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17話 人族と魔族
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魔族、それは人間の捕食者側である。
吸血鬼や悪魔などの知性を持つ魔物という認識が一般的で、魔石を体内に宿している事から魔物だと言う意見と、意思疎通が取れるし共存も可能な新しい人種だと言う意見で未だ別れている。
「あの、魔族ってどういう事…ですか?」
メリルは先程の不安そうな顔から真剣な顔へと変わっていた。
「まさか、私にも聞いてほしいというお話は…?」
サリアも真剣な表情だ。
「うん、良い切り替えだ。二人共まだまだ伸びるね!…さっきの彼、魔族と協力関係みたいだよ?恐らく高位の吸血鬼だね!」
微かだが衣服に残った血の匂い。
それに魔族特有の濃厚な魔力の残滓、この国の魔術師レベルなら気付かれないだろうけど、ファウストの鼻と僕の魔力探知は誤魔化せない。
「別にこの国を狙うだけなら関係ないけど、メリルやサリア、弟子達を狙うなら話は別だからねぇ…」
明らかに空気が変わった。
メリルはまだ16歳という若さでS級魔術師へ至った天才だが、マルクが発している魔力は異質だ。
S級魔術師といってもピンキリだが、メリルと同等、もしくは格下なら、この魔力を感じた時点で白旗を上げるだろう。
「凄い…」
メリルは感動して自然と涙が一筋、頬を伝った。
マリーダという目標を目指して来て、やっと背中が見えてきたかもしれないという時に、これ程の実力差を感じられるとは思っていなかったのだ。
「ご、ごめんね!?うっかり表に魔力を出しちゃってたみたいだ!ずっと気を付けてきたから油断してたな…大丈夫かい?」
メリルに気付いた僕は、慌てて魔力を抑えて謝罪した。
一方サリアは魔力感知能力が修行不足のようで、メリルを見ながら頭に?を浮かべてそうな顔をしている。
「い、いえ!あまりに綺麗で凄い魔力量なんで感動しちゃいした!えへへ、実は魔力感知の高さには少し自信があったんです!うん、やっぱりマリーダ様の師匠は凄いな…」
「きちんと真面目に修行を続ければ、君ならきっと一人で魔族を倒せるようになるよ!魔導師は一日にして成らず、ってね?」
メリルは真っ直ぐな尊敬の眼差しがこそばゆかったので、僕は少し戯けたようにメリルに返答した。
少々話が逸れてしまったが、僕は新しい煙草に火を着けて一口吸うと改めて本題に入る。
「フゥ…さて、魔族の件なんだけどこの国は魔族を受け入れて共存している、とかはないよね?」
ずっと山奥で外界との関係を絶っていたので、僕の知らない種族間の交流が進んでいる可能性は否定出来ない。
いきなり現れて戦争の火種を作って、我関せずで国が一つ滅びたなんて事が起きたら大変だ。
「いえ、そんな事はありません。一部、極めて稀ですが魔族と有効的関係になった者がいる話を聞いた事がありますが、全ての人族、亜人種国家で魔族は共通の敵であって、『人魔戦争』が開戦してから今まで停戦になった事はないです。ですが…」
サリアは一呼吸して続けた。
「魔族も一枚岩でないのか、独断で動いてくる奴もいるようです。その…マルク様の御弟子様達や各国の騎士団、魔術師団が対応して下さったお陰で解決してきました」
「フゥ…そっか、サリアありがとう」
再び煙草を一口吸い、溜め息のように煙を吐き出して、答えてくれたサリアに礼を伝える。
「じゃあやはり異常事態だ。ファウスト、報告を頼むよ?」
「はい主人、仰せのままに」
スッと服従を意味する伏せをすると、ファウストは報告を始めた。
「この匂いと魔力は恐らく吸血鬼、しかも上位種か真祖だと思われます。その場合、配下が複数いる可能性が高いので放置は危険かと。…消しますか?」
僕は言葉を発さずに首を振る。
「まだ目的が不明だから泳がせて探れ。緊急の時は連絡は事後報告でいいから攻撃を許可する。まぁ、あの貴族の馬鹿息子はメリルが目当てみたいだし、恐らく公の場で何か起こすはずだよ。メリル、近々何か式典とかイベントはあるかい?」
「はい…明後日に国王陛下が出席される、王立魔術師団の天覧試合があります。私とランドルフがそこで戦うんですが…わっ!」
メリルが少し不安そうに答えたが、僕は安心させるようにメリルの頭を撫でてから喋り出す。
「大丈夫、何も心配いらないさ。君の実力なら奴に負ける事はないからね。魔族は僕が片付けるから、全力で戦って実力を見せて欲しいな?」
「はい!マルク様の前で恥ずかしい姿は見せられません!マリーダ様から学んだ全てを出せるように頑張ります!」
