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第三章~筆頭家老としての行動 関東編~
関東遠征6
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もちろん、義重の頭の中に神威刹那の名はあったが、上杉謙信、北条氏康の前にはそれほどの脅威だとは考えていなかったのである。
刹那は自分が家康よりも目立ちすぎるのを嫌い、家康が公に流している情報以外の隠密を絡める情報系はすべて伊賀衆と半蔵が率いる徳川衆によって隠してきた。
徳川家中において知られている当たり前の情報が交流のない家には知られていないこともあるために同盟国以外においては刹那の評価は活躍よりも低かったのが今回の義重の油断を生むことに繋がった。
「昭為、お主の予想では後どのくらいで援軍が来ると思う。」
「早ければ後10日あまりかと。徳川は10日ほど前に玉縄と三崎を落としたと情報がありますので、軍を再編し、援軍の総大将を決め、指揮系統を一本化し、こちらに向かうにはそのくらいの時間が必要かと存じます。」
「後10日だとっ。このまま兵を損ねることを恐れて兵糧攻めをする時間などないと言うことかっ。」
義重はそう判断するとすぐに昭為に軍議を開くために将を集めさせ、その軍議で方針を伝えるとすぐに久留里城への攻撃を開始した。
「義堯殿、どうやら佐竹軍が攻城を開始する様子。」
「義弘、兵を指揮し久留里城を守り通せ。」
「はっ。父上。」
「息子殿を信じておいでなのですな。」
「徳川家へのご用はわしが受け持っておるが、当家の実権はすでに義弘に託しておるのだ。ここを防ぐのもやつの務めよ。それに刹那殿が後から寄越した書状にも指揮は義弘にと書いてあったしのぉ。」
「あの若さで我が殿はさすがとしか言いようがないわ。」
そう言いながら微笑む義堯と丹波であった。その雰囲気はこれから攻められるようとしている城にいる者とは思えないような状況だった。
義弘は久留里城の要所要所に鉄砲隊を配置して回りの山々を利用したゲリラ戦を仕掛けては撤退をするという策を取って佐竹軍を撹乱していた。
「どこからともなく現れてはすぐに撤退して戦うつもりがあるのか、里見のやつらはっ。」
まともな戦いをさせてもらえず、また迫り来る徳川軍とで焦りが募り怒りをあらわにする義重。
「殿、まずは落ち着かれませ。冷静さを失っては今以上に敵の思う壺でございますぞ。」
「ええっい、うるさい。昭為、そのようなことを申すのであれば早う久留里城を攻略する糸口を見つけぬかっ。」
「殿っ。皆、殿のために死物狂いで攻城を行ってとります。殿がしっかりとなさらなければ兵たちが頑張ろうとも勝ちなどありませぬぞっ。」
当主になって以来家臣の前でこれまでの焦りようを見せたことがない義重だったが、今回ばかりは時間との勝負と里見勢の予想以上の善戦に普段の冷静さを失っていた。
それを理解した昭為は心を鬼にして義重を叱った。
「そっ、そうであった。わしとしたことが冷静さをなくし無駄に時間と兵を失うところであった。昭為、なにか策はあるか。」
「今回はいかに早く久留里城を攻め落とすことができるのか。通常であれば、時間をかけじっくりと相手の戦意を挫いていくのが良策ですが、今回は援軍がある故に城方の士気は落ちませぬ。そのため、内密に調略をできないものかと配下の者を動かしてはおるのですが、どうも里見勢の団結力は強く未だ成果を挙げられてはおらぬ状況でございます。」
「そのような策をしておったのか。」
「差し出がましいことを致しまして申し訳ございません。」
「いや、少ない時間で様々な策を実行することは大事だ。その調略の失敗からも里見勢の結束力を見ることができた。よくやった。」
「殿、しかし、こうなっては久留里城を落とすのは難しいかもしれませぬ。久留里城付近の地形は山々が並ぶ場所にございますれば、後方から援軍がくれば挟撃をくらい壊滅する可能性が高うございます。」
「では、どのようにすると言うのだ。」
義重の問いに少し間を空けてから昭為は悔しそうに
「ここは久留里城を諦め撤退するしかないかと。」
と一言発した。
「手に入れた下総の地を諦めよと申すのかっ!!」
昭為の発言に思わず声を荒らげながらそう返した義重。
「口惜しゅうはございますが、地の利は敵にあり、援軍がくれば数の利までもあちらに奪われまする。」
義重は少し考えると
「昭為、3日だ。後3日攻城を進める。それで攻略できなければ太田城へ帰る。」
「はっ。」
義重は一門の佐竹義斯と佐竹義堅にそれぞれ騎馬隊と足軽隊を指揮するように命じ、自らも久留里城攻城に加わった。
当主である義重が前線に加わったことで佐竹軍の士気は多いに上がり劣勢だった状況も好転した。
「くっ、やはり鬼義重の名は伊達ではないかっ。父上に任された以上久留里城は決して渡しはせんぞっ!!」
奮戦する義弘だったが、勢いを増した佐竹軍は強く、ついに城門が壊された。
