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邪神軍包囲網

ドス将軍と酒を飲む

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 夜になって部隊に居るドス将軍と合流した。

 人間族に不覚を取ったのか顔の右側に包帯を巻いてた。

「来ないと聞いていたが?」

 『助けてくれてありがとう』と素直に感謝出来ない物かねぇ~。

「気が変わっただけですよ」

「大方、その悪魔族の救出にきたのだろう?」

 ドス将軍がエルを見た。

 エルはオレが魂を譲渡したので、クラスチェンジしてもう大悪魔族だった。

 というか、大悪魔族で限界あがりだった。

 エイミーが言ってた『クラスチェンジの限界が大悪魔族が普通』って方が正しい訳か。

 大悪魔族って。

 全然弱いのに。

 どうなってるんだか。

「そういう事です。貰っていいですよね?」

「好きにしろ・・・後、助かった」

 おっ、意外に素直だな。

「いえいえ、レーゼル領の北側のユール領も取り返しますか?」

「必要ない。取り返しても兵が居ないからな。第6師団を誰かさんが氷漬けにした所為で」

「オレじゃないですよ」

「嘘つけ」

「本当ですってば」

「おまえしかいないだろうが。あんな大魔法・・・・・・まあいい。バーバラが死んだからな。戦略の練り直しだ。そっちはどうなってる?」

「コール神殿国が不気味ですね」

「神殿国は気を付けろ。いにしえから伝わる変な宝具を持ってるぞ」

 精霊砲の事ね。

「ええ、気を付けます。では、オレはこれで」

「何だ、酒くらい飲んでいけ」

 と盃に酒を満たされた。

「まあ、いいですけど」

 この日、悪酔いしたドス将軍が潰れるまでオレは帰して貰えなかった。





 というか、その日、神の光が落ちた。





 コール神殿国の東側の大国、バズ帝国の帝都バルベーズに。

 精霊砲の光だ。

 その精霊砲の攻撃で一瞬で700万人以上が死んだ。

 もちろん帝都バルベーズに落ちたのは偶然じゃない。

 レーゼル領を狙ったらバズ帝国の帝都バルベーズに向くように古代文字の表を細工したのだから。

 ってか、古代文字が分かる人間族が居たり、コール神殿国が帝都バルベーズを狙ってたら、レーゼル領に居たオレが死んでた訳だが。

 火遊びも程々にしないとな。
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