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はずれの運命

4話 荒んだ精神

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時間割変更の事
先生の都合の事
今日までの課題についての事
そして、昨日の晩の事

「皆、突然で頭の整理も出来ていないと思いますが、くれぐれも問題だけは起こさないように」

さっき燃やし尽くすって言ってたのは誰だ
教師も当たりなら生徒を抑えられるのだろうか
どうか荒れないように頑張って欲しい

「問題起こせないやつもいるけどね」

ボソリと声が聞こえた
小さく消えるように教室内で浸透する
クスクスと笑う声が聞こえた
言ったやつが誰かわかっている
俺が昔いじってたオタクだ
109キログラム167センチという奇跡のスペックの持ち主
こんなに人を殴りたいと思ったのは久しぶりだ
でも今はしない
いや、できない
やつは最強の力を手に入れたのだから
はずれの俺ではなんにもできなかった

「はずれ選ぶとか」
「うわっ、居たんだ」
「おい、やめろよお前ら、、調子乗んな」

どちらかと言うと人より上に立っていた俺
その仕返しをここぞとばかりに受けていた
見返してやりたい
そう思ったのだが
矢先に諦めた
これはある種の才能
天才に努力が勝てないように
はずれの俺は、当たりには勝てない
そのままHRが終わった




1時間目が始まった
休み時間はずっと伏せていたので気付いたら
理科の教師が教科書を持って教室を開ける

「このクラスは、真面目だね」

どこで見分けたのか
後々聞いてみると、教室で血が出ていないから
そんな理由だった
本当に荒れた学校になってしまうのか
隣のクラスでは暴れたやつがいたそうだ
ちなみに、生徒間で抑えられ幕を閉じた

授業中も特に問題なく
思ったよりもごく普通な生活だった
そのまな6時間目まで
意外とすぐに時間が過ぎた
誰とも喋らず、うつ伏せだったからか

「よぉ、、、送ってやろうか」

俺の事を気の毒に思った奴らは、気遣ってこんな事を言ってくれた
親切なやつだ、本当に優しいな
でも、今の俺にはこう聞こえた

「よぉ、お前の足じゃ時間かかるだろ?俺早いから送ってやるよ」

自分が心底腐ってのが分かって、吐き気がするほど嫌だった
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