前世で薬漬けだったおっさん、エルフに転生して自由を得る

がい

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1章 転生、エルフの里編

既知との遭遇

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季節は巡り、16歳になった。

いよいよ身長も170cmぐらいになったし、筋肉がついたお陰で狩りがとても楽になった。そんなある日、里にある事件が起こった。

俺は父さんと森の奥にある、熟達した狩人しか許されない狩場に来ていた。

来て早速仕留めたビッグボアの血抜きをしていると、父さんが何かを見つけたらしい。

「ん?…待て、人族がいる。何故こんな森の奥に?取り敢えず、この怪我では里で治療せねばな。ウルド、一度里に戻るぞ。」

「了解、父さん。」

人間、この世界で初めて見た。歳は見た目通りなら30ちょいってとこかな?

俺達が近付くと、微かに意識があるようで必死に何かを訴えてくる。

「と、盗賊が…近くに…逃げ、て…盗賊が…」

寝言の様に男は繰り返す。

盗賊かー。やっぱいるよなあ…俺、人って殺した事ないからやっぱ嫌だなあ…

「大丈夫、貴方は我らエルフが保護した。今は取り敢えず襲われる心配はしなくて良いから身体を休めるんだ。」

父さんが優しく語りかけると、壊れたラジオの様に呻いてたが、安心したのかすぐに気を失った。

「父さん、盗賊の話が本当なら里が危ない。」

「ああ。里に戻り次第、長老に話してくる。お前はその男を頼むぞ。」

お互いに頷くと、里への脚を速める。

初めての異種族交流がこれかよ!

この手のトラブルは関わりたくなかったが、里の近くで野盗が現れたとなったら話は別だ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


里に着いた後、急いで手当を始めた。

まぁ、俺が回復魔法使えば良いだけなんだが、情報が里の外に行くのは避けたい。

俺の夢の邪魔になりそうなら見捨てる覚悟だ。
応急処置を済ませ、少し考える。

「傷は浅いし数日あれば元気になるだろう。後はこいつが目を覚ましてからだな。」

応急処置を済ますと、俺は精霊を監視に置いて外に出る。一応こいつが奴隷商人でエルフを捕まえに来た可能性も捨てきれないからだ。

「ウルド、人族を助けたそうだな。生きているのか?」

外に出ると、数人のエルフの戦士とルシウスが立っていた。

「取り敢えず無事だ。ただ、奴隷商人という線もある。ルルや女性達は近付かせないようにしよう。今は精霊に監視させているから、心配ない。」

俺はドライアドに頼んで、目を覚ましたら教えてくれと頼んでおいた。

「わかった。お前が言うならそうしよう。しかし、人族など100年振りだ。悪い兆しでなければ良いが…」

ルシウスが考え込む。100年振りじゃそうなるか。

「父さんが長老に話に行ったから、俺達は待つしかない。一応いつでも動けるようにしとこう。」

もし本当に盗賊が近くにいるなら討伐もあり得る。
弓と剣の手入れしとくか。

弓術はLv7、剣術はLv5になった。
父さんを鑑定した所、弓術Lvが15だったので、まだまだ先は長いな、と気合を入れ直した。

俺が覚悟を決めて手入れしていると、真剣な表情の里長と父さんがやってきた。

まず、父さんが話し始めた。

「待たせたな。里の近くに盗賊がいるとの事だが、まだ信じる事は出来ない。だから、斥候を出して確認する。その後はもし事実の場合は人族の里に降りて冒険者を雇い討伐する。意見のある者はいるか?」

「助けた者が共犯の可能性は?」

ルシウスさんが尋ねる。

「共犯なら森に帰すだけだ。ウルド、人族の様子はどうだ?」

監視の件を知っている父さんが聞いて来た。

「今の所は眠ったままだ。みんなには言ったけど、
まだ奴隷商人の可能性もある。ルルや女性達は近付かせない方がいい。」

ふむ、と頷くと、里長の顔を伺う。

里長も父さんを見て頷き、こちらに向けて語り出す。

「そうだな。よし、これより人族に監視を2人付けよう。それと斥候は、隠密が得意なモウラとウルドに頼みたい。やれるか?」

「「はっ。」」

神妙な顔つきで拝命をする。

望む形とはかなり違う形になったけど、初めての森の外に行けるぞ!

正直な所、人間の街に行けるかも、という事でめちゃくちゃテンションが上がっている。

冒険者はどんな人達なんだろなぁ!
やっぱり、テンプレみたいなやつあるのかなぁー!

俺は顔には出さなかったが、内心ワクワクが止まらなかった。
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