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第九章~西国での動き~
西日本大騒動
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家族との楽しげな夕餉を済ませた刹那は、左近、海玄、幸隆、直盛、直虎、直政とともにこれからの行動について話をしていた。
「これからのことについて、直虎、思うところを述べてみなさい。」
「はっ。現在、徳川家は織田家、里見家、佐竹家、武田家に臣下の礼を取らせており、上杉家と同盟を結んでおります。また、正式な同盟関係ではありませんが、毛利家と不戦協定のようなものがある状態です。そして、今の徳川家にとって敵となりうる存在は羽柴家、そして四国の長宗我部家です。東北のほうにも伊達家や南部家がおりますが、現在のところは友好でも敵対でもありませんので、そちらは警戒だけで良いかと思われます。」
「そうだな。それで。」
「はい。我らの当面の敵となりうる羽柴家、そして佐竹家の敵になりえる長宗我部家その両家についてですが、長宗我部家はまず河野家に攻め入るのが上策だと思われます。長宗我部家がいくら統治がまだ不安定なところがあるとはいえ、徳川や我らが後ろにいるのを知っていて佐竹家に攻め入るのは愚行すぎます。長宗我部の当主、元親は優れた武将だと聞いております故。長宗我部家は我らに敵対するのは早くても河野家を滅ぼした後だと予想できます。」
「確かに河野は長宗我部にとって格好の的だろう。しかし、河野は毛利と誼を通じているぞ?」
「確かに毛利と河野は繋がりがあります。しかし、その毛利も東に羽柴、宇喜多、西に大友がおりむやみに兵を動かすことはできません。羽柴が長宗我部に呼応して毛利が動きだした時に兵を毛利に差し向ける約束をしていれば毛利は場合によっては東西を同時に相手にしなければならなくなります。そうなれば長宗我部は毛利を気にせずに河野へ攻め込むことが可能です。」
「では、若はどうするべきだと考えておられるのかのぉ。」
海玄の言葉に直虎は、
「我らが先に河野を支配下に置きます。」
そう答えた。
「ほう、若は先に河野を攻めると申すのか。そこにどのような大義名分が存在するので?」
直虎の意見に今度は幸隆が声を上げた。
「幸隆の言うように河野へ攻め入ればそれは大義名分のないこと。それでは義を重んじる上杉との関係を悪くするかもしれない。だから河野を支配下には置くが攻めることはしない。」
「ではどうする。」
今度は刹那が試すような感じで聞いた。
「はい。長宗我部が攻めることを河野へ知らせます。」
「知らせてどうする。」
「河野は長宗我部が攻めるとわかれば毛利に助けを求めるはずです。しかし、毛利の援軍は出ないと知ることになるでしょう。その絶望的な状態になっている河野へ再度赴き徳川の支配下に入れば長宗我部から領地を守るのに協力できると言ってその気にさせます。」
直虎の意見を聞いてほかの者達は頷いたりしていた。
しかし、刹那だけは渋い顔をしていた。
「悪くない策だとは思う。河野に目を付けたのは良い。しかし、その策には不確定なことがあるぞ、直虎。」
「どのようなことでしょうか、父上。」
「まず、河野へ長宗我部が攻めるのを知らせると言うことは良い。しかしだ、そこで毛利を頼るように仕向けるのが悪手だ。それでは遅すぎる。」
「遅すぎるとはどうゆうことでしょうか、大殿。」
直政が直虎に代わって質問した。
「良いか直政。長宗我部は既に軍備を整えておる。河野が毛利へ使者を送りその使者が戻るまでの間に長宗我部は間違いなく侵攻を開始しておるはずだ。そうなれば我らが河野領へ入る前に河野は大きな被害を受ける。」
「そうなれば長宗我部に降伏する可能性があると言うことですか。」
「そうだ。」
「ではどのようにすれば。」
直虎の質問に刹那は、
「ふっ、まず我らが使者を向けるのは大元の毛利よ。」
不敵な笑みを浮かべながらそう答えた。
「毛利、でございますか。」
「あぁ。毛利領が侵攻の危機に晒されていることを先に知らせるのだ。そうすればどうなる?」
刹那の問いに対して直虎が返答した。
「己が領内が侵攻の危機にあるならばその対処に動きます。あっ。」
「直虎、気付いたようだな。」
「はいっ。毛利が兵を羽柴、大友との国境付近に兵を固める。そうなればそれは河野へも伝わる。その状態で自領に長宗我部が迫る。そうなれば頼るべきなのは毛利家と好を通じている我ら徳川家。」
「そうだ。河野への使者は入らぬ。むしろ河野側から我らに従うように自ら越させるのだ。」
「こちらから行けば河野の家中で毛利派や長宗我部に降伏すべきと述べる者達が離反などをする可能性があるが、河野側からこちらへと恭順させればその可能性は低くなると言うことじゃな?」
刹那の説明を聞いて直盛が補足のように確認した。
「さすがは殿にございます。」
「父上、しかし、羽柴や大友が毛利へ攻めいる確固たる証拠はどのように掴みますか?毛利は大国。証拠がないものは信じない可能性が高いですが。」
「若、それなら安心なされぃ。」
直虎の言葉に部屋の外から声が聞こえ、丹波が部屋に入ってきた。
「丹波、掴めたか。」
「殿の申された通りじゃったわ。」
丹波はそう言うと懐から一枚の書状を出した。
