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侵略準備

アシュロンとの協定成立

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 そんな事があってな。

 属性【狂戦】の究極魔法を使ってみましたぁ~。てへ。

 お陰で蜘蛛族の連中はアシュロンを除いて【狂戦化】かしてて共食いを初めて大混乱だ。

「止めろ、おまえ達っ! 私の言葉が聞こえないのかっ?」

 と叫ぶアシュロンも攻撃されて腕を噛み付かれていた。

「貴様ぁぁぁっ!」

 ブチキレたアシュロンが糸でその蜘蛛の首を刎ねる。

 おっと、アシュロンがオレにも系を放ったので、オレは慌てて上空に逃げた。

「何の真似だ、アシュロン?」

「それはこっちの台詞だっ! アンタがやったんだろうが、これをよっ?」

 あれ、オスの時期が長かったから、口調はオスのままだ。

「ソイツが力を見たいって言うからさぁ~」

「だからって・・・グアアアア」

 また足を他の完全版アラクネー族が噛まれてアシュロンは悲鳴を上げていた。

「大変だな」

 足を噛んだ完全版アラクネー族の首を手刀で刎ねながらアシュロンが、

「アンタなぁ~。そっちがその気なら・・・」

「その先は言わない方がいいぞ、アシュロン。森ごと燃やされたくないだろ?」

 オレが殺気を込めながら凄むと、アシュロンの方が折れて、

「チッ、分かりましたよ。従いますからっ! だから、こいつらを······」

「10分後に魔去が切れる。それまで生き延びるんだな」

「そんなに待ったら半数が・・・」 

「弱い奴は死ね」

 オレはそう言い捨てると、

「じゃあな。協定は守れよ」

 オレはそう言って帰って行ったのだった。





 その後の事は知らない。

 まあ、喧嘩を売った向こうが馬鹿だったって事で。

 ともかく、こうしてアシュロンとは無事協定が組めたのだった。






 『どこがだ? 火種を残しただけだろうが』だって?

 そんな事はないさ。

 これでアシュロンはもう当分の間、オレに逆らう事はないからな。
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