チートな家臣はいかがですか?

織田っち

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第五章~近畿大波乱~

崩壊、そしてゼロからのスタート5

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「あっ、あれは長政様だっ!!長政様がおられるぞ。」

「俺らが対峙しているのが長政様だったなんて。」

「皆、仲間同士で戦わせるようなことになってすまない。こうなってしまったのも不甲斐ない私の責任だ。だが、私は父上のしていることがどうしても正しいとは思えない。だからこのように自らが手を下すことにした。都合のいい話だとはわかっている。だが、どうか今一度私に皆の力を貸してはもらえないだろうか。」

長政はそこまで言うと敵浅井兵に向かって頭を下げた。

それを見た浅井兵は、

「長政様。」

そう長政の名前を口に出して武器を落とした。

こうして長政の降伏勧告に大嶺城の兵たちは涙ながらに降伏を決意したのである。

大嶺城攻めでの損失は負傷兵が150、死者50であった。

「殿、大嶺城を攻略致しましたぞ。」

「海玄お疲れ様でした。捕虜はいつもの通り丁重に扱うように。」

「心得ておりますとも。今は長政殿が降伏兵達をまとめておりますのでご安心を。」

「長政を呼んできてくれ。」

刹那は控えていた兵にそう伝えた。

「殿、お呼びでしょうか。」

「長政、大嶺城の攻略ご苦労様でした。降伏した者達の処遇は後で決めることになるでしょうが、私ができる限り口添えをするので安心してください。」

「ありがとうございます。皆父上に翻弄されただけであの者らに罪はありません。」

「では、大嶺城を落としたからには次は小谷城を本格的に攻めることになりますが、どうしますか?このまま戦の先陣に立ちますか?それとも後方で控えますか?」

長政の気持ちを考えた刹那は本人にどうしたいかの気持ちを聞いた。

「このまま先陣で行かせていただきたく思います。」

「今度は本当に父上と戦うことになりますが、それでも大丈夫ですか?首を奪いに行くのですよ?」

刹那のその言葉を静かに聞いた長政は一つ頷いて、

「殿にお使えすると決めてからそこに関しては覚悟を決めております。ご配慮ありがとうございます。ですが、どうかこのまま先陣をお許し願います。」

長政の強い意思を確認した刹那は、

「わかりました。直経。」

「はっ。」

「長政の補佐、しっかり頼みますよ。」

「お任せください。」

「海玄、幸隆、あなた達も小谷城攻めで大いに活躍してもらいますよ。でなければあちらに残っている左近に申し訳ないですからね。」

「やれやれ、老人扱いが酷いわい。だが、そうでなければ面白くない。長政殿とともに必ずや小谷も落としてみせますわい。」

「期待しています。今回は私も出ますのでよろしくお願いしますね。」

刹那はそう言いながら三人を見た。

すると海玄と幸隆の顔がひきつった。

「おふた方どうなされたのですか?顔がひきつっておりますよ?」

「いやぁのぉ。殿が戦に出るということを聞いて思わずな。」

「はい。殿が戦に出ると容赦がなくなりますからな。小谷方としては恐ろしい時間を過ごすことになるでしょう。」

その時にはまだ長政は想像すらしていなかった。
これから起こる小谷の悲劇を。
本当に刹那の下について良かったと心から思うことになるのである。

明朝、刹那は自軍2300を率いて小谷城攻めを開始した。
家康から後ほど援軍として3000の兵が来る手はずとなっている。

「さぁ、浅井久政殿に徳川と敵対したことを後悔させてあげましょう。」

刹那はそう兵に声をかけ士気を上げた。

「では、皆、いつものように命を第一に!!無謀な攻めは必要ない。それで負ければすべては私の責任だ。皆に責めを負うようなことは一切ない。帰って家族と笑顔で再会するぞ!!」

「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」

この普通とは思えない鼓舞こそが神威家の生存率の高さと士気の高さを生み出しているのである。

ここに小谷城に篭る浅井兵5000と神威兵2300の戦が始まるのである。

神威勢が小谷城攻めを行っている最中、刹那の元に一つの知らせが届いた。
それは越前へ引き返してきていたはずの朝倉家が軍を再編し小谷城へ迫っているというものであった。

それにより織田軍は小谷城攻めから朝倉軍への対応に追われることにより小谷城攻めは徳川家のみで行わなければならなくなった。

しかし、それを聞いた刹那は笑みを一つ見せた。

「これで徳川の力を大きく織田に印象づけることが可能になるだけじゃなく、他の大名家への威圧にもなるだろうな。」

その一つの呟きも誰かが聞くこともなく戦の騒音にかき消されることになる。

その時、本陣にいた家康にも焦りは一切なかった。

「今回の戦にも刹那がいる。そんなに恐ることはない。むしろ刹那のことだ、これを好機と見ているのではないか?」

その家康の発言に忠勝などが賛同するのであった。
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