チートな家臣はいかがですか?

織田っち

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第三章~筆頭家老としての行動 関東編~

関東遠征5

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「孫市、例のものを扱える者を昌幸の元に残してやれ。ほかの者はすべて佐竹義重討伐に向かう。」

「承知致しました。」

素早く兵をまとめた刹那は下総にいる佐竹へと軍を進めた。
左近が鍛えた刹那の軍は三河武士の忠誠心と現代の自衛隊や軍などの訓練を徹底的に叩き込まれた戦国最強の名に相応しいほどの兵となっていた。
そのため兵達の表情には自信が満ち溢れていた。
だが、それに慢心することはなく日々訓練を欠かすものは神威軍の中にはいない。

「左近、義重を倒す策はあるか。」

「はい、ですが、まず佐竹の戦力や武将、配置について知っておかなければなりません。」

「その点は向かっている間に丹波の配下がそつなく調べてくれるだろう。」

しばらくすると丹波の配下がやってきて情報を教えてくれた。

「刹那様、ただいま義堯殿は命に従い久留里城へと撤退を進めております。また、佐竹義重はそれを好機と見て里見勢を追撃しております。現在我ら伊賀衆がさまざまな手を使いその追撃を阻止しているため義重は苛立っている状況でございます。兵力はおよそ1万。騎馬隊3000足軽隊5000弓隊1000兵糧部隊1000。」

「そうか、ありがとう。義堯殿に我らが佐竹の背後をついて攻撃を加えるためそれまでは久留里城にて防戦をするようにと伝えてくれ。また頃合いを見て合図を出すためそれを確認したら城から出て挟撃をするようにと。」

「はっ。」

忍びはそう言うとすぐに姿を消した。

「やはり義重は騎馬を主体とした編成を行ってきたか。」

「殿の予想なされた通りにございますな。」

「左近、これで私がやりたい策はもう把握したな。」

「ええっ。後は我らにお任せを。」

左近はそう言うと刹那の元から離れ後ろを走っている孫市の元へと向かった。

「さて、佐竹義重をどう攻略するか。予定通りに事が進むとは限らないから更にもうひとつ、策を用意しておこう。」

刹那が下総へと歩を進めてから10日あまりが過ぎていた。

「神威殿はそろそろつく頃であろうか。」

久留里城から佐竹の軍を見ながら里見義堯は独り言を呟いた。

「義堯殿、まもなく殿が着くとのこと。ご安心なされよ。」

「丹波殿、急に後ろに立たんでくれ。さすがに伊賀の忍びに後ろにおられては生きた心地がせん。」

「ふっ、これは失礼致した。しかし、我ら忍びは影故に主にすら姿を感じられてはいけないのでな。」

「ここ数日よく思うが、刹那殿はよく伊賀衆だけでなく、自前の忍びまで統率できるものだ。わしにはそのようなことはできん。」

「あの方は特別なお方だからしかたあるまい。今の徳川を作ったのも何を言おうとあのお方の手腕だ。」

「あれほどの器量を持っておれば天下など容易く手に入れられるであろうに。」

「己が天下を望まぬのがあのお方の面白きところでしょうな。」

目前に佐竹軍1万が迫っているとは思えないような落ち着きようであった。
これもまた刹那が間近まで来ているのを知ったからであろう。

その頃久留里城に対峙している佐竹義重は久留里城の近くにある平野に陣を構えて機を狙っていた。

「久留里城は左右と後方を山に囲まれた土地にある城だ。攻め込むには正面で進むしかない。しかし、むやみに攻めればどこからともなく兵が現れこちらに損失が出るばかりだ。」

「殿、少しよろしいでしょうか。」

「おお、昭為か、いかがした。」

義重が一人これからの策に関して考えていると筆頭家老の和田昭為がやってきた。

「ここで時間をかけるのは上策ではないと心得ます。」

「どうゆうことだ。里見に援軍でもあると言うのか。」

「はい、可能性の話にはなりますが、徳川がこちらに兵を向かわせるのではないかと。」

「北条を相手している状態でこちらに兵を割くことはさすがにあるまい。」

「いえ、今回は徳川だけでなく武田も共に動いておりますゆえ、不可能ではないかと。」

「だが、氏康の話では上杉にも援軍を要請したとあった。武田がそこまで無謀なことをするか?」

「これはまだ噂ですが、川中島付近まで来ていた上杉が後退し、沼田のほうへと進路を変えたと言う噂があるのです。それが誠であれば、こちらに兵を送れる状態になるのではないでしょうか。」

「なにっ。それはまことかっ。」

義重は焦った。義重がここまで大胆な侵攻に及んだのはなにも北条の義理立てのためではない。北条が弱っている隙に関東での覇権を手中にしようと考えたからである。
また、義重は自らの緻密な計算から徳川と武田が北条に攻めてこようと戦国最強と言われる軍神、上杉謙信と宿敵である北条氏康が組めば、互角に戦えると踏んでいたのである。
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