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ヒリスの最後の願い㉕
「お兄様。今朝、庭師の方からお花を頂いたのです。とてもよい香りですよ?……それと痛み止めの薬草も……」
私は痛み止めの薬草が添えられた花が入った小さな花瓶を、お兄様のベッド脇にあるサイドテーブルに置いた。
静かに眠っているお兄様の手に触れると、お兄様の体温が掌に伝わる。腕は変わらず細いままだったけど傷や打撲は綺麗に消えていた。
お兄様が救出されたあの日から四か月が経った。最初のひと月はカッセル卿に付き添って貰って、週に一度お兄様に会いに来ていたけど、今はこうして一人でお兄様に会いに来ている。
(……もう四か月……)
私は手を伸ばし、お兄様のお顔に触れた。お兄様の目元には包帯が巻かれてた。
お兄様のお身体の治療はふた月前に終わった。侍医の方に確認してもらい完治していると告げられ安堵の息を吐いた。
……だけど、お兄様の目元のだけは回復が著しくない。
まるで私の治療を拒んでいるかのような……。
イーダ様とイグリート卿から決して焦ってはならないと言われている。
「お兄様……」
そっと呼びかけてみたが、お兄様は反応せず眠り続けてる。……お兄様が目を覚ましたことは一度もない。
「お兄様、昨日ね……」
私は傍にあった椅子に腰かけ、お兄様に昨日あったことを静かに語った。
『精神的に酷く疲労しているのでしょう。今はお心を休めるのが先決です。……時々で構いません。話しかけてあげてください。耳は聞こえておりますので』
侍医に言われ私はお兄様にいろいろなことを聞かせた。ここの方たちに良くして貰っていること。お兄様のお姿にショックを受け、食事が摂れなくなった私のために色々と工夫して食事を作ってくれたことを。他にも騎士たちの訓練の様子や、私に仕えてくれている侍女たちのこと。
そしてイーダ様のこと……。
「……ふふ。そしたらフィリップ卿がね……、………フィリップ…………卿がね…」
涙が頬をつたった。
「…ご、ごめんなさい……。涙が勝手に……。……ごめんなさ…ッッ」
私は小さく嗚咽を漏らした。
(……本当は)
本当はとっくに気付いてる。嫌でも気付いてしまう。
お兄様の目元が火傷だけで済まなかったことを……。
「……ふっ……うぅ……ッッ」
イーダ様とイグリート卿はもっと早くに気付いてたと思う。いいえ、騎士のみんなもきっと気付いてた。
(もう……)
もう二度と、お兄様の瞳に光が戻らないことを……。
「おにい……さま……ッッ!」
私は嗚咽を殺し、一人静かに泣いた。
………どれくらい経っただろう。いいえ、そんなに経っていないと思う。私は小さく鼻を啜り、目元を拭った。
「お兄様、また来ますね……」
私はなんとかお兄様に笑いかけて部屋を後にした。
***********
「フィーネ嬢、今日はお茶に誘っていただきありがとうございます。よろしければこちらを」
来賓客の交流の場として誂えたお部屋のバルコニーに姿を現したイーダ様は、小さな花束を私に差し出した。
ここに避難した当初は艶やかな花束をいつも頂いていたけれど、今は私好みの慎ましい花束を持ってきてくださる。
「ありがとうございます。イーダ様もご多忙の中、来てくださりありがとうございます」
「いえ、粗方片が付いていたので問題ありません」
「それなら良かったです。どうぞおかけください」
「では……」
私は受け取った花束を傍に控えていた侍女に渡し、自分も席に座った。
もう一人の侍女がそれぞれのティーカップにお茶を注いだ後、私は後ろに控えているイグリート卿を残して、すべての侍女を退出させた。
この部屋でお茶の席を設け、イグリート卿を残したのは婚約もしてない未婚の女性が、拝借しているといえど自分の部屋に殿方を招き入れるのは外聞によろしくないからだ。
あえてバルコニーを選んだのも、余計な誤解を招かないため。
(それでも恐らく不十分だけど……)
噂というのは自分の都合のいいほうに捻じ曲げる。……悪意をもっていれば尚更。
「防音の魔道具を使ってもよろしいか?」
イーダ様は侍女を下がらせた私の意図に気付き、内ポケットから手のひらサイズの魔道具を取り出しテーブルに置いた。
「構いません」
私が許可するとイーダ様は装置に供えられた魔石に触れた。すると先ほどまで聞こえていた緩やかな風に揺らいでいた木の葉の音や、小鳥のさえずりがぴたりと止まった。
「申し訳ない。余り人に聞かれたくない話ですから」
「問題ありません。私のほうこそもっと早く応対すべきことでしたのに……」