メリルの覚悟を感じ、僕は改めてそれを卑劣にも邪魔する吸血鬼と馬鹿貴族に、
吸血鬼や悪魔などの知性を持つ魔物という認識が一般的で、魔石を体内に宿している事から魔物だと言う意見と、意思疎通が取れるし共存も可能な新しい人種だと言う意見で未だ別れている。
「あの、魔族ってどういう事…ですか?」
メリルは先程の不安そうな顔から真剣な顔へと変わっていた。
「まさか、私にも聞いてほしいというお話は…?」
サリアも真剣な表情だ。
「うん、良い切り替えだ。二人共まだまだ伸びるね!…さっきの彼、魔族と協力関係みたいだよ?恐らく高位の吸血鬼だね!」
微かだが衣服に残った血の匂い。
それに魔族特有の濃厚な魔力の残滓、この国の魔術師レベルなら気付かれないだろうけど、ファウストの鼻と僕の魔力探知は誤魔化せない。
「別にこの国を狙うだけなら関係ないけど、メリルやサリア、弟子達を狙うなら話は別だからねぇ…」
明らかに空気が変わった。
メリルはまだ16歳という若さでS級魔術師へ至った天才だが、マルクが発している魔力は異質だ。
S級魔術師といってもピンキリだが、メリルと同等、もしくは格下なら、この魔力を感じた時点で白旗を上げるだろう。
「凄い…」
メリルは感動して自然と涙が一筋、頬を伝った。
マリーダという目標を目指して来て、やっと背中が見えてきたかもしれないという時に、これ程の実力差を感じられるとは思っていなかったのだ。
「ご、ごめんね!?うっかり表に魔力を出しちゃってたみたいだ!ずっと気を付けてきたから油断してたな…大丈夫かい?」
メリルに気付いた僕は、慌てて魔力を抑えて謝罪した。
一方サリアは魔力感知能力が修行不足のようで、メリルを見ながら頭に?を浮かべてそうな顔をしている。
「い、いえ!あまりに綺麗で凄い魔力量なんで感動しちゃいした!えへへ、実は魔力感知の高さには少し自信があったんです!うん、やっぱりマリーダ様の師匠は凄いな…」
「きちんと真面目に修行を続ければ、君ならきっと一人で魔族を倒せるようになるよ!魔導師は一日にして成らず、ってね?」
メリルは真っ直ぐな尊敬の眼差しがこそばゆかったので、僕は少し戯けたようにメリルに返答した。
少々話が逸れてしまったが、僕は新しい煙草に火を着けて一口吸うと改めて本題に入る。
「フゥ…さて、魔族の件なんだけどこの国は魔族を受け入れて共存している、とかはないよね?」
ずっと山奥で外界との関係を絶っていたので、僕の知らない種族間の交流が進んでいる可能性は否定出来ない。
いきなり現れて戦争の火種を作って、我関せずで国が一つ滅びたなんて事が起きたら大変だ。
「いえ、そんな事はありません。一部、極めて稀ですが魔族と有効的関係になった者がいる話を聞いた事がありますが、全ての人族、亜人種国家で魔族は共通の敵であって、『人魔戦争』が開戦してから今まで停戦になった事はないです。ですが…」
サリアは一呼吸して続けた。
「魔族も一枚岩でないのか、独断で動いてくる奴もいるようです。その…マルク様の御弟子様達や各国の騎士団、魔術師団が対応して下さったお陰で解決してきました」
「フゥ…そっか、サリアありがとう」
再び煙草を一口吸い、溜め息のように煙を吐き出して、答えてくれたサリアに礼を伝える。
「じゃあやはり異常事態だ。ファウスト、報告を頼むよ?」
「はい主人、仰せのままに」
スッと服従を意味する伏せをすると、ファウストは報告を始めた。
「この匂いと魔力は恐らく吸血鬼、しかも上位種か真祖だと思われます。その場合、配下が複数いる可能性が高いので放置は危険かと。…消しますか?」
僕は言葉を発さずに首を振る。
「まだ目的が不明だから泳がせて探れ。緊急の時は連絡は事後報告でいいから攻撃を許可する。まぁ、あの貴族の馬鹿息子はメリルが目当てみたいだし、恐らく公の場で何か起こすはずだよ。メリル、近々何か式典とかイベントはあるかい?」
「はい…明後日に国王陛下が出席される、王立魔術師団の天覧試合があります。私とランドルフがそこで戦うんですが…わっ!」
メリルが少し不安そうに答えたが、僕は安心させるようにメリルの頭を撫でてから喋り出す。
「大丈夫、何も心配いらないさ。君の実力なら奴に負ける事はないからね。魔族は僕が片付けるから、全力で戦って実力を見せて欲しいな?」
「はい!マルク様の前で恥ずかしい姿は見せられません!マリーダ様から学んだ全てを出せるように頑張ります!」
メリルの覚悟を感じ、僕は改めてそれを卑劣にも邪魔する吸血鬼と馬鹿貴族に、
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