当たり能力1個より、ハズレ能力10個の方が良いに決まってる

ネムスター

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はずれの運命

8話 強盗

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「いらっしゃいませー、、」
「金出せ、早く」

俺のバックを投げつけた男は、掌を俺に向けた
溢れ出るような熱が伝わってくるようだった
当たり能力なのは確定として
恐らく熱を操る系統だろう
確か同じクラスにも居た
座っていた俺の机が焦げ付いていた
全く同じとは限らないが、同じ系統だとして
恐らく体中の代謝が異常なんだろう
だから意識せずとも全身が燃える
やつの服の1部が焦げているのもそのせいだ
だとしたら、そこまで操る事はできないはず
他3人は分からない、でも大した能力じゃない
3人とも火傷を負ってる
多分こいつに従うよう言われたんだろう
土壇場で戦うのはコイツだけ
、、、考え過ぎても答えはでないか
ここまで考えて、パラメーターを正常にした
カバンを持つ手が軽くなる

「ハズレは弱くて助かるよ」

事前に俺がはずれだって知っているようだ
ハズレ能力者の店なら大丈夫だと
弱いはずだと思っているんだろう
全くもってその通りだった
目の前まで炎が来ている
何より一番心配なのは妹だ
この状況で店を燃やされたりしたら、、、
チャンスは1回
これっきりだ
まともに戦っても到底勝てる相手じゃない
1度深呼吸をした後カバンを渡す

その瞬間だ、今しかない

赤をMAXまで引き上げ、カバンを殴り飛ばす
突然の衝撃で、男は後ろによろめいた

それに合わせてもう一発

俺が出せる最大の力

どうだ、ハズレの全力

「俺らには勝てねえんだよ」

その時、男の手から熱線が飛び出した
俺の耳スレスレをかすって、背後の壁へ
壁の塗装がドロドロと溶け、砕けた粉塵が辺りを包んだ
妹が叫び声をあげうずくまる

「誰かいるじゃねえか!」
「おい、黙ってろ、、役に立たねえただのガキだ」

役に立たねえただのガキ
どういう意味で言ったのか
そんな事は知らない

俺には

妹を侮辱してるように聞こえた

「取り消せよ、、、お前がどうこう言っていい相手じゃない」
「お前はうるせえんだよ、そんなに殺されてえか」

またくる
炎がくる
だったらぶつけてやる

俺の能力2つ目
体中の熱を集め、火を起こす

リスク
体中の体温が下がり、体内酸素濃度が低くなる

突然、俺の手が激しく燃えた

向かってくる火炎とぶつかり、店内に広がる
勢いにのって俺はレジを蹴り飛ばした
背後の男に直撃し、鼻血を流している

「こいつ、怪力だけじゃねえのか」
「お前ら全員をぶっ殺す!」

強盗はびびって店から出ていった
まあビビらせた張本人は酸欠で死にかけているのだが
妹に手を引かれ家に帰った
やっぱり、静かな日なんて望めないようだ
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