原を庇うのか!? 」
「っ、坂北くん? 」
「っ...! 」
庇う...とはちょっと違うかもしれない。
「俺は、嫌なんです...一方的な暴力が。俺がされるのはもちろん、誰かがされるのも。」
南原さんの背に回した手は、ぎゅ...と抱き締める力を強める。
南原さんはさっき、捨て身で俺を助けてくれた。
俺もこれくらいしないとっ...!!
それに、多分...。
「み、南原さんは、本当は、そんなに悪い人じゃないと思うんです...! お願いです、 今回は許してください、先輩の皆さんっ!! 」
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