「丹波殿、これは?」
左近がそう聞くと
「羽柴筑前守が大友へと送った書状じゃよ。」
そう答えた。
「これからのことについて、直虎、思うところを述べてみなさい。」
「はっ。現在、徳川家は織田家、里見家、佐竹家、武田家に臣下の礼を取らせており、上杉家と同盟を結んでおります。また、正式な同盟関係ではありませんが、毛利家と不戦協定のようなものがある状態です。そして、今の徳川家にとって敵となりうる存在は羽柴家、そして四国の長宗我部家です。東北のほうにも伊達家や南部家がおりますが、現在のところは友好でも敵対でもありませんので、そちらは警戒だけで良いかと思われます。」
「そうだな。それで。」
「はい。我らの当面の敵となりうる羽柴家、そして佐竹家の敵になりえる長宗我部家その両家についてですが、長宗我部家はまず河野家に攻め入るのが上策だと思われます。長宗我部家がいくら統治がまだ不安定なところがあるとはいえ、徳川や我らが後ろにいるのを知っていて佐竹家に攻め入るのは愚行すぎます。長宗我部の当主、元親は優れた武将だと聞いております故。長宗我部家は我らに敵対するのは早くても河野家を滅ぼした後だと予想できます。」
「確かに河野は長宗我部にとって格好の的だろう。しかし、河野は毛利と誼を通じているぞ?」
「確かに毛利と河野は繋がりがあります。しかし、その毛利も東に羽柴、宇喜多、西に大友がおりむやみに兵を動かすことはできません。羽柴が長宗我部に呼応して毛利が動きだした時に兵を毛利に差し向ける約束をしていれば毛利は場合によっては東西を同時に相手にしなければならなくなります。そうなれば長宗我部は毛利を気にせずに河野へ攻め込むことが可能です。」
「では、若はどうするべきだと考えておられるのかのぉ。」
海玄の言葉に直虎は、
「我らが先に河野を支配下に置きます。」
そう答えた。
「ほう、若は先に河野を攻めると申すのか。そこにどのような大義名分が存在するので?」
直虎の意見に今度は幸隆が声を上げた。
「幸隆の言うように河野へ攻め入ればそれは大義名分のないこと。それでは義を重んじる上杉との関係を悪くするかもしれない。だから河野を支配下には置くが攻めることはしない。」
「ではどうする。」
今度は刹那が試すような感じで聞いた。
「はい。長宗我部が攻めることを河野へ知らせます。」
「知らせてどうする。」
「河野は長宗我部が攻めるとわかれば毛利に助けを求めるはずです。しかし、毛利の援軍は出ないと知ることになるでしょう。その絶望的な状態になっている河野へ再度赴き徳川の支配下に入れば長宗我部から領地を守るのに協力できると言ってその気にさせます。」
直虎の意見を聞いてほかの者達は頷いたりしていた。
しかし、刹那だけは渋い顔をしていた。
「悪くない策だとは思う。河野に目を付けたのは良い。しかし、その策には不確定なことがあるぞ、直虎。」
「どのようなことでしょうか、父上。」
「まず、河野へ長宗我部が攻めるのを知らせると言うことは良い。しかしだ、そこで毛利を頼るように仕向けるのが悪手だ。それでは遅すぎる。」
「遅すぎるとはどうゆうことでしょうか、大殿。」
直政が直虎に代わって質問した。
「良いか直政。長宗我部は既に軍備を整えておる。河野が毛利へ使者を送りその使者が戻るまでの間に長宗我部は間違いなく侵攻を開始しておるはずだ。そうなれば我らが河野領へ入る前に河野は大きな被害を受ける。」
「そうなれば長宗我部に降伏する可能性があると言うことですか。」
「そうだ。」
「ではどのようにすれば。」
直虎の質問に刹那は、
「ふっ、まず我らが使者を向けるのは大元の毛利よ。」
不敵な笑みを浮かべながらそう答えた。
「毛利、でございますか。」
「あぁ。毛利領が侵攻の危機に晒されていることを先に知らせるのだ。そうすればどうなる?」
刹那の問いに対して直虎が返答した。
「己が領内が侵攻の危機にあるならばその対処に動きます。あっ。」
「直虎、気付いたようだな。」
「はいっ。毛利が兵を羽柴、大友との国境付近に兵を固める。そうなればそれは河野へも伝わる。その状態で自領に長宗我部が迫る。そうなれば頼るべきなのは毛利家と好を通じている我ら徳川家。」
「そうだ。河野への使者は入らぬ。むしろ河野側から我らに従うように自ら越させるのだ。」
「こちらから行けば河野の家中で毛利派や長宗我部に降伏すべきと述べる者達が離反などをする可能性があるが、河野側からこちらへと恭順させればその可能性は低くなると言うことじゃな?」
刹那の説明を聞いて直盛が補足のように確認した。
「さすがは殿にございます。」
「父上、しかし、羽柴や大友が毛利へ攻めいる確固たる証拠はどのように掴みますか?毛利は大国。証拠がないものは信じない可能性が高いですが。」
「若、それなら安心なされぃ。」
直虎の言葉に部屋の外から声が聞こえ、丹波が部屋に入ってきた。
「丹波、掴めたか。」
「殿の申された通りじゃったわ。」
丹波はそう言うと懐から一枚の書状を出した。
「丹波殿、これは?」
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そう答えた。
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