ずっとお兄様のことで頭がいっぱいで、気付いたのは最近のこと。
イーダ様が何か言いたげな顔で私を見ていたことに気付いた。
イーダ様とまったく会話をしなかったわけではない。だけどその時の私は周りを見ている余裕なんてなかったのだ。
「いえ、フィーネ嬢のお心が落ち着くまでこの話はしないと決めたのは私のほうです。ですのでフィーネ嬢が気に病む必要はありません」
「ありがとうございます」
「……イグリート卿からはどこまでお聞きしておりますか?」
「全部です」
お兄様の治療がだいたい終わった頃、私はお兄様の救出についてイグリート卿から話を聞いた。そして第四王子殿下セザール・バスチアン・セルヴォスのある言葉に胸がざわついた。
「では、単刀直入に聞きます。第六王子殿下、ヒリス・バスチアン・セルヴォスとは一体どんな人物なのですか? 第四王子が言った″今度は救えるといいな″というのは彼のことですか? あなたが彼を助けたい理由は一体なんなのですか?」
私は膝の上で微かに震えている手を握った。
イグリート卿からも「一度も面識はありませんよね?」と聞かれた。
一度目の人生の時、彼とは一度も会ったことはない。彼のことはお兄様からしか聞かされていない。
(もう……)
もう、すべてを話すしかない。
「………彼はお兄様の命の恩人です」
「恩人? あなたの兄といつ面識が?」
「お兄様が捕虜になっていた時に……。でも彼が恩人だと分かったのはずっと後の話です」
「フ、フィーネ嬢、ちょっと待ってください。あなたは一体何をッ……」
「イーダ様」
困惑するイーダ様の言葉を遮って私は真っ直ぐと彼を見た。
「今からお話することは到底信じられることではないと重々承知しております。私の狂言だと思うでしょう。……ですが。ですがすべて事実なのです」
「……フィーネ嬢?」
脳裏に浮かぶ庭園の隅に置かれた小さな墓標の前に立つお兄様の後ろ姿。
私は深く息を吐き出した。
「イーダ様、私には同じ人生を………きゃあッッ!」
「フィーネ嬢っ‼」
「皇女殿下っ‼」
同じ人生を歩んだ記憶があるのです。と言おうとした矢先、地面が大きく揺れた。
その瞬間、私は大きく目を見開いた。
地面が大きく揺れたのと同時にイーダ様の肩越し、遠く離れた場所にあるガラス窓が砕け散り、中から……。
黄金に輝く光がほとばしった。
私は痛み止めの薬草が添えられた花が入った小さな花瓶を、お兄様のベッド脇にあるサイドテーブルに置いた。
静かに眠っているお兄様の手に触れると、お兄様の体温が掌に伝わる。腕は変わらず細いままだったけど傷や打撲は綺麗に消えていた。
お兄様が救出されたあの日から四か月が経った。最初のひと月はカッセル卿に付き添って貰って、週に一度お兄様に会いに来ていたけど、今はこうして一人でお兄様に会いに来ている。
(……もう四か月……)
私は手を伸ばし、お兄様のお顔に触れた。お兄様の目元には包帯が巻かれてた。
お兄様のお身体の治療はふた月前に終わった。侍医の方に確認してもらい完治していると告げられ安堵の息を吐いた。
……だけど、お兄様の目元のだけは回復が著しくない。
まるで私の治療を拒んでいるかのような……。
イーダ様とイグリート卿から決して焦ってはならないと言われている。
「お兄様……」
そっと呼びかけてみたが、お兄様は反応せず眠り続けてる。……お兄様が目を覚ましたことは一度もない。
「お兄様、昨日ね……」
私は傍にあった椅子に腰かけ、お兄様に昨日あったことを静かに語った。
『精神的に酷く疲労しているのでしょう。今はお心を休めるのが先決です。……時々で構いません。話しかけてあげてください。耳は聞こえておりますので』
侍医に言われ私はお兄様にいろいろなことを聞かせた。ここの方たちに良くして貰っていること。お兄様のお姿にショックを受け、食事が摂れなくなった私のために色々と工夫して食事を作ってくれたことを。他にも騎士たちの訓練の様子や、私に仕えてくれている侍女たちのこと。
そしてイーダ様のこと……。
「……ふふ。そしたらフィリップ卿がね……、………フィリップ…………卿がね…」
涙が頬をつたった。
「…ご、ごめんなさい……。涙が勝手に……。……ごめんなさ…ッッ」
私は小さく嗚咽を漏らした。
(……本当は)
本当はとっくに気付いてる。嫌でも気付いてしまう。
お兄様の目元が火傷だけで済まなかったことを……。
「……ふっ……うぅ……ッッ」
イーダ様とイグリート卿はもっと早くに気付いてたと思う。いいえ、騎士のみんなもきっと気付いてた。
(もう……)
もう二度と、お兄様の瞳に光が戻らないことを……。