「よし、城門を突破したぞっ。皆、このまま久留里城を落とすのだっ。」
久留里城の城門を突破できたのは義重が言った期限のちょうど最終日である3日目だった。
刹那は自分が家康よりも目立ちすぎるのを嫌い、家康が公に流している情報以外の隠密を絡める情報系はすべて伊賀衆と半蔵が率いる徳川衆によって隠してきた。
徳川家中において知られている当たり前の情報が交流のない家には知られていないこともあるために同盟国以外においては刹那の評価は活躍よりも低かったのが今回の義重の油断を生むことに繋がった。
「昭為、お主の予想では後どのくらいで援軍が来ると思う。」
「早ければ後10日あまりかと。徳川は10日ほど前に玉縄と三崎を落としたと情報がありますので、軍を再編し、援軍の総大将を決め、指揮系統を一本化し、こちらに向かうにはそのくらいの時間が必要かと存じます。」
「後10日だとっ。このまま兵を損ねることを恐れて兵糧攻めをする時間などないと言うことかっ。」
義重はそう判断するとすぐに昭為に軍議を開くために将を集めさせ、その軍議で方針を伝えるとすぐに久留里城への攻撃を開始した。
「義堯殿、どうやら佐竹軍が攻城を開始する様子。」
「義弘、兵を指揮し久留里城を守り通せ。」
「はっ。父上。」
「息子殿を信じておいでなのですな。」
「徳川家へのご用はわしが受け持っておるが、当家の実権はすでに義弘に託しておるのだ。ここを防ぐのもやつの務めよ。それに刹那殿が後から寄越した書状にも指揮は義弘にと書いてあったしのぉ。」
「あの若さで我が殿はさすがとしか言いようがないわ。」
そう言いながら微笑む義堯と丹波であった。その雰囲気はこれから攻められるようとしている城にいる者とは思えないような状況だった。
義弘は久留里城の要所要所に鉄砲隊を配置して回りの山々を利用したゲリラ戦を仕掛けては撤退をするという策を取って佐竹軍を撹乱していた。
「どこからともなく現れてはすぐに撤退して戦うつもりがあるのか、里見のやつらはっ。」
まともな戦いをさせてもらえず、また迫り来る徳川軍とで焦りが募り怒りをあらわにする義重。
「殿、まずは落ち着かれませ。冷静さを失っては今以上に敵の思う壺でございますぞ。」
「ええっい、うるさい。昭為、そのようなことを申すのであれば早う久留里城を攻略する糸口を見つけぬかっ。」
「殿っ。皆、殿のために死物狂いで攻城を行ってとります。殿がしっかりとなさらなければ兵たちが頑張ろうとも勝ちなどありませぬぞっ。」
当主になって以来家臣の前でこれまでの焦りようを見せたことがない義重だったが、今回ばかりは時間との勝負と里見勢の予想以上の善戦に普段の冷静さを失っていた。
それを理解した昭為は心を鬼にして義重を叱った。
「そっ、そうであった。わしとしたことが冷静さをなくし無駄に時間と兵を失うところであった。昭為、なにか策はあるか。」
「今回はいかに早く久留里城を攻め落とすことができるのか。通常であれば、時間をかけじっくりと相手の戦意を挫いていくのが良策ですが、今回は援軍がある故に城方の士気は落ちませぬ。そのため、内密に調略をできないものかと配下の者を動かしてはおるのですが、どうも里見勢の団結力は強く未だ成果を挙げられてはおらぬ状況でございます。」
「そのような策をしておったのか。」
「差し出がましいことを致しまして申し訳ございません。」
「いや、少ない時間で様々な策を実行することは大事だ。その調略の失敗からも里見勢の結束力を見ることができた。よくやった。」
「殿、しかし、こうなっては久留里城を落とすのは難しいかもしれませぬ。久留里城付近の地形は山々が並ぶ場所にございますれば、後方から援軍がくれば挟撃をくらい壊滅する可能性が高うございます。」
「では、どのようにすると言うのだ。」
義重の問いに少し間を空けてから昭為は悔しそうに
「ここは久留里城を諦め撤退するしかないかと。」
と一言発した。
「手に入れた下総の地を諦めよと申すのかっ!!」
昭為の発言に思わず声を荒らげながらそう返した義重。
「口惜しゅうはございますが、地の利は敵にあり、援軍がくれば数の利までもあちらに奪われまする。」
義重は少し考えると
「昭為、3日だ。後3日攻城を進める。それで攻略できなければ太田城へ帰る。」
「はっ。」
義重は一門の佐竹義斯と佐竹義堅にそれぞれ騎馬隊と足軽隊を指揮するように命じ、自らも久留里城攻城に加わった。
当主である義重が前線に加わったことで佐竹軍の士気は多いに上がり劣勢だった状況も好転した。
「くっ、やはり鬼義重の名は伊達ではないかっ。父上に任された以上久留里城は決して渡しはせんぞっ!!」
奮戦する義弘だったが、勢いを増した佐竹軍は強く、ついに城門が壊された。
「よし、城門を突破したぞっ。皆、このまま久留里城を落とすのだっ。」
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