「おにい……さま……ッッ!」
私は嗚咽を殺し、一人静かに泣いた。
………どれくらい経っただろう。いいえ、そんなに経っていないと思う。私は小さく鼻を啜り、目元を拭った。
「お兄様、また来ますね……」
私はなんとかお兄様に笑いかけて部屋を後にした。
***********
「フィーネ嬢、今日はお茶に誘っていただきありがとうございます。よろしければこちらを」
来賓客の交流の場として誂えたお部屋のバルコニーに姿を現したイーダ様は、小さな花束を私に差し出した。
ここに避難した当初は艶やかな花束をいつも頂いていたけれど、今は私好みの慎ましい花束を持ってきてくださる。
「ありがとうございます。イーダ様もご多忙の中、来てくださりありがとうございます」
「いえ、粗方片が付いていたので問題ありません」
「それなら良かったです。どうぞおかけください」
「では……」
私は受け取った花束を傍に控えていた侍女に渡し、自分も席に座った。
もう一人の侍女がそれぞれのティーカップにお茶を注いだ後、私は後ろに控えているイグリート卿を残して、すべての侍女を退出させた。
この部屋でお茶の席を設け、イグリート卿を残したのは婚約もしてない未婚の女性が、拝借しているといえど自分の部屋に殿方を招き入れるのは外聞によろしくないからだ。
あえてバルコニーを選んだのも、余計な誤解を招かないため。
(それでも恐らく不十分だけど……)
噂というのは自分の都合のいいほうに捻じ曲げる。……悪意をもっていれば尚更。
「防音の魔道具を使ってもよろしいか?」
イーダ様は侍女を下がらせた私の意図に気付き、内ポケットから手のひらサイズの魔道具を取り出しテーブルに置いた。
「構いません」
私が許可するとイーダ様は装置に供えられた魔石に触れた。すると先ほどまで聞こえていた緩やかな風に揺らいでいた木の葉の音や、小鳥のさえずりがぴたりと止まった。
「申し訳ない。余り人に聞かれたくない話ですから」
「問題ありません。私のほうこそもっと早く応対すべきことでしたのに……」
ずっとお兄様のことで頭がいっぱいで、気付いたのは最近のこと。
イーダ様が何か言いたげな顔で私を見ていたことに気付いた。
イーダ様とまったく会話をしなかったわけではない。だけどその時の私は周りを見ている余裕なんてなかったのだ。
「いえ、フィーネ嬢のお心が落ち着くまでこの話はしないと決めたのは私のほうです。ですのでフィーネ嬢が気に病む必要はありません」
「ありがとうございます」
「……イグリート卿からはどこまでお聞きしておりますか?」
「全部です」
お兄様の治療がだいたい終わった頃、私はお兄様の救出についてイグリート卿から話を聞いた。そして第四王子殿下セザール・バスチアン・セルヴォスのある言葉に胸がざわついた。
「では、単刀直入に聞きます。第六王子殿下、ヒリス・バスチアン・セルヴォスとは一体どんな人物なのですか? 第四王子が言った″今度は救えるといいな″というのは彼のことですか? あなたが彼を助けたい理由は一体なんなのですか?」
私は膝の上で微かに震えている手を握った。
イグリート卿からも「一度も面識はありませんよね?」と聞かれた。
一度目の人生の時、彼とは一度も会ったことはない。彼のことはお兄様からしか聞かされていない。
(もう……)
もう、すべてを話すしかない。
「………彼はお兄様の命の恩人です」
「恩人? あなたの兄といつ面識が?」
「お兄様が捕虜になっていた時に……。でも彼が恩人だと分かったのはずっと後の話です」
「フ、フィーネ嬢、ちょっと待ってください。あなたは一体何をッ……」
「イーダ様」
困惑するイーダ様の言葉を遮って私は真っ直ぐと彼を見た。
「今からお話することは到底信じられることではないと重々承知しております。私の狂言だと思うでしょう。……ですが。ですがすべて事実なのです」
「……フィーネ嬢?」
脳裏に浮かぶ庭園の隅に置かれた小さな墓標の前に立つお兄様の後ろ姿。
私は深く息を吐き出した。
「イーダ様、私には同じ人生を………きゃあッッ!」
「フィーネ嬢っ‼」
「皇女殿下っ‼」
同じ人生を歩んだ記憶があるのです。と言おうとした矢先、地面が大きく揺れた。
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地面が大きく揺れたのと同時にイーダ様の肩越し、遠く離れた場所にあるガラス窓が砕け散り、中から……。
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